四国河川ニュース《３/８（土）～３ /１４（金）》No.８１
１．～水と人を語ろう～
１６日（日）から京都、大阪、滋賀で世界水フォーラムが始まる
○世界各地で起きている水問題について集う第３回世界水フォーラムが１６日、京都、大阪、滋賀の３府県で始まります。
○水と貧困、森林伐採による地下水の枯渇といった問題から、水道供給システムの民営化や天然水の商品化にみられる「水の自由化」など幅広い分野、約３５０に
のぼる分科会で討議されます。
○世界水フォーラムとは、洪水や干ばつ、国際河川の管理など水をめぐる問題について考えようと９７年から３年に１度開かれている国際会議です。各国の官僚や
専門家らに加え、大学やNGOの研究者ら約１万人が参加します。
○２１世紀は水を巡る紛争の世紀になるともいわれていますが、人口の急増に伴う食糧の増産や途上国の工業化の進展などで、世界の水不足が深刻化し、戦争の
火種になりかねないからです。世界の水問題は、国際的な連帯を強化し水危機を克服していくことが必要となっています。
○四国水問題は、吉野川水系水資源開発などの広域な水利用で成果を上げています。今後も地域の実情にあった方策で複雑な水問題を考えていくことが
大切であると考えています。
２．吉野川水系銅山川ダム群の取水制限緩和
～１１日より工業用水２５％取水制限から２０％に緩和～
（重信川水系、吉野川水系 愛媛県）
○吉野川水系銅山川は新宮、柳瀬、富郷ダムの合計貯水率が１０日（月）に６０％を上廻った（６１．３％）ため、１１日（火）０時より、第２次取水制限（工業用水２５％）
を第１次取水制限（工業用水２０％）に緩和しました。
○取水制限を行っているダムの１７日８時現在の貯水率は、石手川ダム６２．０％、吉野川水系銅山川ダム群６５．７％となっています。
○四国地方整備局渇水対策本部設置期間中の四国地方の渇水情報については
http://www.river.or.jp/shikoku/index.html で情報提供を行ってます。
（但し、土日はシステム上更新していません）
３．河川に係わる四国地方の「水陸両用の屋根のある家」の紹介
（吉野川水系 徳島県）
○今回は、司馬遼太郎さん「街道をゆく３２」阿波紀行の中で紹介された「水陸両用の屋根ある家」について紹介します。
「水陸両用の屋根のある家」
○水陸両用の屋根とは、平成５年発刊された阿波紀行、紀ノ川流域「街道をゆく３２」で司馬遼太郎さんが「水陸両用の屋根のある家」として紹介した
「国指定重要文化財 田中家住宅」の葭ぶき屋根のことです。
○この田中家は徳島県石井町の吉野川南岸の平野部に位置し、寛永年間以来代々続いた藍商の家で、現在の屋敷は高い石垣によって、二千百㎡の
敷地造成し、その上に主屋・藍寝床等１１棟を安政年間に３０年間をかけ建築したものです。
○田中家は、吉野川の洪水に備える高い石垣や主屋の大屋根のよしぶきや床を高くした家づくりを行っています。
○その方法について地元では、城構えの家と呼ばれ、洪水によって家が流されたり浸水するのを避けようとしてつくられた水防建築と云えます。
しかも田中家の主屋のよしの屋根は全体が特殊な構造になっていて大洪水のときは、そのまま船になるそうです。
○それは、水害から自分たちの命と生活を守るため長い経験に中で培われた水防の知恵であり、前回紹介した高地蔵が住民の「心の知恵」ならば、
城構えの家は住民の「暮らし知恵」といえます。
○詳細は、徳島工事事務所発刊のガイドブック吉野川歴史探訪
（http://www.Toku-mlit.go.jp の吉野川資料館、ガイドブック）に紹介されています。
また本冊子ご希望の方は徳島工事事務所TEL：088-654-2211（代表）地域連携課までお問い合わせくださればお送りします。
○皆さんのお住まいの場所や現場に伝わっている伝承したい「諺・言い伝え・格言など」がありましたら下記までお知らせください。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、
また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■
四国地方整備局 河川部 防災対策官 松尾裕治
〒760-8554高松市福岡町４丁目２６－３２
TEL 087-851-8061（代） マイクロ88-3125（松尾）
FAX 087-851-8474（河川計画課）