「明日の吉野川と市民参加のあり方を考える懇談会 -第十堰から始める新しい川づくり-」第 10 回 懇 談 会 資 料
 ■グループ討議のまとめ

1.ゆるやかな共通のテーブルについての具体的なアイデア
 

内 容
現状調査をする
  • 現在の第十堰の物理的な状態を官民合同で調査する。(4グループ)
幅広いテーマで話をする
  • 第十堰のみに焦点を当てたのではテーマにならない、話に入りたくても入れない人間がたくさんいる。(3グループ)
  • 利水のことや歴史的なことも入れて、幅ひろいテーマで話せる場が必要。(3グループ)
  • 吉野川流域全体に生かしていくことを考えて話す。(3グループ)
討論会をする
  • 各団体に運営を任せた討論会を開く。懇談会が何回も頼む。(4グループ)
  • 懇談会と地元のマスコミの共催、もしくは地元のマスコミの主催で、事業の必要性から話し合う公開討論会を行う。(5グループ)
  • 討論会といっても主張の言いっぱなしではなく提言をしてもらう。(5グループ)
  • 前回の大平所長の発言ではっきりとした線引きがあった。佐野塚の会の人たちとの討論会から始めたらどうか。(5グループ)
  • 自治体の代表には、可動堰の必要性を話してもらう。可動堰疑問団体には、なぜ反対なのか、洪水の場合どうするのかを話してもらう。(5グループ)
まず各団体の主張を整理する
  • 懇談会がさまざまな情報を整理するべき。(3グループ)
  • 懇談会は各団体の主張している事柄についてメリット、デメリットを整理するべき。(3グループ)
  • 各団体を懇談会に招いて話を聞く。(3グループ)
  • 可動堰疑問団体の集会に出席し何故反対しているか理解することが「共通のテーブル」実現に近道ではないか。(5グループ)
  • アセスの会に働きかける。(3グループ)
団体との新しい関係をつくる
  • 懇談会からそれぞれの市民団体へエールを送る。互いに認め合うことが重要。例えば、みんなの会の活動を支援するために懇談会が募金するのはどうか。(4グループ)
市民団体が白紙から案を考えられるような手助けをする
  • 今、第十堰のことについて具体的な案が必要とされている段階ではないか。それについて意見を出せるのはこれまで活動してきた団体である。やはり団体主体で、様々な案を出し合えるようにすべきである。特にこれまでの賛成団体が、白紙から考えて案をつくれるような手助けが必要であると思う。(1グループ)
  • それぞれの団体が、川への思い入れをまとめたり、それを提案にしていけるといい。(1グループ)
  • 大事なのは地元の意見を聞く、ということであるが、一般市民にはたたき台となるものがないと意見が出せない。考えがまとめられない。(1グループ)
  • いろいろな提案を拾い上げていく。(3グループ)
訪問を続けて合意のための条件整理をする
  • 訪問を続けて、それぞれの意見をすり合わせて共通のテーマ、合意のための条件整理をしていく。(1グループ)
  • 1回行ってその団体がどういう姿勢かは決められない。各団体の意見を何度も聞いていくと、これからの進め方のすり合わせができていくと思う。(1グループ)
  • 意見を聞いていけば、共通性のある生の意見がもっと出てくる。(例えば、佐野塚に行った時、「現在はそんなに危機感を感じていない」と言っていた。)そのような話の中から共通のテーマを見出していき、合意のための条件整理をしていく必要がある。(1グループ)
訪問と対話を続ける
  • 流域全体で意見を聞く(数ある土地改良区にも)(2グループ)
  • まだ聞き取ることが必要な団体があるのでは。(2グループ)
  • 対話の中から基本的事項について話し合いたい。対話のきっかけはよく顔をあわせること。(2グループ)
  • 団体形成と地域形成をやっていく。団体と地域の両方に開くスタイルを。(吉野川の状況(防災面、利水面、環境面)、歴史、河川防災の基本)(2グループ)
  • 呼びかけた以上、懇談会に責任がある。(2グループ)
  • 反対といっている人たちの場にも、懇談会は出席する必要がある。(2グループ)
  • 意見には様々な理由がある。(2グループ)
  • 訪問の結果の公表、行った人との情報交換。(2グループ)
  • 訪問と対話が財産。(2グループ)
  • 進めるための方策を考える。(2グループ)

