「第1〜3回 四万十川流域のみらいを考える会」 意見整理

   は第3回の意見等
2001/9/6
課題 課題に関する意見 課題解消に向けた意見 実施済・実施予定の解消方法
治水に
関する
項 目
(1) 人命第一、治水優先すべき
川砂利で造った中村堤防(後川)等は危険大
広見川は未だに浸水被害が多い
中筋川は国道浸水が多発、治水安全度低い
内水被害の軽減も大事
(1) 治水関連予算を確保すべき
堤防補強が必要
河川改修が必要
横瀬川ダムが必要
内水対策(ポンプ施設)整備が必要
治水対策は、環境・地域活力に配慮すべき
  中村堤防の抜本的対策として、後川の分流も検討
 
(2) 後川は河床が上がり、洪水時は水位が高くなる
(2) 河床整正(掘削)すべき
 
(3) 洪水被害を軽減
自然の力を、人間がダムで押さえ込むのは無理
(3)

水の遊び場(遊水地)も必要

江戸時代の工法(水害防備林等)からも学ぶべき
ダムは洪水調節効果もあるが害もあるため、みんなの意見を聴くべき
干潟・湿地の保全、宅地化の埋め立てを避ける
ある程度、洪水を許容する覚悟も必要
  信玄堤(霞堤)のような自然に逆らわない古人の知恵も活かすべき
  水田・溜池などが持つ自然共生能力を生かして、(住民に危害が及ばない範囲で)無理な人工物による管理を目指さないこと
  水田は利水施設と同時に大きな治水機能もある
  1970年頃の森林整備状況が高水・低水時ともに適正だったと思われる
 
(4) 高齢者は、いざ避難という時動けない
  防災、避難体勢の確立
(4) 流域には高齢者が多いことを忘れないように
  氾濫が予想される地域での水位を予測し、周知すれば防災避難体勢に役立つ
 
(5) 護岸工事により洪水の流心が岸よりになり危険
(5)  
 
(6) 局所的豪雨が起こりやすくなった
(地球温暖化が原因か?)
(6)  
 
(7) 流域一体となった管理計画を策定すべき
(7) 省庁の枠を超えた流域管理委員会が、水管理をシミュレ−ションできるシステム(確率雨量ごとの治水・利水ハザ−ドマップ)を確立する必要あり
 
利水に
関する
項 目
(1) 水道使用量が増加に対し簡易水道統合化にて水源確保したいが、新たな水利権確保が困難
(1)  
 
(2) 生活するうえで水、電気は必要
(2) クリーンエネルギー面からも利水の議論が必要
 

課題 課題に関する意見 課題解消に向けた意見 実施済・実施予定の解消方法
自然環境
景観保全
に関する
項  目
(1) 河川内にゴミが多い
(1) 上下流の連携
毎月環境整備デーに住民が清掃活動(檮原町)
年数回 1,000人規模での市民一斉清掃(中村市)
不法投棄への行政の積極的な取り組み
ゴミの軽減化、過剰包装の自粛
(1)

市民一斉清掃、ボランティア団体との連携
(四万十川クリーン大作戦H4〜)
(マイリバー四万十TogetherH12〜)

ゴミ固形燃料化施設を整備
(H8〜H9:梼原町と東津野村が共同)
生ごみコンポストの無料配布(H10〜:十和村)
廃棄物監視員(警察OB)のパトロール(H12〜)
(2) 河床低下、岩が露出→川の陸水化

(2)

砂利供給(砂防ダムのオープン化、高さ切下げ化)
自然の力を利用した観点での工法はできないか
  流域一体となった土砂管理モデル河川として四万十川で検討すべき

(2)

鋼製・コンクリートスリッドダム設置
(十和、梼原で設置済、東津野村で施工中)
既設砂防堰堤のスリット化改良(十和村)
(3) 生物が減少、アカメも絶滅が危惧される
  四万十川上流でも魚が捕れなくなった
1)森林荒廃、2)減反による水田の畑化にて表土が流出、3)泥が堆積し餌の苔が付かない、4)鮎が育たなくなったと思われる

