「明日の吉野川と市民参加のあり方を考える懇談会 -第十堰から始める新しい川づくり-」第 10 回 懇 談 会 資 料

 ■全体討議のまとめ

1.「訪問」についての報告
 

内 容

前回の懇談会以降の訪問団体

<県と建設省の2ヶ所の訪問の追加>

  • 4人のメンバーで再度、今まで我々との話し合いの場をつくってくれなかったところに対して電話をしようということで、電話をかけてきた。その中である団体からは、吉野川第十堰の問題については建設省も白紙に戻したんだから、懇談会も解散したらどうかという意見や、ほとんどが、今のところ私たちの考えがまとまっていないし、会う状況にないということで、最終的には県と建設省の2ヶ所のみの訪問になった。
  • 最初にリストアップしたのは、第十堰の可動堰化に対して態度を表明したところを対象としているが、住民投票が終わった時点で会は解散したとか、それ以降について私たちはわからないというものがかなり含まれている。それから、特に政党関係の団体は、1人の代表者がその地域や、複数の市町村にまたがり関係しており、結局その人の意見となり十分なお話ができる状況にないということだった。他も同じような反応で、数としては2つのみの訪問となった。(以上、訪問団より)

訪問時のメモの確認状況

<確認の回答が少しづつもどってきている段階>

  • 15団体の訪問時のメモというのをつくっている。これについては、訪問に応じてくれた各団体に、訪問団の世話役の方が持っていっていただいて、チェックをしていただくという形としている。これを訪問のときのやりとりとして公表していいとか、ここのところは表現を変えるとか、話し言葉で言っているのと、文章で出した場合にはすべてのことが伝われないから、そのまま公表するのはどうかということも含めて、回答が少しづつ戻ってきているという段階である。(吉村)

2.運営委員会で話題となったこと
 

内 容

「流域全体の市民参加と合意形成の仕組み」が我々のもっとも目指す目標

<大事なことは、住民の声なき声をひろうこと>

  • 今日の午前中の会議で話があったことについて。

 そもそも共通のテーブルということで問題解決のために取り組んできたが、もともとは市民参加を考える懇談会であって、市民意見といったときに団体だけではないのではということだ。
 団体にこだわる行き方は、もちろんどこかで必要なのかもしれないが、この部分をきちんとしなければいけない、それが資料から落ちている、そういう指摘を受けた。(吉村)

  • 共通のテーブルで話し合うということを議論していたが、これは全体から見ると1つのステップにすぎない。我々が議論する時の最初のとっかかりとして、共通のテーブルについて話し合ったわけだ。そして共通のテーブルは旧の賛成、反対派が大部分を占めるイメージだったと思う。
     しかし中間提言をおさらいすると、「団体間、あるいは団体と河川管理者の話し合いだけでなく、流域全体の市民参加と合意形成の仕組みが必要だと私たちは考えています」と。この「流域全体の市民参加と合意形成の仕組み」が我々が最も目指す目標と考えている。
     今の議論も、緩やかなテーブルももちろん大切で、決して無視していない。しかし、もっと大事なことは、どうやってこの問題を解決するかという、流域2市8町の1人1人の住民の声なき声をすくいあげることだ。(運営委員より)

3.グループ討議前の話し合い
 

内 容

今の吉野川の問題は地域住民の問題

<地域住民すべてに働きかけるべきでは?
   →共通のテーブルも市民参加のための1つのステップ>

  • 我々が最初に集まったのは、共通のテーブルをどのようにしてつくったらよかろうかということが目的だったわけだ。
  • ここに書いてある可動堰推進派も疑問派も余り腰は軽くない、動かないということだが、考えてみると、今の吉野川の問題というものは、推進派とか疑問派とかいう限られた数の問題だけではない。地域住民の問題である。そこまで今来ているんだということだ。そういった両極端に分かれた会の人が積極的に討論しましょうというのならばいいが、そういう姿が薄いというならば、もっと掘り下げて、そういった会も含めて、地域住民すべてに働きかけることにすべきではなかろうか。当然そういうふうになるのではなかろうかと思う。これを個別の討議に移る前に言っておきたい。
  • →共通のテーブルも市民参加、問題解決のための1つのステップだと思う。(吉村)

