高知市から車で約40分。物部川に沿った肥沃な香長平野の中枢に位 置し、土佐の穀倉地帯として開けてきた野市町。農産物づくりが盛んな緑の広がる町は、交通 の便も良く県下トップクラスの人口増加率を続けています。今では住み良い地も、かつては荒れ果 てた野市台地でした。しかし、江戸時代に野中兼山によって用水路が築かれ、開拓が進み、野市六千石といわれる美田に生まれ変わったのです。その歴史の用水路は「みずみち」と名付けられ、水辺の道は散策路として整備が進められています。また、四国霊場第二十八番札所、大日寺へと向かうへんろ道もあり、太陽と緑につつまれ、水と歴史をめぐる野市の道は、「野開きのみち」として、町の人々の手によって心地よい歩き道へと整えられているのです。