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四国河川ニュース

1/12(土)〜2/8(金)》 739

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○四国・水こぼれ話談話室Vol.356

○効果の見える治水事業  愛媛県 波止浜(はしはま)水門(今治市)の改修(高潮対策)

              〜波止浜水門 社会資本整備総合交付金事業〜   愛媛県 今治土木事務所長 高瀬 進

○ずっと住み続けたい“ここちよい(心地好い)” まちいまばりを目指して     今治市長 菅 良二

 

○今週のニュース

○コウノトリ・ツルの舞う吉野川流域を目指して!

 〜第2回 吉野川流域コウノトリ・ツルの舞う生態系ネットワーク推進協議会の開催〜   (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.356

 

1.効果の見える治水事業  愛媛県 波止浜(はしはま)水門(今治市)の改修(高潮対策)

              〜波止浜水門 社会資本整備総合交付金事業〜  愛媛県 今治土木事務所長 高瀬 進

 

○波止浜水門は、愛媛県東予地域の今治市波止浜に位置し、その姿は、サイクリングの聖地として名高い“しまなみ海道”からも望むことができます。

○この地域は、昭和21年の昭和南海地震により、地盤が約30cm沈下し、その後、昭和25年のキジア台風、昭和29年の台風12号による高潮で総額2億円にのぼる被害が発生しました。

○このような状況から、波止浜水門は、旧建設省の地盤変動対策事業により、ワイヤーロープウィンチ式の3連水門として、昭和32年に築造され、これまで、500棟の人家、1,300名におよぶ地域住民の生命・財産を守ってきました。

○しかし、現在では、築造後60年が経過し老朽化が著しいうえ、近い将来発生が懸念されている南海トラフ地震に対しても、現在の耐震基準を満足していない状況であることから、平成25年度から、長寿命化・耐震化を目的とした改修事業に着手し、平成32年度の完了を目指しているところです。

○この改修事業では、長寿命化対策として、横幅約10m、高さ約7mのスチール製の扉体をステンレス製に交換するほか、コンクリート部材の断面修復、ひび割れ注入等を施工することとしています。また、耐震化対策としては、地震の揺れに対して構造上の弱点となっているトップヘビー構造を解消し既設基礎をそのまま利用するため、扉体上部にあるコンクリート製の操作橋をステンレス製に交換するなど、既存施設を最大限活用して建設コストを抑えています。

○波止浜水門は、日本三大急潮である来島海峡に近く、干満の潮位差が約4m、潮流も速いといった現場環境に苦慮しながら作業を進めており、現在は、扉体を交換するために締切矢板を設置しています。

○事業が完了する2年後には、リフレッシュされた波止浜水門が先代に引き続き、高潮災害から、地域の安全・安心の確保を担ってくれるものと考えています。

○最後になりますが、本県は、昨年の7月豪雨や台風24号等の豪雨で、尊い人命が失われ、多くの公共土木施設が被災しました。災害復旧にあたりましては、国土交通省をはじめ、多くの都道府県からの御支援をいただきながら、職員一丸となって復旧に努めているところです。この場をお借りしまして、皆様方に御礼申し上げます。

 

 

2.ずっと住み続けたい“ここちよい(心地好い)” まちいまばりを目指して    今治市長 菅 良二

 

○今治市は、愛媛県の北東部・瀬戸内海のほぼ中央部に位置し、人口は約158千人、面積が約419km2のまちで、今や「サイクリストの聖地」として国内のみならず海外からも多くの人が訪れる「瀬戸内しまなみ海道」の架かるまちとして知られています。

○西日本を襲った平成307月豪雨災害においては、昭和51年の台風17号のときのような記録的な豪雨により、この瀬戸内しまなみ海道のある島しょ部を中心に大規模な土砂災害等が発生し、2人の尊い命と市民の皆様の貴重な財産が失われました。そのような中でも、自治会や自主防災組織の皆さんが地域の復旧・復興に向けて活動している姿や、互いに支え合う連帯意識には地域の底力を感じました。また、炎天下の中、汗と泥にまみれながら復旧作業にご尽力された全国のボランティアの皆様のご支援には、今でも感謝の念に堪えません。

○近年の激甚化・頻発化する集中豪雨や台風、また、今後30年以内に7080%の高い確率で発生が予想されている南海トラフ巨大地震に対する対策が、「安全・安心で快適に暮らせるまちづくり」を推進するうえでは非常に重要な課題となっています。

○そのため、本市では、逃げ遅れゼロを目指し、いち早く市民の皆様へ避難勧告等の避難情報をお知らせするための同報系防災行政無線の整備や緊急告知ラジオの導入等の事業を推進しているところです。また、昨年4月には、非常用発電機やマンホールトイレ、避難所機能などを擁し、災害時には防災拠点にもなる新ごみ処理施設「バリクリーン」が本格稼動しました。さらに、昨年12月には、愛媛県獣医師会及び岡山理科大学獣医学部との災害時応援協定の締結により、全国でも珍しいペットと同行避難が可能な指定避難所として、岡山理科大学今治キャンパス体育館を追加し、大規模災害時に備えているところです。

○こういった取組に加えて、地域住民による「自助・共助」が非常に大事になると考え、自主防災組織の育成や、そのリーダーとなる防災士について、愛媛県と今治市の共同事業により毎年100人程度を養成しており、現在本市では、約850人の防災士が登録されています。

○この自主防災組織を中心とした「地域コミュニティの力」を結集し、災害による難局を乗り切るとともに、「ずっと住み続けたい“ここちよい(心地好い)”まち いまばり」を目指し、今後とも災害に強いまちづくりに努めてまいります。

  

 

 

今週のニュース

    

1.コウノトリ・ツルの舞う吉野川流域を目指して!

 〜第2回 吉野川流域コウノトリ・ツルの舞う生態系ネットワーク推進協議会の開催〜  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○吉野川流域では、兵庫県豊岡市周辺以外では全国で初めてコウノトリが野外繁殖に成功しました。また、大陸から飛来・越冬するツル類の数が増加していることから、全国的・国際的に重要な生態系ネットワークの水辺環境拠点として注目が高まっています。

○そこで、吉野川流域において多様な主体が連携・協働し、コウノトリ・ツル類を指標とする生態系ネットワークの形成を通じた地域活性化及び経済振興の実現を図るための効果的方策の検討とその取組の推進を目的として、去る1月16日に「第2回 吉野川流域コウノトリ・ツルの舞う生態系ネットワーク推進協議会」を開催しました。

○第2回の会議では、「吉野川流域コウノトリ・ツルの舞う生態系ネットワーク推進協議会」に参画するさまざまな主体や地域の方々が、取組の目的・目標を共有し、吉野川流域の様々な場所で、連携・協働による取組を効果的に進めていくための全体構想案を提示し、承認されました。

○今後は、各主体が連携し、全体構想に沿って取組を推進していくことで吉野川流域の環境が豊かになり、地域が活性化されることが期待されています。

○これからも、コウノトリ・ツルの舞う吉野川流域を目指すとともに地域の活性化や経済振興にも寄与できるよう取り組んで参ります。

 

 

 

 

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