(3)

河川沿いの工事は自然環境に配慮すべき
  私達の代で手だてをする必要あり

(3)

河川水辺の国勢調査を毎年実施
(直轄区間 平成3年〜:国土交通省)
国道439号改良前生態系調査
(H8年〜:高知県)

(4)

四万十川の自然環境を維持し、将来へ継承
広見川にも、ホタルが生息する自然環境は残っている
(4)

流域上下流・各世代で連携

いろいろな人の意見を集約し、未来に良いものを残す
人間中心ではなく、川の生物中心に考えるべき
禁漁区の設定、乱獲防止
四万十川条例を住民サイドまで広めていくべき
  四万十川条例でも罰則規定を設けるべき
自治体レベルでも住民意見を聴く機会を推進
  集落や地域ごとのボランティア・グル−プ育成や学校教育が重要(四万十川の副読本(絵本等)を作成し、小・中学校などに配布してはどうか)
(4)

四万十川条例を啓蒙、住民との連携
(四万十川条例 H13〜:高知県)

国道381号等の既設モルタル法面緑化
(木の香る道づくり事業 H6年〜:高知県)

国道441号綱代のルート計画(トンネル化)
(平成4年〜:高知県)

環境配慮型作業道の整備
(H8〜:大正町)
四万十川流域土木工事手引書を作成
(H11〜:四万十川流域土木工事協議会)
(5) 魚の上れない魚道がある
(5) 追跡調査を実施すべき
 
(6) ブラックバス等の外来魚が繁殖
(6) 徹底的に駆除するべき
  東部漁協では15年前から200円/匹で買い取り、年間30〜40万円の予算をかけている
  県も何らかの行動をすべき
 
(7) ウナギも特に減っている
(7) 河口でのシラスウナギ採捕を条例規制するなどの保護が必要
 
(8) シラスバッチ網漁で鮎稚魚が捕られている
(8) 漁期、漁場を規制すべき
  内水面漁業と海面漁業との調整が必要
  海岸から150m以内は漁禁止区域としている
 
(9) 広見川では灌漑用取水堰により土砂が堆積し渕が埋まった。排砂対策をすべき
(9) 予算はかかるが可動堰化等への改築により排砂は可能
 
(10) 梼原川では自然景観や沈下橋とマッチしない工事が行われている
   
(11) 梼原川上流では泥が溜まり渕が浅くなっている。道路工事や森林荒廃による土砂流出やダム等が原因
   
森林保全
に関する
項  目
(1) 森林の保水力が低下
(1)

森林を保全すべき
(広葉樹林、複層林化、間伐)

公共事業化、基金の設立、間伐事業への補助

労力(ボランティア等)の活用

洪水・渇水時の両面での学術的解析を情報公開
複層林の水量調査を高知大学と共同研究中
針葉樹も手入れをすれば涵養効果がある研究結果あり
できるだけ山を壊さない林道整備
(尾根伝い林道)
放置された林道に活力を与える
(再整備)
  襟裳岬での松林再生により昆布が取れるようになった事例もあり、木を植えることの大切さについて考えることが非常に重要

(1)

広葉樹植樹、間伐体験、講演等を実施
(H8〜:東津野、窪川、梼原、中村)
(清流の森づくりキャンペーン他)
間伐者に対する10万円/ha助成
(梼原町)
(2) 林業従事者の高齢化
(2) 後継者の確保が必要
 

(3)

間伐しても採算が取れず赤字
  具体的な打開策が必要

(3)

林業が経済として成り立つような仕組み・整備が必要
  森林経済学研究等で採算が取れるようにすべき
  下流中村市等でも、水源税検討など協力すべき
  大野見村等では県からの間伐助成に上乗せ助成している

(3)

