こころの「自然」がよみがえるプロムナード

 

城下町から、
鳥坂峠を越えて、
歴史めぐりの
大洲・内子町、
高原の町久万へ。

ここで紹介する四国のみちは、愛媛県宇和島市から
上浮穴郡久万高原町(旧久万町)までの約102km。

ふたつの城下町の歴史にふれるみち、
峠越えの細いみち、盆地に広がる田園
地帯の田んぼみち、文明開化の足跡
残る文化のみち、往時の繁栄を偲ばせ
るみち、山あいの生活の道。どの道も
南予の文化・歴史と語りあい、あふれ
る自然にふれる四国のみちです。


愛媛県/宇和島市〜大洲市〜久万高原町(旧久万町)/約102km

和霊神社/高さ15mの石造の大鳥
居と夏祭りで有名。
伊達家の家臣で総奉行「山家清兵
衛公頼」を葬ったのが始まり、海
の守り神として知られています。
宇和島〜江の組
宇和島の出発点は、小さな街角から始まります。ふっと子供に帰る郷愁
ある路 地を過ぎると、まもなくJR予讃線にぶつかります。踏切を渡っ
て、今度は国道56号の道。和霊大橋の欄干がぱっと目につきます。流れ
ている川は、須賀川。近くに和霊神社があります。ここからしばらくは国
道を北進します。遊技場のある交差点を右手へ進み県道に入ります。これ
からは、JR予土線と光満川を右に進みながらの、歩きやすい舗装路が続
きます。

41番札所龍光寺は、三間平野を見
下ろす小山にあります。
かつての神仏習合で、山門は鳥居
になっています。
江の組〜務田〜大下
JR予土線の列車が木々の間に見えかくれしながら追い越していきます。
務田ま ではJRと平行して歩く道です。道の右手には田んぼが続きます。
田植えを終えたばかりの苗が、朝日に輝いてゆれています。秋には黄金
色の稲穂が揺れていることでしょう。江の組、日の組、中組と地名が続
き、中組の集落あたりで、ゆるやかに道はカーブし、新屋敷を過ぎると、
三間町にはいります。窓峠をぬけると、三間盆地が開けてきます。務田
交差点のロータリーにでーんと古い趣の道標が。草取りをしているおば
さんに尋ねると、道路整備の時に移されたものとか、先に進む橋の下は
線路と三間川。務田の駅も見えます。ここからは、まっすぐな田んぼを
抜ける道。集落が見えたら、「三間のお稲荷さん」と親しまれる41番札
所龍光寺はすぐ近くです。

42番札所佛木寺
1728年建立といわれる本堂にある
本尊は牛馬の守護仏です。
大下〜歯長峠〜日之地
土手の階段を上がると中山池が見えます。中山池は350年ほど前、
かんがい用に築造されたため池で、今は整備され、絶好の遊歩道
です。四国のみちはこの池の南側を歩き、42番札所佛木寺へ。道
は、お寺の正面の県道を渡り、田んぼ道へ入ります。だんだん山
道の風情になりますが、険しい道ではないので、ゆっくり歩けば
大丈夫。県道に出ると、木々の間から左手に宇和海。この先は、
三間町と宇和町の境でもある歯長峠。さて、トンネルを抜けたら、
今度は、かなり急坂な下草道を下っていきます。肱川のせせらぎ
が聞こえ、杉の木立からひんやりした風が心地よいコースです。
歯長橋休憩所を過ぎたら左へ曲がり、県道を西進します。

