環境整備事業
相生川水質浄化事業
相生川をとりまく状況
相生川は、いの町市街地を流れ仁淀川に合流する流域面積0.70km2、長さ1.2kmの小さな河川です。
相生川流域は市街化が進んでおり、地場産業である製紙工場が立地しています。
しかし、製紙工場等からの排水の流入により、相生川の水は大変白く濁っていました。このため、相生川が合流する仁淀川も白く濁った水が流れ、汚濁物が堆積しており、以下の点が心配されていました。
- 仁淀川の相生川合流点より約1km下流には、高知市上水、いの町上水、吾南用水の取水地点があり、地域住民等が影響を懸念していました。
- 仁淀川と宇治川・相生川の合流点付近には、アユの好漁場・産卵場があり、地域住民・漁業関係者なども影響を危惧しており、早急な水質改善を望んでいました。
- 相生川合流後の河川の白濁や汚濁物の堆積は、清流仁淀川の景観を壊し、河川利用を阻害していました。
事業内容
仁淀川・宇治川・相生川は、平成13年度に清流ルネッサンス2に選定され、特に水質汚濁の著しい相生川を中心に、河川事業者、下水道事業者、地方公共団体、製紙工場、地域住民等が連携して、仁淀川の白濁感の解消に加え、水生生物が共生できる河川環境の創出を図るため、以下の取り組みを進めてきました。
- 【地域住民等】下水道への接続、河川清掃、啓発運動
- 【製紙工場】厳しい排水基準※1の遵守
- 【地方公共団体】下水道整備、工場排水の規制強化※1
- 【河川事業者(国土交通省)】沈殿水路方式による水質浄化施設の設置※2
※2国土交通省では、仁淀川の河川敷に、相生川の白く濁った水から浮遊物を沈殿・堆積させ、きれいなうわ水を放流する浄化施設を設置し、平成23年度から水質浄化を行っています。
清流ルネッサンス2の取り組みによる水質改善効果
製紙工場排水などによる水中のにごりの程度を示すSSの値は、事業前(平成3~12年度)と事業後(平成25 年度)を比べると、約41%改善されていることがわかりました。
国土交通省の取り組みによる水質改善効果
国土交通省による水質浄化施設の整備により、約29%改善されていることがわかりました。