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四国河川ニュース
《2/13(土)〜2/19(金)》436号
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【2010.2.22発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.162
○上弓削海岸 津波・高潮危機管理対策緊急事業『愛媛県上島町上弓削 開口部の締め切り』 愛媛県東予地方局今治土木事務所 松本 正二郎 所長
○「海とともに在り続けるために」 愛媛県上島町 上村 俊之 町長
○今週のニュース○
○「第13回 高知海岸保全技術検討委員会」を開催 (高知海岸 高知県)
○「第11回中筋川流域委員会」を開催 (渡川水系 高知県)
四国・水こぼれ話談話室Vol.162
1.上弓削海岸 津波・高潮危機管理対策緊急事業『愛媛県上島町上弓削開口部の締め切り』 愛媛県東予地方局今治土木事務所 松本 正二郎 所長
○ 上弓削海岸は、愛媛県と広島県との間の瀬戸内海に浮かぶ上島諸島の弓削島北部に位置する延長3,469mの海岸で、対岸に広島県因島市を望む風光明媚な海岸です。
○ 海岸背後には人家が集積するとともに、唯一の生活道路で避難路となっている一般県道弓削島循環線が通っており、それらを守るために昭和40年代に護岸を整備しており、護岸には、砂浜との連続性を確保するため開口部を設置していました。
○ 開口部については、締め切りが遅れた場合、津波や高潮による被害が発生する恐れがあるため、地元上島町や消防団が角材による締め切りを行い背後地を守ってきましたが、時間と労力のかかる作業であり、施設の老朽化や職員等の高齢化に伴い早急の対応が危惧されていました。
○ このことから、護岸開口部への陸閘(※1)設置や利用の少ない開口部の締め切り(階段工)など開口部の統廃合を行い、背後地の更なる安全を図るために本事業を実施したものです。
○ 事業概要は次のとおりで、事業費は少額ですが効果の非常に高い事業となっています。
(※1)陸閘;防潮施設の一種で陸上ゲートのこと。高潮時にはゲートを閉め高潮を防止するもの。
○ 事業期間 ;H20
○ 事 業 費 ;2,500千円
○ 工事内容 ;陸閘設置 N=2基、開口部締切 N=3箇所
2.「海とともに在り続けるために」 愛媛県 上島町 上村 俊之 町長
○ 愛媛県の北東部、広島県境に位置し瀬戸内海のほぼ中央に浮かぶ上島町は、平成16年10月1日、弓削町・生名村・岩城村・魚島村の4町村が合併し誕生しました。本町の面積は30.41平方キロメートル、気候は瀬戸内海 特有の温暖な多照寡雨で、平均気温は15〜16℃、年間降雨量1,000ミリメートル前後で、冬期にもほとんど積雪はありません。周囲は、瀬戸内海国立公園区域に囲まれ、風光明媚な瀬戸の景勝拠点地です。
○ 四方を海に囲まれた上島町では、古来より海運業・製塩業など海を中心として発達し、現在においても漁業など海の恩恵を存分に受けております。しかし時として海は上島町住民の生活を脅かす脅威ともなりうるのです。
○ 上島町弓削上弓削地区は民家が海岸近くに密集しており、台風時期の大雨と高潮による床下・床上浸水被害に度々悩まされてきました。そこで埋立地の周囲に遊水池を設けて台風時には強制的に排水する強制ポンプを設置しました。このポンプの設置により背後地の浸水被害は解消され、漁業への被害も軽減することができ、再び海の恩恵を存分に受けることが出来るようになりました。
○ また、弓削島・岩城島には「海の駅」を設置し、瀬戸内海の海上交通の真ん中に位置する上島諸島は、ヨットなどの絶好の寄港地として少しずつ賑わい始めました。平成21年7月にはしまなみ海道10周年記念行事として「しまなみ海道ヨットミーティング」が上島町で開催され、約30艇のヨットが「ゆげ海の駅」に集結しました。これは上島町の新しい海との関わり方として大変参考になるものでした。「ゆげ海の駅」は新たに3基の浮桟橋を追加し、ますますヨットなど海からの来訪者を迎える体制を整えてまいります。
○ 今後とも、国、県のご高配を戴きながら、海とともに発展し、海とともに永く在り続けるために、新しい海との関わり方を模索し続けたいと考えております。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
3.「第13回 高知海岸保全技術検討委員会」を開催(高知海岸 高知県)
○ 2月10日(水)高知河川国道事務所において、「第13回高知海岸保全技術検討委員会」を開催しました。
○ 本委員会は、高知海岸の海岸保全事業の実施にあたり、海岸事業者と学識経験者の指導のもと、海象現象の調査・工事の実施計画・事業の影響予測・事業効果の検証など海岸保全に係る技術的検討を行うことを目的として、平成9年度に設立されたものです。
○ 今回の委員会では、まず高知海岸の現状を各委員に確認いただくため、離岸堤が設置さている高知海岸仁ノ工区と波介川河口導流事業から発生した砂利を試験養浜に有効利用している新居工区を視察いただきました。
○ 会議では、過去12回の検討経緯と、前回委員会の指摘とその後の対応状況、最新データに基づく海浜変動状況について報告があり、引き続き下記項目について、討議が行われました。
・仁ノ工区離岸堤について
・試験養浜について
・海岸環境調査について
・岸沖漂砂特性について
○ 委員からは、離岸提設置に伴う周辺海浜への影響・新規離岸堤設置にあたっての課題と対応、土砂動態モデル活用上の考え方等、活発なご意見をいただきました。
○ 高知河川国道事務所としては、今回いただいたご意見を踏まえ、より詳細な検討を進めた上で、高知海岸における保全事業の推進に生かせて参りたいと考えております。
4.「第11回中筋川流域委員会」を開催 (渡川水系 高知県)
○ 2月16日(火)に「第11回中筋川流域委員会(委員長:今井嘉彦高知大学名誉教授)」を四万十市内で開催しました。
○ 本委員会は、中筋川河川整備計画の策定及び変更にあたって意見を戴き反映することを目的に平成13年に設立したもので、四万十市長、宿毛市長はじめ学識経験者や地域の代表・有識者(16名)で構成しています。
○ 今年度は第1回目の開催で、田中四万十市長、中西宿毛市長をはじめ13名の委員の方々に出席頂きました。
○ 今回は、昨年の「ダム事業の見直し」の表明を受け、検証対象となっている「横瀬川ダム」を取り巻く現状や「横瀬川ダム」の効果等について、委員の方々との情報の共有を図ることも目的に実施したものです。
○ 委員からは、過去、この委員会で「横瀬川ダム建設」の必要性について議論され、「横瀬川ダム」は必要で急いでやる必要との結論を出している。国交省として、こうした地域の現状を含む「横瀬川ダムの有効性」をきっちり上部機関等に伝えてほしいといった意見が大勢を占めていましたが、一部の委員会からは、この際、一旦中止して考え直してみる必要がある、といった意見も出されました。
○ この他に、中筋川と四万十本川の合流の計画や横瀬川の砂防堰堤についての質疑もありました。
○ 今回頂いた意見を踏まえながら、「横瀬川ダム」を含む中筋川の治水対策の検証を行っていきたいと考えています。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 香川 正好
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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