春になると一面のレンゲの花。
レンゲまつりでにぎわいます。
日之地〜卯之町〜坂戸
昔、人を導いてくれたという道引大師を過ぎると、のどかな皆田の
集落です。左手は予讃本線。稲生、八丁の集落を抜け、43番札所明
石寺へ向かう里道に入ります。奥之院の道標あたりは旧街道の雰囲
気がいっぱい。明石寺の参道の茶店でひと息ついて、いざ階段へ。
上がると境内です。道は、明石寺の境内の前を左へ曲がって山道へ。
御篠山の山すそを歩くコースです。坂を降りると卯之町。宇和文化
の里、卯之町の中町の家並みはノスタルジックな香りあふれ、静か
な人々の暮らしが伝わってきます。卯之町と別れ、さらに北進すると、
かみうわ駅が左手に。ここから景色は一転して、田園風景。毎年4月
29日のレンゲまつりで知られている田んぼの中を進む道です。

畔道を歩くと、足どりものんびり、
ゆっくり。
坂戸〜東多田〜久保
春はレンゲ、夏は青田、秋は黄金の稲穂が輝く、宇和盆地はどの
季節を歩いても、疲れた足をはげましてくれるかのよう。旧道の
おもかげ残る真土の集落から、道は土の匂いと草いきれの畔道を
抜けます。畑には、丹精こめた野菜が元気に育っています。畔道
が終わったところで、いったん国道を横断し、旧道へ。懐かしい
景色がいっぱいの家々が並ぶ瀬戸の集落をつっきります。しばら
くは、国道を出たり入ったりの道が続き、鳥坂峠へ向かいます。

うす紫色の「シャガ」の花の間を歩
く峠の道。
5月中ばの風景です。
久保〜鳥坂峠〜北只
宇和から大洲へは鳥坂峠を越えます。国道との分岐点を左へ進
むといよいよ鳥坂峠の入口へ。鳥坂番所の跡を過ぎると、里道
から山道の風情が感じられます。5月中ばの山道は、うす紫色
の「シャガ」(アカメ科)の花が道沿いに咲き、思わず足取り
も軽く、峠越えを忘れてしまいそう。でも道は、ゆるやかな登
りなのでファミリーも楽しめるコースです。二つ目の道標あた
りは、見晴ら しがよいのでひと息入れて。山道は途中で林道を
横切って、また、山道に入っていきます。最後の下りは、峠越
えの妙味満々。ここで国道を渡るので注意が必要です。国道を
下り、札掛橋で前方を見れば、眼下に拡がる大洲の町が。大洲
ゴルフ場を右手にみながら、一路「伊予の小京都」大洲へ。

車に用心の道ながら、肘川に沿って
歩く道は、気分爽快。
北只〜大洲市街地〜松ヶ花
ここは、清流・肱川と暮らす大洲の人々の生活がみえる道。新しく
整備された亀山公園では、散歩を楽しむ姿に出会います。ゆるい下
りのカラー舗装路を過ぎて肱川を渡り左へ。ここからはリバーサイ
ドウォーキングの気分いっぱいの道。木立の間から見えかくれする
川面は日陽しにあたって輝いています。住吉神社の市天然記念物、
ケヤキの大木も必見。肱川橋の脇から河川敷公園の中を進みます。
ここでも子供たちの歓声が川原に響いています。対岸に大洲城跡が
見えたら、川風に吹かれて歩く堤の上の道。鉄橋でいったん堤を下
りて、また上がります。3キロほどの堤の道を進みます。肱川と別れ
て、畑やビニールハウスの間を抜け「十夜ヶ橋大師堂」へ。国道56
号と都谷川が交差する地に架かる十夜ヶ橋の下には、野宿した弘法
大師があまりの寒さに一夜が十夜にまさったという伝えのある石像
が見えます。

5月中ばの堤は、野の花のフラワー
ロード
松ヶ花〜新谷〜内子駅
5月中ばの矢落川の堤は、まるで野の花のオンパレード。「ノアザミ」
「レンゲ」「シロツメグサ」「ヘビイチゴ」の赤い実。川から吹く風を
感じる堤の道は気持ちよい。堤歩きが終わると新谷町の商家街を抜けま
す。新谷は大洲支藩の陣家町のあったところ。蒸したてのおまんじゅう
の匂いに思わずゴックリ。創業220年という造り酒屋さんもあります。
散歩気分で歩ける新谷町を通り抜け、矢落橋を渡ります。しばらく国道
の道を進み、下組の集落で国道と別れて左へ下る道へ。民家が過ぎたあ
たりから里道の風情になってきます。ほととぎすの鳴き声にはげまされ
て、タバコの葉の青々と繁る畑の中を歩きます。内子運動公園が見えた
ら、もう内子町です。