共通のテーブルに着くのは「人」ではなく「具体的な構想」

<具体的な方法論、構想を我々が手を使って使って集めたらどうか>

  • 共通のテーブルに着くのは人ではなくて、吉野川をどういうふうにしたらいいのかという具体的な構想だ。これが主役であって、それがテーブルに着かなければだめだ。そういった構想をすべての人から広く集める。そして、こういう方法が集まりましたよということを、仮のテーブルでよろしいから並べて、それについて皆さんに検討してもらう。それについて、可動堰がよろしいと自信のある人はそれについて代弁する。人は次の問題であると。こういうような方法で、とりあえず我々としては、どのような方法が実際にあるのかと。これが結局、最終的な問題だ。
     こういった具体的な方法論、構想を我々が手を使って集めたらどうだろうか。そして、それを一般の人に見てもらう。こういう問題があるんだ、こういう方法があるんだ、私はそれは賛成だとか、案を出した人が説明しなくてもいいし、力がなければ、適当な代理者の人に応援してもらうとか、こういうような方法で、要するに、どういう方法があるのか、具体的なものをまずつくって、それを皆さんに見てもらう。そういう方法が我々としたら今現在できると思う。

流域全体の意見を吸収するためには?

  • 質問だが、流域全体の意見を吸収するためには、例えば、石井の防災ステーションへ我々が出かけて行き、流域の方に集まってもらい意見を聞くという方法でいいのか?
    →その辺りのことはグループ討議でやってほしい。(吉村)

4.グループ討議後の話し合い
 

内 容

グループ討議の整理(進行役より)

<何に対して中立なのか>

  • 中立、中立と言っているが、実は何に対して中立なのかがはっきりしていない議論がある。

<建設省が呼びかけたのは市民参加のあり方を考える懇談会>

  • 我々がとにかく問題解決に向けて頑張る、何とかしたいという気持ちと、懇談会とは何なのかというのが、少しごっちゃになっている。
  • いろんな提案が出ている、その提案を実現する主体なのか、きょう結論をつけなくて もいいが、もう一度振り返ってください。
  • 建設省が呼びかけたのは、もともと市民参加のあり方を考える懇談会である。そして、団体が入らなくて、有志の懇談会がこの場ですよということだ。あり方を考えて提案するというのが一番の大きなこと。どこまであり方を提言できただろうか、これから提言に向けて考えなければいけないかということだ。

<提案内容とそれを推進する主体とを区別する>

  • 共通のテーブルを実現させるとか、つくる懇談会みたいに受けとめられることもちょっとある。それから、意見集約もしなければいけない、団体だけではなく、幅広い意見集約、それを提言に盛り込むことは必要だが、例えば流域40万人とか、そういうことで懇談会がやるんですよということなのか、それを建設省にやりなさいとか、それは提言としてすっきりわかるが、こうしたらいいんじゃないかというのと、それを推し進めるのがこの懇談会だというのと一度区別してください。だれに向かって、どういう提言をしていくのか、ちょっとごっちゃになっているところは整理してほしいなという気がする。

<市民参加のあり方に中立も対立もない>

  • きょう、仕組みのところで、具体的な案として出てきたのは4班である。対立から始まって、それに対して中立みたいな立場になろうとしているのだが、市民参加のあり方に、もともと中立も対立もない。それを考えること自体は。可動堰というのがずっと頭にあり、それをちょっと引きずっているが、これがなくなったということだ。白紙という状態だ。その状態からスタートしたときに、どんな仕組みとか、テーマを考えなければいけないか。ここのところで、両方の団体が集まるようにしようとか、すごく考えていたけれども、これがなくなったわけだ。案がないのだ。
     所長、今流域住民に対して提案する案というのはあるんですか。例えば、堰をどこにとか、どういう方式というのは、案は提示しているものはないんですよね。(吉村)
    →改築の必要性はあるという認識だが、その改築の方法の案は今何もない。(大平所長) 