  人選:・訪問団の参加者を増やし、訪問先の数を多くし効果を。
     ・訪問者(決まったメンバー以外に、参加したい人)を募る。

ゆるやかなテーブル以前の活動がある
  • アドプトのような活動。そうじをするなど、誰もがそれはやってもいいねというような活動から始めてはどうか。気軽にコミュニケーションをとれる体制が必要。(5グループ)
市民を対象に考える段階にきている
  • この懇談会は、当面の問題として第十堰をどうするかということで中間提言をしたが、あらためて市民の参加を話題にしているのは、振り出しに戻った感じがする。(5グループ)
  • 団体を意識して行動してきたが、それも一段落ではないか。これからは、市民を対象に考える段階。(5グループ)
  • 団体は本当に市民の意見を代表しているのか?(5グループ)
  • 市民の人から意見収集、聞き取りをする(3グループ)
  • 住民の声と言うが、現実には団体(それも推進・疑問団体のみ)の意見だけになっている。(3グループ)
  • 流域住民の声を聞いてくれていない、拾い上げてくれるところがない。(3グループ)
  • かつては町内会・自治会イコール住民の意見として捉えられたが、現在では町内会・自治会自体がきちんと機能していないので住民の声を反映しているとは言えなくなった。(3グループ)
  • ここまで決めてきたシステム、プロセスに問題あり。(3グループ)
  • 審議委員会で決まったことが信用できない、住民の意見を反映しているとは言えない。(3グループ)
手続きを待つのも大事だが行動を始める
  • ゆるやかなテーブルの具体的なイメージがわきにくい。手続きをふんでいくのも大事だが、それを待つのではなく誰かがエイやっと始めないと始まらないのではないか。
    例えば県や建設省ではなく、徳島市など。(5グループ)
テーブル作りの呼びかけは休止する
  • テーブル作りの呼びかけは休止し(懇談会の中の)学習会を行う。吉野川についての知識や、素朴な疑問について学習する。例えば、「模型実験の信頼性」「堰上げによって生ずる深掘れの予想」「そもそも可動堰の決定は政治判断によるもの」ではないか。(4グループ)

2.問題解決に向けたイメージ
市民参加の仕組みのイメージ
目的:ア) 流域の2市8町1村の市民の「誰もが」「いつでも参加できる」しくみを作る。
イ) 住民投票のようにそれぞれの意見の背景が見えなくなるような決め方ではなく、“話し合い”を通じて結論を出すことが重要。世論調査のようなアンケートを実施し、結論ではなく議論の道標になるような工夫はあっても良い。
構成:ア) 流域の自治体にそれぞれ「参加のテーブル」を設け、定期的に検討会を持つ。
イ) それぞれの「参加のテーブル」の代表と市民団体の代表が集まり、流域全体で「話し合いのテーブル」を設ける。
ウ) 河川管理者は「話し合いのテーブル」のオブザーバーとして関わる。
エ) 専門家によって構成される専門委員会を設け、「話し合いのテーブル」に対して判断に必要な情報を提供する。
運営:ア) 県は「話し合いのテーブル」を運営し、全体のリーダーシップをとる。
イ) 各市町村は「参加のテーブル」への参加の呼びかけを行う。
ウ) それぞれのテーブルの進行は、進行のプロに委ね、同一のプログラムを用いてワークショップ形式で進める。すなわち、話し合いのマニュアルが必要となる。
エ) 建設省、県、市町村の役割分担を明確にする。
留意点:ア) 市町村単位の色分けができることは新たな対立の構図をもたらす事になるので、市町村の中にいくつかの「参加のテーブル」を設け、グループ単位で話し合いを進めることで、個人の意見を尊重するようなボトムアップのしくみとする。
イ) 市町村は意見を言わずに、住民の意見に従う。そのためには「可動堰推進決議」を撤回することが前提。
エ) テーマの設定が重要。対立を前提としないテーマから話し合いを始める。第十堰は結論の一つ。治水や利水、環境、歴史から始める。
オ) 提言は、県や建設省に向けたものになるのではないか。
検討事項:ア) “官”からの呼びかけでは反対派は参加しないのではないだろうか。
イ) (傍聴者から)地域の小さな問題なら議論が可能であろうが、第十堰のように大きく技術的に難しい問題を流域全体で考えるのは難しいのではないか。
ウ) 地域による温度差があるのではないか。→それはそれで良い。
エ) 250年の歴史の上に積み重ねる議論なので、何年もかかる覚悟で進める。
オ) 専門委員会の関わり方を考える必要がある。
(以上、4グループ)
共通のテーブルについて
  • 共通のテーブルには訪問団で出会った人々の参加を考える。(2グループ )
代替案について
  • 代替案を出す様々なグループを応援する。(2グループ)
  • 代替案はコンペ的に公募する。(2グループ)
    (佐野塚の人々にも具体的な案がある。/代替案を考えることは金がかかる。建設省の協力が必要。/市民から案をだしてもらうことに意味がある。建設省から出してはいけない。/代替案を持ちより検討する場が共通のテーブルとなる。
問題解決に向けて進めていく手順について
  • できるところからのゆるやかなテーブル。あるいは中立機関による。(2グループ)
  • 40団体のところへ行ってから。(2グループ)
  • 40団体の結論では。(2グループ)
ゆるやかなテーブルのもつ意味について
  • 受け入れ体制がゆるやかになることで多少なり関わりやすくなる。(3グループ)
  • 推進,疑問派で割れてしまった状態から温度差を減らしていく場になる。(3グループ)
  • 人間(市民)が主役になれるようになる。(3グループ)
  • 推進、疑問派ではない声、残せ!壊す!の中間の意見が言える、聞ける。(3グループ)
  • 緩やかなテーブルが必要なのは分かるが現実問題としてはできないのではないか。(3グループ)
中立機関による調停について
  • 徳島で中立なのはマスコミか?(5グループ)
    (徳島で一番中立性を示せるのはマスコミではないか。/マスコミならば、コンピューターなど駆使して意識調査ができる。フェアな意見の集約ができる。/首長も本来ならば、民主的な手続きを踏んだ市民の声の代表ではあるが、個人的な見解も入ったりなど、完全な中立の立場は難しいだろう。)
  • 自己主張しない第三者が必要。(3グループ)
  • コーディネーターにはその役割についての能力や知識が必要。(3グループ)
  • 誰を選ぶかは難しい、新聞協会、NHK,マスコミにみていてもらうことで第三者的な役割を果たしてもらう。(3グループ)
  • 具体論は専門家に任す。(3グループ)
白紙の解釈について
  • 「可動堰を除いた他の提案で『白紙から出発する』ものである」と建設省、県が明言する。そうすれば可動堰疑問団体も共通のテーブルについてくれるのではないか。(5グループ)
提言について
  • 3月で最終提言をまとめることについて(2グループ)
    ・これまでの訪問実績の範囲で提言も可能だが、そのための裏付けが必要。望ましいのはより深く聞き取り、訪問先と対話を図ることだ。
    ・何度も訪問することで対話のキッカケが生まれる。
    ・相手の話を聞くだけではしんどい。対話にならない。先に進まないのでは。そのためにはもう少し時間がほしい。
    ・個別の対話の積み重ねの中から、信頼が生まれ解決のヒントも見つかる。
    ・40団体のところ、全部を終えてから提言を出す。
    ・訪問先はこの数でよいのか。土地改良区など数多くあるが、現実的ではないのか。
  • アセスの会の提言を学んで提言に活かす(5グループ)
    ・具体的な提案を出している団体どうしが協力してもいいのではないか。その方がよりいい案ができるのではないか。
    ・具体的提案を間接的だとしても示してくれたのは、アセスの会だけ。すりあわせをしてまとめたらどうか。
    ・アセスの会の提言を説明してもらうため、懇談会に呼んだらどうか。
    ・懇談会が提言を勉強して「ここがわからないので教えて下さい」と何人かが聞きにいけばいいのではないか。
    ・懇談会だけが勉強をするのではなく、なぜ広く市民に呼びかけないのか。
    ・アセスの会の提言に対し、建設省も機敏に反応できなのではないか。
    ・懇談会がアセスの会の提言に対応すれば、建設省も動きやすいのではないか。

