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四国河川ニュース

10/22(土)〜 11/4(金)》693

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2016.11.07発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.325

 

○効果の見える治水事業  徳島県 「大神(おおがみ)地すべり対策事業」  徳島県県土整備部東部県土整備局 局長 瀬尾 守

○「地域資源を守り育てながらも、安全で安心なまちづくり」  吉野川市長 川真田 哲哉

 

 

○今週のニュース

 

○四国4県から集い、森林整備(間伐作業)を体験。(吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

○第21回蛍湖まつりを開催 (中筋川総合開発工事事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.325

 

1.効果の見える治水事業  徳島県 「大神(おおがみ)地すべり対策事業」  徳島県県土整備部東部県土整備局 局長 瀬尾 守

 

■事業の概要

○当箇所は、徳島県吉野川市美郷字大神に位置する「大神地すべり防止区域」で、区域北西部には「高開の石積み」と呼ばれる石積みが積まれてシバザクラが植えられており、日本の里を代表する伝統的な風景として「にほんの里100選」にも選ばれた地域となっております。

○昭和42年度から昭和61年度にかけて地すべり対策事業を実施していましたが、その後、徐々に地すべりによる変状が進行したことから、地元の強い要望を受け、平成21年度から対策事業を再開しました。

○本事業では、地下水を排除するボーリング排水工により、地すべりを抑制する対策工を実施し、過去に整備した対策事業と合わせた効果により、地すべり変動が沈静化したことから平成27年度をもって概成いたしました。

○近年は、ゲリラ豪雨などにより全国各地で甚大な土砂災害が頻発しており、社会的にも防災意識が一層高まっていることから、今後とも、地すべり等の土砂災害から住民の生命・財産を守るため、土砂災害対策にしっかりと取り組んでまいります。

                                 

○事業内容

・事業期間  平成21年度〜平成27年度

・整備内容  ボーリング排水工N=60(ΣL=1,925m)

 

 

2.「地域資源を守り育てながらも、安全で安心なまちづくり」  吉野川市長 川真田 哲哉

 

○吉野川市は、平成16年10月1日に麻植郡鴨島町・川島町・山川町・美郷村の4町村が合併し誕生した、総面積144.14km2の徳島県のほぼ中央部に位置します。 

○美しい清流「四国三郎」吉野川に育まれ、ホタルの乱舞やつつじの群落など四季折々の豊かな自然が息づいています。

○本市の美郷大神地区にある高開石積みは、見上げると山肌に横一面に引かれた石垣が、山頂まで段々に連なっており、まるで古代遺跡が空へ続く巨大な石の階段のようです。毎年12月の第3土日には、「高開石積みライトアップ」があり、優美で幻想的な石積みの姿は冬の風物詩となっています。また大神地区を含む美郷全域は、「美郷のホタル及びその発生地」として国の天然記念物に指定されており、本市ではそれらを地域の貴重な財産として活用することにより、生涯学習や環境教育の場として人々が交流し、地域の活性化を図るため、美郷ほたる館を構えています。この美郷ほたる館を活動拠点にし、毎年5月の美郷ほたるまつり、夏には川遊びなど、年間を通じて様々なイベントを開催します。

○そして梅栽培も盛んな美郷では、全国初の梅酒特区に認定され、地区では、毎年11月下旬に「梅酒まつり」も開催されています。     

○しかしながら、この地域は山に囲まれた土地がら、多くの地すべり地が存在し、昭和初期から地すべり対策事業を徳島県の協力のもと進められてきました。近年では、異常気象や集中豪雨などにより、土砂災害が頻繁に発生しており、当地域も例外ではありません。本市の市民憲章の中には「健康で快適に暮らせる安全で安心なまちにします」とありますようにハード整備・ソフト対策の両面から住民の生命や身体を守っていく必要があります。

○このような中、大神地区ではハード整備である地すべり対策事業が概成しました。これからは、ソフト対策の強化として、ハザードマップの配布や自主防災組織と連携した防災訓練などを進めていきたいと考えています。

○今後とも、今ある地域の自然・文化・歴史・産業など、多彩な地域資源を守り育てながらも、安全で安心なまちづくりを基盤とし、地域の将来像をしっかり見据えながら、誰もが住み続けたいと思える吉野川市を目指してまいります。