学校帰りの小学生が、「こんにちわ」
とあいさつをしてくれた里道。
内子市街地〜五百木〜掛木
かつての松山街道を足どりも軽く、内子町へ。内子の八日市・護国地区
は江戸末期から明治時代までの町家様式が並んで、味わい深い道が続き
ます。土地の人の町づくりへの想いがそこかしこに見えて、美しい道で
す。岡町からは、のぼり坂をたどれば水戸森峠。43番明石寺(宇和町)
と44番大宝寺(久万町)のほぼ中間に位置し、別名「安場の峠」。昔は
お遍路さんが坂道を登りつめ、このあたりでひと休みしたことから呼ば
れたといわれています。桜の名所でもあり、休憩所からは桜並木が続き
ます。下れば、のどかな里道。ここからは、里の暮らしまのあたり。西
光寺大師堂を左手に見たら、まもなく国道379号にぶつかります。今度
は、国道を東進し、長岡山トンネルと和田トンネルを抜けて、掛木橋の
手前左から、生活道へ。

材木屋さんが多い生活道。
木の香りが心地よい。
掛木〜吉野川
内子の深い森から切り出した木材の香りが、森林浴の気分にさせる
生活道が続きます。掛木の集落が過ぎると、山間の風情ある道を進
みます。あちらこちらに材木屋さんが点在し、木の香りがいっぱい
です。郵便局や商家が並ぶあたりが大瀬の集落。しばらくは町の中
を歩く道。日本3大仇討ちで知られた曽我五郎十郎首塚の登山口が
左手にあります。昔ながらの落ちついた生活の道は、歩いていても
心なごみます。石積みのバス停を過ぎたら登り道。川の音を聞きな
がら進みます。梅津を過ぎると小田町です。

古い道標が味わいある里道は静か
な佇まいです。
吉野川〜落合〜上畦々
小田町は、小田深山と銘木の町。スキー場の案内も目につきます。
ここは、落 合まで田渡川に沿って国道379号をいく道。新中田渡
橋を渡って、まっすぐに進みます。今度は川は右手で、道幅は狭く
なります。上田渡集落を抜けると山あいの道になってきます。新し
い落合大橋を渡ると前方に落合トンネル。トンネルをくぐると、広
田村と小田町の境です。ここで、四国のみちは右の県道42号へ曲が
ります。ひっそりとたたずむ蔵谷神社あたりは、へんろ街道を示す
古い道標がぽつんと...。本成の臼杵三嶋神社を過ぎ下坂場峠へ向か
います。

鴇田峠入口の休憩所。
上畦々〜鴇田峠〜久万市街地
道はうねうねとカーブが続く山道を登っていきます。下坂場峠が登り
のピーク。このあたりから久万町。材木を積んだトラックが行き交う
ので、この道は車に用心しながら木漏れ陽の下、気持ちよいコースで
す。宮成集落を過ぎて、登りの道になったら鴇田峠への道。久万町は
良質の杉の産地として知られており、峠に入ると杉の木が目につきま
す。二度目に町道に出たら、そのまま歩きます。町道といえども、山
道の雰囲気なのでどちらかといえば健脚の人向きの道です。やっと里
道に出ると、前方に久万高原町(旧久万町)の町並みが見えます。

このコース上にあるお四国さん
第41番札所 龍光寺 第42番札所 佛木寺 第43番札所 明石寺 第44番札所 大宝寺

お問い合わせ先
国土交通省四国地方整備局 地域道路課
〒760-8554 高松市サンポート3番33号 高松サンポート合同庁舎
Tel: 087-811-8323