四国河川ニュース《3/1(土)〜3 /7(金)》No.80
1.四国地方ダム等管理フォローアップ委員会〜合同検討会〜開催
○4日(火)高松市内に於いて、四国地方ダム等管理フォローアップ委員会(委員長:三井宏、徳島文理大学教授)の合同検討会等を開催しました。
○委員会は、四国地方の国土交通省及び水資源開発公団所管のダム等について、管理状況ならびに環境への影響等の評価を、一層客観的、科学的に行うことを
目的にしています。
○会では、生物、水質、堆砂の有効活用、水源地動態の課題検討のほか、富郷ダムモニタリング部会長の水野信彦愛媛大学名誉教授より、調査報告書と部会の
意見、今後の調査に向けた提言がされました。
○今後、意見、提言を踏まえて、ダム等の適正な管理に生かしていく予定です。
2.四国水文観測品質管理検討会の開催
○5日(水)高松市内に於いて四国水文観測品質管理検討会(委員長:河川情報管理官)を開催しました。
○本検討会は、「水文観測業務規定」(平成14年4月22日付け国土交通事務次官通達)第23条に基づき新たに設置したものであり、四国地方整備局において
実施する水文観測業務について、観測所の点検、観測成果の照査、水文観測に関わる人材の育成等の水文観測全般について審査し、必要に応じて工事事務所
に対して是正事項等を指導することを目的としています。
○今回は、平成14年1月〜12月までの、雨量、水位の水文観測データの照査、水文観測所の点検等について審議がされました。その結果データ照査に基づく
データの修正や水文観測の現地点検における改善処置が決まりました。
○次回開催は、流量データの審査を行う平成15年9月を予定しています。
3.自然再生推進法の河川工事のあり方 森下郁子氏による講演会を開催
(吉野川水系 徳島県)
○3月3日(月)に徳島工事事務所において、大阪産業大学の森下郁子教授をお招きし、「自然再生推進法の河川工事のあり方〜保全の目標と評価の仕方〜」という
テーマで徳島県内の5つの事務所職員を対象に講演会を行いました。
○講演の前半では、環境に関して河川行政が抱える様々な課題について具体例を示しながら、わかりやすく説明して頂きました。また、講演の後半では、先生の
御専門である魚の話を中心に、どのような川が魚にとってすみやすいか、そのためにはどのような川づくりが必要かについてお話がありました。
○先生からは「『環境』の本質を一人一人がよく考えることが大切。この法律を生かせるかどうかは、法律を使う河川管理者の努力次第。」という激励を頂き、参加
した職員は、今回の講演を今後の業務に繋げるよう心を新たにしました。
4. 第7回高知海岸保全技術検討委員会を開催
(高知海岸、高知県)
○3月4日、学識経験者と行政関係者からなる『第7回高知海岸保全技術検討委員会』が桂浜荘で開催されました。
○この「高知海岸保全技術検討委員会」は、高知海岸(長浜〜新居工区)の海岸保全事業の実施にあたり工事の実施計画、事業の影響予測、事業効果の検証
などの海岸保全に係わる技術的検討を行うことを目的に、平成9年から開催しています。
○今回は、平成13年8月の台風11号により被災した高知海岸仁ノ工区の保全計画を立案することを主目的として開催し、委員会において、現在、沖合施設計画の
無かった仁ノ工区にも離岸堤を整備して保全対策を図る必要があることを確認しました。
○今後は、委員会で確認された仁ノ工区の保全対策(離岸堤)の詳細な検討を行います。
5.危険が内在する河川への取り組み(仁淀川)
(仁淀川水系、高知県)
○5日高知市内で開催した「仁淀川安全利用管理検討委員会(委員長:高知大学、大年邦雄教授)」において、水辺利用者の水難事故を減少させるための措置と
して、整備を進める施策の一部が決定されました。
○委員会で決定された施策は、下記のとおりで水辺利用者が多くなる夏休みまでに、河川管理者と関係機関が連携し整備を行うことを目標としております。
@電光表示板の運用(大渡ダム情報)・・・・・・加田キャンプ場
A統一的思想に基づいた河川看板整備 ・・・・・下流域3地区
B情報ゲート(コンビニ等)の設置 ・・・・・・流域内外49箇所