 

                         

今週のニュース

 

1.四国4県から集い、森林整備(間伐作業)を体験。(吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○平成28年10月23日(日)、徳島県三好市にて、「吉野川上下流交流大会」が開催されました。この交流大会は、毎年実施しているもので今回でちょうど節目の20回目となりました。主催は、「四国三郎(吉野川)ふれあい会議」で、水源地域の市町村(いの町(旧本川村)、大川村、土佐町、本山町、大豊町、三好市)、民間機関代表者、受益地域の四国4県、国土交通省及び水資源機構で構成しています。

○吉野川上下流交流大会は、「受益地域の人々が感謝の気持ちを込めて水源地域への貢献と水源地域との交流」として、受益地域の方々に水の源を訪れてもらい、「森林整備(間伐作業)体験」や「ダム施設見学」等を通じて、水資源の有限性や水資源施設、水源林の重要性について考え、地元の方々との交流を図り、さらには水源地域に対する理解を深めていただくことを目的に開催しているものです。

○当日は朝まで降っていた雨が止んだ曇り空の下、日本三大秘境の1つとも言われる同市東祖谷地区の落合集落を一望に眺めることができる展望所に、早朝からバスで出発した四国4県からの約70名の方々が集いました。

○開会式では、主催者を代表して地元三好市の近泉裕久副市長から歓迎のご挨拶をいただいた後、四国地整の鷲津河川情報管理官からの挨拶では本交流大会の主旨などのご説明もいただきました。

○引き続き、地元の三好西部森林組合の方々から木の伐採の仕方やのこぎりの使い方などのご指導もいただき、開会式会場近くの森林で、参加者の方々はみんなで協力しながら間伐の作業を体験しました。その場では、同森林組合の方々によるチェーンソーを使ったスギやヒノキの大木を伐採するなどの迫力ある実演を見たり、間伐した木から自分たちでコースターなどを作製して記念品として持ち帰っていただきました。

○午後からは「祖谷川散策」として、同市の西祖谷地区を中心に毎年開催している「祖谷平家まつり」での武者行列や伝説劇を見学したり、「祖谷のかずら橋」を渡るなどで一層の上下流の交流を深めることができました。

○最後には、同市の池田町に移動し、池田ダムを見学してもらい、ダムや水資源の大切さなども改めてご理解いただけたことと思います。

○受益地域の下流域から参加した方々からは、「貴重な体験ができた。」「森林やダムの大切さがよく解った。」などの感想をいただきました。

○より良い水源地域創造のため、今後も関係機関の方々と連携し、吉野川上下流の交流がより一層促進されるよう本交流会も継続して実施して参ります。

 

 

 

2.第21回蛍湖まつりを開催 (中筋川総合開発工事事務所)

 

○中筋川ダムでは1023日(日)10001400に「第21回蛍湖まつり」を開催しました。

○前日から雨が続いていたため開催が危ぶまれましたが、当日は開始時刻の10時には雨も止み予定通りに始めることができました。ときおり小雨がぱらつく時もありましたが、それでも約1000人が来場されました。

○特設ステージを飾ってくれたのは地元宿毛東中学校ブラスバンド部員による素敵な演奏、地元出身のシンガーソングライター堀内佳さん歌のステージにて会場を熱く盛り上げてくれました。

○今年のダム見学会では、防災エキスパートの方の説明のもと堤体内部見学。またダムの堤体内をイルミネーションで装飾し、幻想的な空間も演出しました。ダム見学者数は320人を迎えました。

○中筋川ダム周辺植物などの紹介や植物名前当てクイズ、自衛隊、警察署、消防署、などの環境・防災に関する学習・体験ブースはどこも大変な賑わいでした。

○蛍湖まつりのフィナーレを飾る「もち・お菓子投げ」では、雨にもかかわらず、老若男女、投げるほうも拾うほうも、実況アナウンスも熱が入りました。

○開催にあたっては、地元自治体(宿毛市、三原村、四万十市)、商工会議所、観光協会、地元婦人会などたくさんの方のご協力のもと、無事に開催することができました。これからもたくさんの方に、中筋川ダムに親しみを持って訪れていただけるよう、地域と連携したダム管理に努めていきたいと思います。

 

 

 

 

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