<中間提言の流れ>

  • 事業目的、必要性からやりましょうというのを建設省はとりあえず表明している。
     そして、解決の方向がある。それをどういう方向で行くのか、現堰を生かした方向とか、問題を部分的に改善しようとか、いろんな方向性があるわけだ。治水だけ考えてきたが、環境のバランスも考えた方向性、要するに、ここに選択肢が幾つあるのかということがまだ何も議論されていないから、これを議論しなければいけないことは確かだ。そこから、ある方向性に対して、それぞれの案がある。複数案ある。それが出てきて、どれがいいかということで選択になっていくと思うが、それの段階で、こういうテーマというか、こういうことで進めようと。
     中間提言は、基本的にこういう流れになっている。そこの各段階で、だれがどのように参加するのかということを考えるというのが中間提言までだ。

グループ討議の整理(進行役より)

<問題解決に向けての迂回路…中立機関>

  • それぞれの参加の仕組みでアイデアを少し出したらどうかというのと、さっきのところに戻るが、いきなり共通のテーブル__問題解決にとっては必要だが、迂回路としての、次回ちょっと情報提供したいと思うが、成田空港でやった方式とか、いろんなことがある。例えば、中立機関というのをどうやって選んだらいいのかとか、そんなこともちょっと考える必要がある。基本的にはこんな流れのことを考えよう、その1つの案として4班から出てきている。

<参加の仕組みが事業者の意思決定にどう反映されるか>

  • 参加の仕組みというのは、事業者とか、市民とか、専門家とか、いろんな団体があって、団体も、単に可動堰案があったから、賛成、反対と言っているけれども、いろんなことで、地域のために活動している団体がある。流域も、市民といっても、いろいろな市町村で、利害関係が違うかもしれない。これらの関係をどうやってどのようにしたらいいのか。特に問われているのは、こういうことが事業者の意思決定にどう反映されるのか、これをちゃんと考えましょうということだ。

<共通のテーブルは一つのプロセス>

  • 共通のテーブルというのは、こういうふうにイメージしていたが、1つの取っかかりとして、こういうことを考えるための一つのプロセスだと思う。だけど、基本的には、ここで何でも決めていいのかというのがある。そうじゃないでしょうと。そうしたら、どういう場であったらいいか。そこで、団体とか、市民とか、専門家とか、行政とか、どう関係をつくるのか。この関係に対するアイデアを少し考えて、提言に盛り込んでいくということだと思う。

環境アセスメントの会の方に提言を説明していただきたいという要請について

  • 環境アセスメントの会に提言の内容説明をしていただきたいという要請について、運営委員会で早い時期にもんでほしい。

→来てくれるかどうかは別だ。環境アセスメントの会の提言は、建設省への提案であり、その提案を参考資料としてお送りしましたということだ。懇談会の皆さんにもどうぞということであり、懇談会への提案ではない。これを懇談会で取り上げてほしいとの申し入れもない。(吉村)

  • そういう話があるとすれば、運営委員会で話をし、この懇談会へ呼ぶかどうか、という話をしなければならない。

*懇談会のその場で採決した結果、意見が分かれたため、運営委員会で検討することとなった。

次回の日程・内容について(進行役より)

<懇談会>

  • 次回の懇談会は12月16日(土)午後。その日しか調整がつかないため。
  • 今日の整理なども含め、フリートーキングの場を設けたい。

<運営委員会>

  • 11月25日(土)午前を予定。午後は河川講座のため。
  • 環境アセスメントの会に提言の内容説明をしていただきたい件について、話を聞きたいという人も、検討が必要という人も双方いるので、運営委員会で検討する。