国土交通省 高知河川国道事務所

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土佐湾沿岸の海岸保全に関する基本理念

高知海岸における、高潮、侵食、地震、津波に対する防護目標および海岸環境保全の目標、海岸の適性な利用に関する目標については、本計画の上記計画にあたる、「土佐湾沿岸海岸保全基本計画」に基づき実施されています。

土佐の生活文化や都市・港湾機能との調和をめざす、安全で輝きに満ちた海岸づくり

総合的な高潮・津波防災対策の推進と安定した砂浜の確保

高潮による越波被害を防ぐと共に、室戸市~土佐市をはじめとする侵食の激しい海岸においては、総合的な土砂管理との連携により海浜の確保を図ります。

近い将来発生が予想される南海トラフを震源とする地震・津波による浸水被害が想定される地域では、津波から人命や財産を守るため、ソフトとハードの両面から防災機能を高めます。

さらに、持続的に安全を確保するため、予防保全の考え方に基づく適切な維持管理を実施します。

砂浜・沿岸植生・景観の適正かつ調和の取れた保全・維持

四万十川や仁淀川をはじめとする大小様々な河川の河口部周辺や、岩礁域に広がるサンゴ礁など、沿岸域の多様な生態系の保全・回復に努める。また、白砂青松として知られる入野の松原や景勝地桂浜などの優れた海岸景観を保全するため、砂浜・沿岸植生・景観の適正かつ総合的な保全・維持に配慮します。

誰もが安全・快適に利用できる地域特性を活かした海岸づくり

雄大に輝く太平洋と美しい海岸線を誰もが安全・快適に利用できるよう、自然景観を活かしつつ、適度な利便性の向上に努めると共に、適正利用に向けたマナーづくりや啓発活動を推進します。また、ホエールウォッチングなどの海洋性レジャーのほか、街並みと調和した歴史的海岸風景や海岸を利用する伝統行事など、地域特性を活かした海岸利用の促進を図ります。

高知海岸の海岸保全についての基本理念

地震・津波、高潮、侵食等の防護に関する目標

(1)地震・津波対策

地震の発生する、広域的な地殻沈降や地盤の液状化等による沈下、破堤が生じた場合、背後が低平地であるため、重大な浸水被害が予測されます。

そのため、南海トラフを震源とする地震による施設位置の広域地殻沈降量や海岸堤防地盤の液状化状況、および堤防の安定性等の検討結果を踏まえ、背後地の地形条件、社会条件等に配慮しつつ、緊急度の高い箇所から、広域地殻沈降対策、液状化沈下対策、変形抑制対策等の地震・津波対策を順次実施します。

(2)高潮・侵食対策

海岸侵食により、砂浜幅が狭い区間については、侵食対策として突堤、あるいは離岸堤を整備し、施設整備を図ります。

施設整備にあたっては、段階的に実施し、施工途上においても最低限現況以上の保全機能を確保します。

海岸環境の保全に関する目標

自然環境に配慮し、安全で安心して利用できる海岸を目指し、地域と協働した海岸づくりを実施します。海岸保全施設の整備により、動植物の生息・生育環境を創出するとともに、地域住民による海岸清掃活動を継続的に支援していきます。

海岸における公衆の適性な利用の目標

高知海岸では、マリンレジャーや数多くの地元行事に利用されており、砂浜の形成が今後の海洋性レクリエーション及び地元行事の受け皿と期待されています。このため、海岸保全施設整備により、砂浜の保全を図っていくとともに、海岸眺望に配慮した施設諸元を採用することにより、桂浜花海道等の背後地からの美しい眺望を確保し、地域特性を活かした海岸利用を促進していきます。