県でもH13年度から上乗せ助成するよう取り組んでいる
四万十川を先行モデルとしてゾーニング区分し、経営林・保全林等に分け助成していくよう県において、現在検討中
  プラン21森づくり小委員会でも検討中であり、結果は現場に反映されると思われる

課題 課題に関する意見 課題解消に向けた意見 実施済・実施予定の解消方法
水量水質
に関する
項  目
(1) 水質(濁り)悪化している
少ない雨で川が濁る
中筋川は下流へ行くほど水質が悪い
広見川は四万十川を汚す元凶といわれている
  100年レベルでは森林が、10年レベルでは土木工事が水質に影響している
  水田の代掻き濁水は、昔は流していなかったが、現在は上流ほど濁っている
(1) 生活排水浄化運動を実践
生ゴミの堆肥化、廃油石鹸、台所排水ろ過
新たな水質基準を設け、各地域で監視を行う
環境保全型農業に
水田代掻きの濁水を改善
工事の濁水発生防止、工事用道路の復元を
農業廃水・合併浄化槽の高度処理化
河川・林道工事だけでなく、森林の荒廃も原因
広見川でも水質浄化を考えていきたい
  流域住民が常に川に対する愛着を持ち、上下流が一体感を持って川と共生して欲しい
(1)

四万十川方式水処理施設の開発・設置(平成4年〜:高知県)

無放流(循環型)トイレの整備
(平成8年:西土佐村)
流域13箇所で各種浄化実験を実施
(流域総合浄化プロジェクト H7〜:国土交通省)
清流基準設定への取り組み
(四万十川条例 H13〜:高知県)
水田代掻き排水の改善策を検討中
(西土佐村、JA、農業改良普及センター)
合併処理浄化槽設置推進事業
(H1〜)
(2) 渇水時の水量が減少

(2)

森林保全(広葉樹林化・間伐・保水力を高める)
佐賀堰堤からの水量を増やす取り組み
 

(3)

四万十川では全ての環境基準値はクリアしているが、水質面で不満が多い

(3)

ヶ所毎に独自の水質指標を設ける必要がある
 
河川利用
に関する
項  目
(1) 護岸整備により、子供が川で遊べない

(1)

親水性を持たせた河岸整備
(自然環境にも配慮)

河川利用のルールづくり

  河川敷への車の乗り入れ禁止
  四万十川では観光面への配慮も必要
  河川敷に観光施設のないのが四万十川らしさベンチや観光施設は不要

(1)

わんぱくプール
(平成10年〜:東津野村)

 

四万十川ルール
(四万十川総合保全機構)

四万十川条例
(H13.4:高知県)

多自然型
川づくり
に関する
項  目

(1)

コンクリート護岸は生物環境を悪化させる
  広見川の近自然工法はコンクリートで間詰めしており魚には効果ない
  四万十川に石灰岩は似合わない
  巨石の裏込めコンクリートは問題
(1)

護岸・水路工事等は自然環境に配慮すべき

過去現在を把握した植生管理を行うべき
近自然工法で鮎の捕れる箇所もできた(梼原川流域)
直線の水辺を曲線に戻す
  現地素材を使用すべき
  巨石積みに隙間を確保すれば、魚が生息し、バクテリアもうまく育つ
(1)

北川川、吉見川で近自然工法を施行済(平成6〜9年度:高知県)

仁井田川を「魅州の國」をテーマに整備(平成12〜15年度:高知県)

直轄区間各所で多自然型川づくり実施(ふるさとの川整備事業:国土交通省)

(2) 赤鉄橋付近の局所洗掘は鮎産卵場への影響懸念
  上流の水道取水口への影響懸念
(2)  
(2) 大学との共同研究を実施中
(H13〜H15:国土交通省)

(3)

鉄バクテリアによる錆の濁水が長期化

(3)

掘削後の乾燥するヶ所等に発生するため、基礎調査を十分したうえで工法に活かしてほしい
 
   は第3回の意見等
2001/9/6

戻る