一般国道32号の香川県三豊市
この区間では、平成16年12月6日に季節外れの豪雨により財田第3トンネル高松側抗口の法面が崩壊し、約4日間全面通行止めとなり、経済活動、生活道路としての機能が長期に渡り麻痺しました。
また、今後30年以内に50%の確率で東南海・南海地震が発生すると予測されており、この区間においても地震動による斜面崩壊・落石などの被害が考えられ、早急な対策が必要となっています。
以上のように、今後このようなことが起こらないようにするため、法面崩落、土砂流出、落石の危険度が高い箇所で、事前に防災対策を施す工事を実施しております。
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工事概要 (イラスト説明はこちら)
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工事内容
法枠工
法面からの土石崩落、または法面自体の滑落を防止するため、コンクリート製の格子状の枠により法面を押さえる工事です。コンクリート枠の中は、樹木等の種子を播種することにより、植生による法表面の崩落を防止します。
また、播種する種子はできる限り周辺の在来植生に近いものとしました。そうすることで、生態系の保全、周辺と調和する景観に配慮した植物群落の形成に寄与するものとなります。
枠内植生前 周辺の環境を考慮した植物群落
平成16年夏〜秋の台風により、香川県内の道路は過去に無い異常な大雨による災害を受けました。特に10月の台風23号により、日雨量が香川県内での観測史上最大の333mm(
国道32号は急峻な地形の上に小規模渓流が多く、大雨時には渓流に堆積した土砂が道路上に流出する危険が予測されます。このため、渓流に砂防堰堤の設置、土石流が流れやすくするため道路下の暗渠を大きくする工事を実施しています。
ロープネット工
自然斜面上に不安定な状態で浮いている石が、直接道路に落ちてくることを防止するために、柔軟性に富んだ強度の高いワイヤロープを法面に密着して張り、点在する浮石を押さえ込む工事です。
また、網目状に配置されたワイヤロープの間に立木を通すことができますので、無駄な伐採をすることなく施工でき、自然林の美観を損ないません。