議事2:(1)団体訪問中間まとめの再整理

2000.11.11 第9回吉野川懇談会 


1.白紙の意味をめぐる解釈の違い

建設省の計画(13km地点・道路橋併設案)が白紙になったということ。
可動堰も含めた白紙からの議論をすればよい。白紙にはどんな議論もある。
今の白紙は何色にでもなるし凍結は必ず溶ける(可動堰復活)。必要なのは白紙撤回。
改築とは、既存を壊し新しいものをつくるという意味。事業目的や必要性の判断から問い直すべき。

現計画(13km地点・道路橋併設案)白紙:明白(与党勧告、建設省見解)
事業目的や必要性から議論(可動化以外の選択肢もあり?):第8回懇談会での所長表明
徳島市の住民投票結果をどう受け止めるかという点で大きな隔たりがある
建設省は可動堰の考えを復活させるのでは?:建設省の姿勢や方向性に対して

2.対話の前提条件をめぐるやりとりの経緯
1999.5〜2000.1.23(住民投票前まで)
建設省
住民投票はしこりを残す。
まず対話を。
可動堰化は妥当と考えている。
計画棚上げの意義を感じない。
予算要求は管理者としての責務。
可動堰疑問団体
住民投票を市民の意思決定手段として認めること
可動堰計画を棚上げすべき
事業化に関わる予算要求しない
事業目的、必要性に戻って議論すべき。
可動堰推進団体
住民投票にとらわれないこと
計画の棚上げを前提としない
審議委員会答申を尊重すること
事業化に向けた手続きをすすめること

2000.1.23〜2000.8.28(住民投票から白紙勧告まで)
建設省
投票結果は流域の一意見
可動堰妥当との考えは変わらないが、可動堰にこだわらない。
ゼロから議論する。
可動堰疑問団体
住民投票結果を尊重し、可動堰計画は白紙撤回すべき
建設省の結論が可動堰しかない状態では対話は成立しない。
可動堰推進団体
現在の可動堰計画も含めた様々な代替案を検討していく
改築の必要性再確認
(促進期成同盟会)

2000.8.28(白紙勧告)〜
建設省
現計画(13km)は白紙。建設省から現計画を持ち出すことはしない。
これからは地元の人がどういう話し合いをするかということ。
改築の必要性や現堰を残す価値も含めて議論。
可動堰疑問団体
可動堰に代わる案を考えるために元に戻すべきであり何でもありはこじつけ。
建設省が再び可動堰を持ち出すのは明らか。
建設省が中止を明言してはじめて自由な討論ができる。
可動堰推進団体
原点に戻り、可動堰含む代替案を検討していく(商工会議所)
様々な団体から意見を聞き、見解をまとめる(期成同盟会)

3.懇談会設立の経緯

1999.6.22:建設省、「市民参加のあり方を考える懇談会(案)」の設置と参加を呼びかけ
    (メンバー構成案:建設省・県各1名、賛成・反対団体代表各3、一般公募市民4)
1999.11.17:建設省、「懇談会」への参加を三度要請(この間、左記2のやりとりがある)
1999.12.1:建設省、一般公募6人募集を先行(対話の受け皿をつくっておきたい)
2000.2.12:一般公募による懇談会初会合(応募者全員)

見切り発車、解散すべきという意見は、上記のような経過などが要因になっている と思います。
ただ、いろいろあるにせよ、この懇談会が応募した全員で構成し、様々な意見を持 った市民の「討論の場」としての意義は失われるものではないと思います。ここでの 意見も尊重されるべき市民の意見では?
懇談会の意義と懇談会への批判、双方をふまえつつ「懇談会ができること」を検討 したらどうでしょう。

 

参考

白紙勧告(2000.8.28)
現在、建設省が計画している吉野川の可動堰建設について、民意が二分されているが、現堰の改築の必要性については、ほとんどの人が認めるところである。膠着したこの現状を打破するためには、政府の現行計画を白紙に戻し、新河川法の趣旨にのっとり地元住民の意見を反映しつつ、洪水防止、水利用の観点から新たな計画を策定する。
新河川法(1997)
河川環境の整備と保全を求める国民のニーズに的確に応え、また、河川の特性と地域の風土・文化などの実情に応じた河川整備を推進するためには地域との連携が不可欠である。このため、河川整備計画については、地方公共団体の長、地域住民等の意見を反映する手続きを導入することとした。(建設省パンフ)
徳島市の住民投票条例(目的)
第1条 この条例は、現在の吉野川第十堰を撤去し、新たに可動式の堰を建設する建設省の計画(以下「可動堰建設計画」という。)に対して、市民の賛否の意思を明らかにするための公平かつ民主的な手続を確保することにより、市民の市政への参加を推進し、もって市政の民主的かつ健全な運営を図ることを目的とする。