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砂防の目的

砂防がつくるやさしい大地

砂防事業は、水源山地の荒廃を防止し、急流河川から流されてくる大量の土砂や破砕帯地すべ り地を人為的にコントロールすることによって、「がけ崩れ」「土石流」「地すべり」による直接的土砂災害を防止し、さらに本川河道の治水施設や多目的ダム等の貯水池を保全し、水系全般にわたる治水上の安定を図ることを目的としています。

また、砂防計画は、豪雨による「がけ崩れ」「土石流」「地すべり」等の土砂災害を防止するために、計画区域内に砂防えん堤・渓流保全工・護岸工等の砂防施設および地すべり対策の諸施設を配置して、合理的かつ効果的に対処するよう樹立され、これに基づいて砂防事業・地すべり対策事業が行われています。

護岸工 護岸工 砂防えん堤 アンカー 深礎工 集水井 表面排水路 横ボーリング 山腹工 法枠工 砂防えん堤 護岸工

1.砂防えん堤(不透過型・透過型)

上流からの流出土砂を貯留することはもちろんのこと、土砂を貯めることにより河床勾配が緩くなるので、これまで川底や河岸が浸食されていたのを防止するとともに、河岸の崩壊も防止し、流出土砂を調整したりもします。

不透過型は河道を遮断する構造。透過型は堤体にすき間を設け、河道の連続性を保ったもので、自然環境や生態系にも配慮しています。

■砂防えん堤のはたらき

1.流出土砂を貯留する。

2.流出土砂を調節、調整する。

 

3.河床勾配を緩和して縦横侵食を防止する。

4.河床を高め、両岸の傾斜を緩にし山脚の固定をする。

 

2.法枠工

切土・盛土の法面に、格子状あるいは亀甲状の枠を設け、法面の風化・浸食・崩壊等を防止します。また、枠内を植生やコンクリートなどで被覆したり、アンカー工や補強鉄筋工と併用して、法面の安定化を高めることもあります。

 

3.山腹工

「崩壊地」や「はげ山」に植生をし、あるいは土留壁や編棚などを設けて斜面を安定させ、水源地域の土砂生産を防止し、緑ゆたかな森林を創出します。

 

4.護岸工

曲流する河川の水衝部の渓岸を保護し、浸食や山腹崩壊等を防止します。

また、渓流に親しみやすくするための施設づくりに、積極的に取り組んでいます。

 

5.床固工群

河床勾配を緩やかにして、浸食による新たな土砂生産を防止するとともに河床を固定し、堆積物の再移動を防ぎ、護岸工等の工作物の起訴を保護します。

 

6.魚道

砂防えん堤や床固によって、魚類の生息環境を遮断しないよう配慮します。

 

7. 横ボーリング

地中に設置したパイプによって、比較的浅い位置の地下水を排除し、地すべりを抑制します。

 

8. 表面排水路

水路によって地域内の表流水や雨水をすみやかに集水し、流域外に排除して、地すべりを抑制します。

 

9. 集水井(しゅうすいせい)

井戸とボーリング工によって、浅層および深層地下水を立体的に排除し、地すべりを抑制します。

 

10.深礎杭(しんそぐい)

杭を地すべり面より下部に届くように打ち込み、地すべり面の抵抗を強めます。

 

11.アンカー

鋼線等を地すべり面より下部に届くように定着緊張し、地すべり面の抵抗を強めます。

 

「地すべり」とは

山腹などの斜面はつねに重力の影響で下に移動し、平坦になろうとする性質があります。これに対し、斜面を構成している土または岩石が抵抗すことによって斜面の形が保たれています。

しかし、長い年月の間に、この抵抗力がさまざまな原因で弱くなると、その斜面の全部または一部が、ある程度原型を保ちながらズルズルとすべり出すようなことがあり、これを「地すべり」とよんでいます。一般には、降雨の影響による地下水の上昇が原因になることが多く、特定の地質構造に集中する傾向があります。

 

地すべり地に雨が降ると、地下水位が徐々に上昇してきます。

 

地下水位が上昇することにより、浮力が発生し、土塊がすべり始めます。

 

地すべりは、がけ崩れと違い、移動速度が比較的遅いことが特徴です。