こころの「自然」がよみがえるプロムナード

 

高知市街のにぎわいから、
仁淀川流域の田園の町を抜け、
潮風を満喫するみち。

ここで紹介する四国のみちは、高知県高知市一宮から高岡郡中土佐町までの約96km。

高知市街の活気あふれるみち、仁淀川の恵みを実感する用水路のみち、難所の坂道を登り、たどりつく札所へのみち、横浪三里の静かな太平洋の海岸線のみち――。どの道も高知の文化・歴史と語りあい、あふれる自然にふれる「四国のみち」です。


高知県/高知市・善楽寺〜中土佐町・久礼/約96km

  
各神大社に列していた歴史ある土
佐神社の参道は、しーんとして、
手入れのゆき届いた道は、歩いて
いても気持ちがよい。
善楽寺〜高須〜五台山
JR土讃線「とさいっく」駅から、20分ほどで、第30番札所善楽寺へ。し〜んとする静かさが心地よい土佐神社と並んでいます。
住宅地の中を「とさいっく」駅までもどり、線路をこえると、国分川までは田園のみち。
バイパスを渡り、今度は舟入川の土手をすすみます。葛島橋の手前、川向こうの右手の建物が県立美術館です。青柳橋の脇より五台山に入ります。
  
ハスの群落が見事な石土池。新興
住宅街にぽっかり浮かんだオアシ
スのよう。ハスの花は、午前中に
開花し、見ごろは、8月中旬ごろ
まで。
五台山〜石土池〜浦戸大橋
第31番札所竹林寺のある五台山は、標高145mのこんもりと盛り上がった小山です。山頂に展望台があり、高知市街が一望のもと。山の斜面を利用して造られた牧野植物園は、植物学者、牧野富太郎博士を記念したものです。みちは、竹林寺の石段を下り、急坂の横道に入ります。苔がついた石がすべりやすいので要注意の坂です。山を下れば、新興住宅地が広がり、一面のハスの花が咲いている石土池。ここから第32番札所禅師峰寺へ。ちょっと山道の風情がある、峰山にあります。
  
浦戸漁港に出て、堤防の上に登る
と、浦戸大橋の全景が…。先を急
いで歩くより、時々、振りかえっ
て風景を楽しむのもおすすめです。
浦戸大橋〜桂浜〜東諸木
黒潮ラインと呼ばれる自動車道は、疲れも倍に感じるようです。でも浦戸大橋が見えると、その先は桂浜。もうひと息です。この浦戸大橋を歩いて渡るのは、ちょっとスリル満点。歩道が狭いため車が通り過ぎるたびに、風にあおられます。観光地のにぎわいをみせる桂浜を後にし、浦戸湾に沿ってすすむと味わいのある住宅街の細いみち。湾と別れると、第33番札所雪蹊寺。こぢんまりとして閑静な境内です。
  
田んぼを抜けるみちは、気持ちも
のんびり、足どりも軽く、ハミン
グも出てきます。
東諸木〜種間寺〜仁淀川
春野町は、仁淀川の河口の町。野中兼山の潅漑工事以後、農業が盛んとなりました。ビニールハウスでは、メロン、スイカ、なすが、畑ではしょうがが青々と育っています。梅雨のシーズンには、用水沿いに植えられているあじさいが有名です。あちらこちらに見られる用水の流れも急で、気持ちが良いみちです。第34番札所種間寺は、のどかな田園地帯にあります。みちは仁淀川に向かいます。
  
清滝寺へは、少々覚悟して歩いて
ください。急な坂道が続きます。
息も上がる難所もあり、登りきる
とほっとひと息。
仁淀川〜清滝寺〜堂尻
仁淀川大橋を渡り、川の左手の土手を歩くみち。川面をわたる風と、キラキラ輝く川面の光が疲れも忘れるほど心地よいみちです。吹越から、第35番札所清滝寺へは、みかん畑が続く坂道で、なかなかの難所です。このあたりは、山の斜面を利用して、かんきつ類の栽培も盛んで、「土佐文旦」も生まれた土佐市ならではの風景です。高岡町の田園みちをすぎると、しょうが工場や良心市がある用水のみち。さらに先には山道がまっています。
  
