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四国河川ニュース

9/10(土) 〜 9/23(金)》690

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2016.9.26発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.322

 

○効果の見える治水事業    香川県 円命寺川(三豊市詫間町)の砂防事業  香川県西讃土木事務所長 川江 秀樹

○談話室「香川県三豊市」「新しい三豊市の仕組みづくり」  三豊市長 横山 忠始

 

 

○今週のニュース

 

○外国の防災担当者が日本の水防工法等を学びました (吉野川水系 徳島河川国道事務所) 

○水防工法技術講習会を開催(吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○ロープワーク体験の流域講座を開催(吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○ネパールの高校生19名 石手川ダム見学&植林体験 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.322

 

1.効果の見える治水事業    香川県 円命寺川(三豊市詫間町)の砂防事業 香川県西讃土木事務所長 川江 秀樹

 

 

■事業箇所 三豊市詫間町

■事業期間 平成21年度〜平成27年度

■全体事業費 310百万円

■事業計画          

 1. 砂防堰堤  1基

 2. 堤高              H=11.0

 3. 堤頂長            L=79.0

 4. 堤体積          V=4,2103

 5. 渓流保全工 L=296.0  

 6. 貯砂量            Vs5,6463

 7. 流域面積         A=0.13km2

                                              

○本渓流は、三豊市詫間町大浜に位置し、紫雲出山(しゅうでやま)山頂付近に源を発し、瀬戸内海に流れ込む流域面積0.13km2で平均河床勾配1/5の土石流危険渓流です。下流域には保全対象として人家73戸、寺院、耕地1.3haに加え、荘内半島を循環する県道大浜仁尾線があり、土石流により被災した際には他の代替道路がないため住民の避難も困難になります。

○当流域の地質は、風化花崗岩であることから、表層の風化が進み、降雨のたびに渓流内の至る所で崩壊を起こしており、住民の方々から一刻も早い土石流対策の要望を受けておりました。

○この様な状況に鑑み、土砂災害の発生を未然に防止し、住民の生命、財産を守るための砂防堰堤の建設を計画し、平成21年度に事業着手し、地元住民の皆様のご協力のもと平成282月に完成しました。

 

 

2.談話室「香川県三豊市」「新しい三豊市の仕組みづくり」  三豊市長 横山 忠始

 

○三豊市は、平成の大合併により、平成1811日に旧三豊郡の高瀬町、山本町、三野町、豊中町、詫間町、仁尾町及び財田町の7町が合併し誕生した新しいまちです。本市は香川県の西部に位置し、市の北西部には燧灘(ひうちなだ)・備讃瀬戸をのぞむ美しい海岸線、中央部には財田川や高瀬川などの河川が流れ、豊かな田園空間が広がる三豊平野、南東部には緑輝く讃岐山脈など、海から山まで多彩で特色ある自然環境・景観を誇る田園都市です。

○新たな本市のまちづくりにおいては、「自主・自立」を基本に、市民・市民組織・民間企業・行政が、生み出される市民力を高め生かすことにより、本市ならではの特性や資源を磨き上げ、三豊市型の“豊かさ”を自らの手で生み出し、発信し、西讃地域の顔となるまちを創り上げていくことが重要と考えています。そのため市民との協働体制の確立と地域内分権を進めながら、本市ならではの新たな“豊かさ”を常に創造・発信するまちづくりを目指しています。

○さて、本市は香川県で2番目に大きく多様な土地を有しており、これまで何度も各地で土砂災害を経験しています。本件の詫間町大浜地区においても、平成13年に土砂災害が発生し被害を受けました。こうした中で、昨今の広島の土砂災害、熊本や東日本での大震災等、歴史的な大規模災害の発生もあり、近い将来に起こると言われる南海トラフ巨大地震に備え市民の防災意識も年々高まっており、自主防災組織の確立、地域ごとの防災訓練等、各地で災害に備えた取り組みが動き出しています。災害が同時に多発した場合は、まず「自分たちの地域は自分たちで守る!」という心構えが大切です。「自助」「共助」「公助」とありますが、自助・共助の部分、自分たちの地域で活動する自主防災組織。ここが重要な第一堤防だと考えています。また、公助の部分において、ハード施設の代表的なものが今回整備していただいた砂防施設であり、大変ありがたい限りです。本市としても「地域防災力の強化で減災の実現」をテーマに防災マップの作成及び三豊市地域防災計画の策定、防災行政無線の整備等、防災体制づくりを進めてきました。また、今年1月に危機管理センターを稼働し、災害時における速やかな初動体制を確立しました。

