吉野川懇談会では「中間提言」についての意見を伺うために、第7回懇談会で訪問団を選出し、9月の末までに13団体を訪問しました。
 第8回の懇談会は、訪問団の報告から始まりました。
 まず、訪問を断わられた団体もかなりあったこと、受け入れてくれた団体の中にも慎重な意見や、「共通のテーブルを考える前に解決しなければならないことがある」「懇談会の位置付けが不明確だ」と指摘する団体が多かったことが報告されました。
 それに対し、懇談会メンバーから「『共通のテーブル』の実現に向けて、もっと熱意を持って説得すべきだ」「もっと具体的な、なるほどと言われるような提案を持っていくべきだ」という意見が出されました。
 そこで進行役の吉村さんから「『共通のテーブル』は、それぞれの団体が自発的に参加する気にならないと成立しない。どうしたらそうなるのかを考えるのが大事ではないか?」という問いかけがあり、メンバーから次のような意見が出されました。
 「訪問して話してみると、『こんなことについてなら一緒に話したい』というテーマをあげた団体もある。 みんなが完全な形でテーブルについて一から話すのでなくても、共通の話題から少しずつ一緒に話していってはどうか。」「『アセスの会が』住民参加の方法について提案を送ってくれた。可能ならば、このことについて一緒に議論してみてはどうか。」
 その後、「共通のテーブルが必要という提言を伝えるだけでなく、具体的な話し合いの足がかりをどうつくるか考えてみましょう」という吉村さんの投げかけで、グループに分かれてアイデアを出し合いました。
 「とにかく訪問を進めて意見を引き出すことが大事」「個別のテーマでの団体間の話し合い、学習会などを提案してみる」といったアイデアがあげられました。
 最後に、懇談会メンバーからの質問に答える形で、建設省徳島工事事務所所長の大平さんと県の土木部参事の納田さんがそれぞれの立場で「白紙の意味」を述べて閉会となりました。

*大平さんと納田さんは、第7回懇談会からメンバーをはずれ、オブザーバーとなりました。
【団体訪問の感想】
「白紙」とは何か、話し合いのスタートラインはどこかが問題になっている
懇談会には白紙の中身、考え方を整理する役割、建設省に問うていく役割があるのではないか
「こういう点でなら、一緒に話をしてもよい」とテーマをあげる団体もある
完全な形での「共通のテーブル」でなくても、ゆるやかにつながっていく方法が提案できるのではないか
共通のテーブルについて、「参加して」という言い方はしない方がよい。
共通のテーブルを懇談会が主催するかのように思われる
懇談会の位置付けが問われている
「懇談会も白紙にすべき」「建設省の隠れ蓑」というようなことをいう団体もあった。
「共通テーブルが成立したら懇談会は解散する」と明言すれば、調停役として受け入れられるのではないか。
 
◆白紙についての見解
          (第8回懇談会での発言)



■大平さん(建設省徳島事務所長)
建設省としましては、第十堰を改築することをスタート地点とするのではなく、本来の意味での原点に立ち戻って、そもそも第十堰の改築が必要なのか否か、第十堰を残す価値があるやなしやというような、白紙の状態から論議すべきであると考えております。

■納田さん(徳島県土木部参事)
県民の皆さんの生命、財産、暮らしをどうやって守っていくかということを基本に置き、その手段についてはこだわっていません。もう一度原点に立ち返って議論をしていただきたいと願っています。