平成12年2月12日 第1回懇談会

「市民参加のあり方に関する懇談会(案)」について

建設省徳島工事事務所  大 平 一 典 


1.この懇談会の役割はなにか?
 吉野川の問題は、『吉野川を大事に思う人たち(徳島の人たち)』で解決策を検討すべきと考えます。したがって、この懇談会は、ここにお集まりの皆さんが主役です。皆さんからの積極的な提案をベースにした話し合いを通じて問題解決に向けた何らかの方向性が得られることを期待しています。
 具体的な役割としては、
(1) 第十堰の取り扱いを中心に今後の吉野川のあるべき姿(将来像)、その実現方法や役割分担などに関して、多くの人たちの意見を反映したいと考えていますが、では、どのような仕組みで意見を集約していくかという具体策がないのが現状です。したがって、この懇談会では、そのための方法論(土俵の作り方、対話のルール、参加者の選定方法、意見の検討方法など)を検討し提案する。
(2) さらに、この懇談会で示された意見集約の方法に基づいてより多くの人たちが参加した「次の対話の場」の実現に向けた取り組み(多くの関係者への働きかけなど)を行う。
2.河川管理の目的とはなにか?
 『流域で様々な生活や活動をしている多くの人たちの命の安全を守り、暮らしの安定を確保し、豊な自然環境や優れた利用環境を良好な状態で次世代に引き継ぐためのものである』と考えています。
3.河川管理に「住民意見の反映」はなぜ必要なのか?
(1) 建設省は、平成9年「住民意見の反映」を盛り込んだ河川法の改正を行いました。この意味するところは、価値観が多様化している現在の社会環境下においては、関係者の多くが納得できる方策を導き出す新たな仕組みが必要になったと考えています。
(2) この新たな仕組み(意見の検討や反映の方法、合意形成のシステムなど)には決まった方式が存在していないことから、吉野川にふさわしい仕組みを多くの人たち(国、県、市町村、流域住民)が対話することによって作り出していく必要があると考えます。
(3) 別の言い方をするならば、お互いの考え方や立場を尊重しつつ共通の目標を探し出すという作業が必要であり、その共通目標を実現するにあたってそれぞれの役割や責任をどう担っていくかということも十分に検討する必要があると考えます。
4.国(建設省)が河川を管理している理由は?
(1) 河川法第二条には、『河川は、公共用物であって、私権の目的となることができない。』と規定しています。これは、河川の流水や河川敷の私的な利用や所有を認めると社会全体の秩序が保てず国民生活に重大な支障が生じることから、河川は国民全体の財産として、国(建設省)が管理する必要があるとする考え方が基本となっています。
(2) 吉野川における河川管理の歴史が物語っているように、治水や利水を巡って左右岸や上下流の深刻な利害対立が生じる場合が多い事は周知の事実です。この調整には、中立公平な立場の者が必要です。河川管理者は、こうした利害調整も含めて計画を立てておりますが、実際には大変難しいものがあります。その辺のことも十分にご理解いただいて、積極的に解決策を提案していただきたいと思います。
5.懇談会へ参加する建設省徳島工事事務所の基本的な姿勢とは?
・建設省徳島工事事務所は、皆さんの意見に耳を傾けることを基本とし、ひとりの参加者として誠意を持って話し合いに参加します。
・建設省徳島工事事務所の考えは、懇談会の場で表明いたします。
・さらに、この懇談会で何らかの方向性が示された場合、その実現に向けて誠心誠意努力します。
6.この懇談会の運営はどうするのか?
・この懇談会での合意は、参加者が対等の関係の中でそれぞれの意見の趣旨を尊重しつつ、極力全会一致を目指すべきものと考えます。
・この懇談会は、参加者が自主的・主体的に運営することが理想です。皆さんの話し合いによって運営主体や運営の方法などを決定していただきたいと考えます。
・「皆さんの中から互選によって進行役や運営委員(世話人)を選ぶ」、「徳島にゆかりがあり川づくりにも知識を持っている中立公平な第三者に委ねる」などの方法が考えられますが、運営主体や運営の方法などが決定されるまでの間は、河川行政に関する知識や複雑な問題の論点を整理するための専門的なノウハウを持った中立公平な『川をこよなく愛する人』に手伝ってもらうことも一案であると考えます。
7.本日の第一回懇談会で検討していただきたい事項
(1)当面の進行役はどうするのか?
(2)この懇談会の名称?
  (案1)「第十堰問題の解決に向けた住民意見の反映方法を考える懇談会」
  (案2)「吉野川での市民と行政との協力のあり方を考える懇談会」
  (案3)「第十堰問題の解決のための吉野川方式を考える懇談会」
  (案4)「吉野川での協働型川づくりを考える懇談会」
  (案5)「吉野川対話型川づくり懇談会」
(3)みんなで議論すべき事項
(4)公開の方法
(5)その他(次回の開催日時など)
                                 <以上>