3.懇談会の役割について
 

内 容
提言を出す
  • 懇談会の役割はあくまで「案を提言する」ことに尽きるのではないか。(4グループ)
  • 「アセスの会」の案はわかり易い。→第三者にわかりやすいしくみ(ルール)を作る。(4グループ)
  • 提言内容をまとめてぶつけるまではやる。その後のことはそこで考える。(5グループ)
  • 建設省に対して情報公開のしかた(何をどのように公開するべきか)について提言する。(3グループ)
  • 懇談会の提案は何であれ反発を招くおそれがある。(4グループ)
  • 懇談会は認知されていない、生まれたての小さな団体である。だから、仲介役は難しい。仲介役は専門家に任せる方が良い。(4グループ)
  • しかし、17の団体に認めてもらっていることは事実である。(4グループ)
提言を出した後、建設省から独立する
  • 提言を出して、その後は建設省から独立した組織を目指す。(1グループ)
有志をつのりボランティア団体として活動する
  • 中立性を持ってコーディネートするためには、独立した組織となる必要がある。(1グループ)
  • 懇談会の良さは、各団体を横に動けるところである。(1グループ)
各団体の活動の手助けをする
  • 共通のテーマについての討論会などを、各団体が主体的に行うための手助けを懇談会が行い、実績を作って会の存在がみとめられるようにしていく。(1グループ)
提言の実現に向けて働きかけをする
  • 提言の実現に向けて自治体や市民活動団体への働きかけはする。(4グループ)
  • 提言を出した後もテーブルづくりの手伝いをしたい。(5グループ)
  • 懇談会が調停をする中立機関にはなり得ないが、なんらかのサポートはできるのでは?サポートをしていく時に、懇談会が衣替えをする形での選択があるのではないか。(5グループ)
流域の声をひろう
  • 声なき声をひろう。(3グループ)
  • もっと多くの文化団体に話を聞く。(推進・疑問派団体ばかりでなく、流域の声はもっと他のところにある)(3グループ)
その他
  • 今、懇談会は行き詰まっている。参加者も減ってきている。しかし、自分は懇談会がどのようになろうと、最後まで見守りたい。(5グループ)
  • ずっと傍聴しているが、個人個人の方が中立の意識を持って参加しているのはよくわかる。訪問に行って中立性を否定されるようなことを言われたとき、何故、きちんと懇談会が中立性を持ってやっていることを説明しないのか。(5グループ)

4.その他
大平所長への質問 「何年も議論にかける必要があると思うが、その間の安全対策(避難訓練なども含めて)をどのように考えてるのでしょうか。完璧な安全対策など不可能だと思うが…」(4グループ)
*大平所長からの返答は次回の懇談会にて行う。