塚地峠は整備されているので、フ
ァミリーで歩ける森林浴と木漏れ
陽のみち。
堂尻〜青龍寺〜浦丿内灰方
約2キロの山道は整備されて、ゆっくり歩けば大丈夫。途中、水飲み場も2カ所あります。この山を越えれば、太平洋。遠洋漁業で有名な宇佐町の港町です。車一台やっと通れる細い路地をぬけると赤い宇佐大橋が目の前に現れます。第36番札所青龍寺は、宇佐大橋を渡って、横浪半島の東部にあります。海岸線をすすみ、竜の浜海水浴場から山すその参道へ。木立の中の急な石段を登った山腹に本堂があります。四国のみちは、大橋までもどり、県道23号を横波三里をめざしてすすみます。
  
湾を形づくる海岸線は複雑で、ま
たひとつ湾をまわると、またひと
つ湾があらわれて、湾景観が印象
的なみちです。
浦丿内灰方〜浦丿内トンネル〜浦丿内東分
横波三里と呼ばれているリアス式の浦丿内湾に沿って歩くみち。潮風が心地よく、海辺の生活を実感できるみちです。太平洋の波も、この奥深い入江にくると、静かなさざ波になっています。そのせいか、海の上に浮かぶ魚料理の店が点在していて、ちょっとした風物詩になっています。須崎市に入って半島をつっきると、また湾に沿って歩きます。小さな小島ですが大島という名の島のところは新しい大島親水公園。ひと休みにぴったりです。
  
鳥坂トンネルを抜け、少し下った
山あいの風景。
浦丿内東分〜押岡〜多丿郷
海と別れて、県道23号をすすみます。鳥坂トンネルは、歩道がないので、注意して進みましょう。県道は、歩くのに変化がなく疲れも感じますが、左手にひろがる田園風景に、ほっとするみちです。7月の終わりなのに、もう稲刈りが始まっています。畑の中にカラフルなパラソルが点々と見えます。よく見ると稲刈り機につけられた日除け。暑さをしのぐ生活の知恵を見た様な気がします。
先に大きなセメント工場が見えたら、その先は、JR「おおのごう」駅です。
  
須崎歩道トンネル。車が通らない
と思うと、堂々とまん中を歩きた
くなるのは、なぜでしょう。
多丿郷〜須崎歩道トンネル〜安和
JR「おおのごう」駅を左に見て、次の「おおま」駅手前で国道56号へ。国道のみちは商店をのぞきながら、歩くのも一案です。材木の匂いがしたら、製材場。須崎市の中心から少しはずれた町の生活が感じられます。須崎歩道トンネルは、ひんやりとして、ほっとします。角谷で国道と別れ、旧道へ。くねくねと曲がった山道ですが、時々、眼下にひろがる海が絶景です。このあたりはビワの産地なので、山の斜面にビワ畑が見えます。
  
海辺の子供は元気で笑顔がいっぱ
い。どんなところも立派な遊び場
になります。
安和〜鎌田〜久礼
旧道を登りつめると、眼下に安和海岸が広がっています。海岸に沿ってJRの線路も見えます。みちは海岸に向かって、ゆっくりと下り坂。目の前が広がって気持ちがよいみちが続きます。降りきると、海沿いの県道をすすみます。鎌田の名勝双名島の案内板をこえて、振り返るとふたつの島の形がはっきりわかります。このあたりが久礼港。漁業の盛んな港です。JR「とさくれ」の駅まで、もうすぐです。

このコース上にあるお四国さん
第30番札所 善楽寺 第31番札所 竹林寺 第32番札所 禅師峰寺 第33番札所 雪蹊寺
第34番札所 種間寺 第35番札所 清滝寺 第36番札所 青龍寺

お問い合わせ先
国土交通省四国地方整備局 地域道路課
〒760-8554 高松市サンポート3番33号 高松サンポート合同庁舎
Tel: 087-811-8323