平成17年度 第11回吉野川現地(フィールド)講座
コアジサシデコイ制作・設置結果についてのお知らせ

 平成17年度 第11回吉野川現地(フィールド講座)において、参加者の皆様にはコアジサシのデコイ(模型)の作成(平成18年3月25日、4月29日)と、阿波市の西条大橋付近の河原に設置(平成18年4月8日)をしていただきました。その後、コアジサシの渡来状況と営巣状況の調査を行いましたので、その結果を報告いたします。
 渡来状況の調査は平成18年4月29日〜5月1日の3日間にわたって、吉野川河口から岩津橋までのおよそ40kmの区間を対象に実施しました。
 吉野川河口の干潟周辺では、延べ193個体(4/29〜5/1の3日間)、阿波中央橋の上流では、延べ77個体(4/30〜5/1の2日間)のコアジサシが確認されました。その中には、繁殖行動である求愛給餌もみられました。

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図−1 コアジサシの確認状況(4/29〜5/1)

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写真−1 河口砂州上空を飛ぶコアジサシ(4月29日撮影)

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写真−2 阿波中央橋上流で休息中のコアジサシ(5月1日撮影)
 営巣状況の調査は、6月3日と7月19日にデコイを設置した箇所(西条大橋付近と阿波中央橋付近)で行いましたが、コアジサシの営巣は確認できませんでした。
 その原因としてはコアジサシの卵やヒナを食べる、カラスの群れや野犬が見られたことから、コアジサシが巣をつくるのを避けたのではないかと思われます。


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図−2 カラスの生息状況(4/29〜4/30)
 次回の開催については、適切なデコイの設置場所の選定について専門家の意見も踏まえながら再度検討を行い、実施するかどうかを含めた判断をしたいと考えています。
 今回はこのような残念な結果となりましたが、当事務所でのデコイの制作や現地でのデコイ設置、バードウォッチングにご参加いただき本当にありがとうございました。今後も一層吉野川に親しんでいただけるよう、私達も吉野川をさらに身近に感じていただける取り組みを行っていきたいと思います。
 また次回、皆様とお会いできることを楽しみにしています。