○今後も「自助」「共助」「公助」この補完性の原則のもと、市民・市民組織・民間企業・行政による「新しい三豊の仕組み」を確立し、「自主・自立」の三豊市づくりを進めていきます。

                         

 

今週のニュース

 

1.外国の防災担当者が日本の水防工法等を学びました (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○9月1日(木)、(独)国際協力機構(JICA)が実施する、世界各国の行政機関担当者を対象とした防災に関わる研修が、石井河川防災ステーションで実施され、世界各国の防災担当者13名が参加しました。

○この研修は、自然災害、特に台風・洪水等による風水害に対する防災意識の啓発を行うことで、具体的な防災活動の効果を理解し、防災対策に必要な基本知識を身につけることにより、よりよい防災体制や住民啓発施策の立案、改善に資することを目的としています。

○今回は、防災エキスパートの山本邦一氏を講師に招き、「水防工法の基礎(座学)」「水防工法の事例見学」「ロープワーク講習(実技)」の講習を行いました。

○この取り組みで、日本の水防技術や河川改修が世界各国の防災対策に役立つきっかけとなればと思っています。今後もこのような機会があれば、協力していきたいと考えています。

 

 

2.水防工法技術講習会を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○当事務所では、豪雨災害に備えるため、水防技術の向上及び伝承を図るとともに、水防の技術的なリーダー育成を目的として、毎年出水期に水防工法技術講習会を行っています。

○今回は、平成28年9月3日(土)に「上板町防災訓練」の一環として東光小学校・高志小学校の二箇所で上板町消防団員約60名を対象に水防工法技術講習会が開催されました。

○講習では「土のう作り」の実習や、「改良積土のう工」、「月の輪工」「シート張り工」についての講義を受け、水防工法についての基礎知識を学びました。

○皆さん大変熱心に受講していただき、今後起こるかもしれない災害被害から地域の尊い人命や財産を守りたいという気持ちが伝わってきました。今後も「水防工法技術講習会」が核となり、市民の皆さんの水防に対する意識向上に寄与できればと思います。

 

 

3.ロープワーク体験の流域講座を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○9月12日(月)、吉野地区地域福祉活動計画実行委員会が主催する、「防災対策みんなでやらんでぇ?!」が阿波市社会福祉協議会吉野支所(こすもす)で開催され、徳島河川国道事務所は訓練項目の一つである防災時に必要なロープワーク体験の講師として参加しました。

○実技指導では、「髪括し(かみくくし)」「疣結び(いぼむすび)」「舫い結び(もやいむすび)」の3種類の結び方について指導しました。

○今回の訓練には、地元住民の方々と吉野中学校の生徒合わせて168人の参加がありました。

○この取り組みを機に、住民の方々の防災への関心が高まり、万一の事態に訓練の経験が活かされれば良いと思っています。

 

 

4.ネパールの高校生19名 石手川ダム見学&植林体験 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

915()、ネパールからの短期留学生19名が、ダム見学及び植林体験のため、石手川ダムを訪れました。

○彼らは、2015年ネパール地震により被災した経験のある学生や、防災関連分野を専攻している学生たちで、外務省の「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として来日したものです。

○ダム見学では、石手川ダムの操作室でダムの役割や設備について説明を行い、その後、ダムの堤体内を案内しました。

○地震の被災経験のある学生たちは、熊本地震の時の様子や愛媛で発生した一番大きな地震は何かなどに関心が高く、ダムの耐震性や液状化発生の懸念はないか等、専門的な質問をする学生もいました。

○また、植林体験ではダム上流の松山市が保有する山の斜面に、ドングリの木50本を植樹しました。これらがうまく根付いて生長すれば、水源地の森林涵養に一役買ってくれるのではないかと期待しています。

○石手川ダムでは、同様の機会があれば今後も積極的に受け入れ、微力ながら国際交流の一助になれればと考えています。

 

 

 

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