吉野川流域一斉水質調査の中間発表について

  吉野川流域一斉水質調査は7月30日(日)に「河川愛護月間」の行事の一つとして、建設省徳島工事事務所、吉野川ダム統合管理事務所、四国山地砂防事務所の呼びかけに応募いただいた一般市民の方々の参加により、実施しました。
 この度、流域内の各地の河川や水路などで調査結果を中間報告としてとりまとめましたのでお知らせします。
 
 このような調査は吉野川流域でははじめての試みで、調査地点は4県34市町村にまたがるのべ約680地点(支川や水路なども含む)、参加者総数約370名と全国的にも最大規模の調査となりましたが、調査日当日は、台風6号の接近に伴い、降雨によって、一部の河川ではかなりの流量となり、調査を実施できなかった方々も多数おられました。
 調査された方々からは、「川の状態がよく分かった」、「魚がいっぱいいて面白かった」等の意見の一方で、「空き缶などのゴミが多く、安心して遊べない」、「ホタルや魚がたくさんいた昔の川に戻って欲しい」等のご意見をいただきました。

 今回の結果についてはあくまで中間報告であり、秋には最終的な報告書をまとめる予定です。また、今回は洪水の影響もあり、通常とはかなり異なった結果が出ている河川もあります。このような調査は継続的に実施することが必要です。今後も引き続き調査を実施する予定ですので、できるだけ多くの方々に参加していただければ幸いです。

平成12年8月28日
建設省 徳島工事事務所 河川環境課

(問い合わせ先)
建 設 省 徳 島 工 事 事 務 所
河川環境課 森本 輝(Tel.088-654-2211 内線351)



(参考)

調 査 結 果 概 要

 調査日当日は、台風6号の接近に伴い、降雨によって池田ダムより上流域等では、かなりの流量となり、かなりの水が濁った状態でした。
 吉野川本川は基本的にCODが2程度のところが多かったですが、降雨の影響からか、吉野川の上流域ではCODが高い値を示した地点もありました。また、吉野川下流の汽水域では水が濁っていた箇所がかなり多く報告されました。

 田宮川や大岡川、正法寺川、飯尾川、神宮入江川など、人家の生活排水等が流れ込む下流域の支川は、CODが8mg/l以上の地点がかなり見られ、汚れていることが分かりました。

 吉野川中流域では、日開谷川や大久保川など吉野川の北側の河川では、CODが4〜8mg/lと汚れたところが多く、穴吹川や貞光川、井ノ内谷川、小川谷川など、吉野川の南側で比較的大きな流域をもつ支川は、濁りの有無等の違いはあったものの、CODは、0〜2mg/lと非常にきれいでした。
 これは、一般的に吉野川北岸は降雨が少なく、南岸は降雨が多いことから、南側の河川の方が流量が多いことも、きれいである原因です。しかし、同じような支川でも、川田川は中流付近でも6mg/l近い値を示し、汚れた状態でした。

 一方、同じ中流域でも、弥十柳川は、CODが8mg/lと汚れていました。これは、流域面積が小さく(一般的に流域面積が小さいことは流量が小さい)、池田町の中心部からの生活排水を受けていることが大きな原因と考えられます。