平成22年7月27日
平成21年度第十堰の基礎調査結果について
 国土交通省徳島河川国道事務所では、「『よりよい吉野川づくり』に向けて」 ( 平成 16年 4 月 27 日発表 ) の基本的な考え方に基づき、第十堰で継続的に調査を実施し、得られたデータについては、当事務所ホームページ等を通じて、一般に公表することとしております。
  この度、平成21年度に実施してきた以下の調査結果をとりまとめましたので、公表します。
■平成21年度の出水状況
   平成21年度において、調査対象となった出水(基準地点岩津での水位及び流量)は以下の通りです。
◇平成21年8月10日台風9号出水 ピーク水位:3.84m、ピーク流量:約5,300m3/s
 なお、本出水は水防団待機水位(3.30m)を超過しましたが、はん濫注意水位(5.30m)は超過しませんでした。
 
■平成21年度に実施した調査の結果
@
変状調査(形状調査、空洞化調査) 《別紙−1
     第十堰の形状把握を目的として、下堰護床工の変状について目視観測を実施し、過去の洪水により上流側から下流側へ護床工が流出し、散在している事を確認しました。
 なお、空洞化調査及びその他の形状調査については、大規模な出水がなかったため、実施しませんでした。
A
河床形状調査 《別紙−2
     第十堰周辺部の局所的な深掘れに着目し、音波測深機を用いた面的な測量を実施し、測量地点の河床形状を把握しました。
B
堰下流右岸深掘れ状況調査 《別紙−3
     第十堰下流右岸における局所洗掘(深掘れ)状況を把握するため、圧力式水位計を用いた計測器により出水中の河床変動状況を観測しました。
 この観測の結果、洪水中において、No.7地点では、出水時に河床が約1.3m洗掘された後に、土砂が0.7m堆積したことが確認されました。
C
堰下流右岸根固めブロック変動量調査
      第十堰下流右岸の根固めブロックについて、出水時の移動量を把握するため、六脚ブロックに水圧計を設置し観測しましたが、今年度の出水は、流量規模が小さかったため、大きな変動は見られませんでした。
D
左岸迂回流調査、洪水時流況調査
     今年度の出水は、流量規模が小さかったため、観測出来ませんでした。
E
歴史調査 《別紙−4
     第十堰周辺の旧家等の古文書について、歴史的経緯として、以下の調査を行いました。
・古文書の解読
 旧家等で収集した古文書を解読した結果、第十堰関係は44点ありました。
・現代語訳の作成
  解読した古文書のうち、第十堰関係について、現代訳を作成しました。
 
■平成22年度に実施する調査
  平常時の調査として
    @形状調査、A空洞化調査
  出水時の調査として
    @堰下流右岸深掘状況調査、A左岸迂回流調査、B洪水時流況調査、C河床形状
  調査の実施を予定しております。