C仁淀川安全利用マップ(仮称)の配付 ・・・・10,000部程度
D「仁淀川カッパ育成研究所(仮称)」のTV放送…毎週土曜日3ヶ月間
E水難救助講座(レスキュー3)の実施 ・・・・夏期1回
6.第12回「那賀川流域フォーラム2030」開催案内
(那賀川水系、徳島県)
○3月15日(土)13:00から、第12回「那賀川流域フォーラム2030」が阿南市文化会館夢ホールで開催されます。
○前回のフォーラムで環境に関する勉強会を行いました。これらを踏まえ、今回は3グループに分かれ那賀川流域の環境に関する課題整理を行います。
どなたでも傍聴できますので、是非ご参加下さい。
7.石手川ダム取水制限緩和 貯水率70%で検討
(重信川水系、吉野川水系 愛媛県)
○8日、石手川渇水調整協議会(会長:平井節生松山工事事務所長)の会合があり、石手川ダム貯水率が70%に達した段階でダムからの取水制限緩和を検討する
ことを決めました。取水制限は1月31日から上水道25%、農業用水とかんがい用水はそれぞれ66.7%の削減を実施しています。
○石手川流域には、今月に入って8日までに49oの降雨(3月平年比46.5%)がありました。今後、雨が降らない場合でも、取水制限の効果で4月上旬には70%近く
まで貯水率が上昇する見込みです。
○10日8時現在の貯水率は、石手川ダム58.6%、吉野川水系銅山川ダム群61.9%となっています。
○四国地方整備局渇水対策本部設置期間中の四国地方の渇水情報については
http://www.river.or.jp/shikoku/index.html で情報提供を行ってます。
(但し、土日はシステム上更新していません)
8.河川に係わる四国地方の「高地蔵(たかじぞう)」の紹介
(吉野川水系 徳島県)
○今回は、吉野川下流域の道の四つ辻でよく見かける背が高い地蔵「高地蔵」について紹介します。
「高地蔵」
○高地蔵は、高い台座に鎮座するお地蔵さんのことで、住民の人からは俗に「高地蔵」と呼ばれて親しまれ、今でも赤いよだれかけや美しい花、たくさんの
お供物がある地蔵菩薩のことです。
○高地蔵は、充分な堤防が無く幾度、洪水に見舞われた江戸中期以降に吉野川下流域で数多く建立されています。洪水で無くなった無縁仏を供養する
意味合いから、銘文は「三界萬霊(さんがいばんれい)」が多く、暴れ川に苦しめられ、水害から逃れたい、救われたいとう強い願いから信仰の対象で
ありました。
○他に類を見ない高さの台座は、「お地蔵さんが水に浸かったり流されたりしては申し訳ない」との民衆の信仰心が、台座を高くしました。最も高いもので
台座が3m、全高が4mを越えています。
○この台座が高い地蔵が建つ場所ほど洪水被害は大きく、民衆の願いも大きかった。阿波が洪水大国と言われる由縁であります。
○現在、吉野川流域に点在する高地蔵は約200体あり、地蔵が高いところほど土地が低いなど氾濫シュミレーションからも高地蔵の台座高と浸水深との
相関が高い結果が得られています。
○高地蔵は、今日では洪水危険度を知らせる警鐘地蔵といわれ、地図上に点在する高地蔵は、吉野川の氾濫水の危険性を伝承してきた洪水ハザードと
いっていい有形の洪水遺産となっています。
○詳細は、徳島工事事務所発刊の高地蔵探訪ガイドブック
(http://www.Toku-mlit.go.jp の吉野川資料館)に紹介されています。
また冊子ご希望の方は徳島工事事務所TEL:088-654-2211(代表)地域連携課までお問い合わせくださればお送りします。
○皆さんのお住まいの場所や現場に伝わっている伝承したい「諺・言い伝え・格言など」がありましたら下記までお知らせください。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、
また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■
四国地方整備局 河川部 防災対策官 松尾裕治
〒760-8554高松市福岡町4丁目26−32
TEL 087-851-8061(代) マイクロ88-3125(松尾)
FAX 087-851-8474(河川計画課)