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四国河川ニュース

11/17(土)〜12/7(金)》 737

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                                                                  2018.12.10発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.354

○効果の見える治水事業  宮川内ダム堰堤管理事業  徳島県県土整備部 東部県土整備局長 東村 正行

○「阿波市の排水対策について」   阿波市長 藤井 正助

 

○今週のニュース

○「総合的な学習の授業」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

○「のぞいてみよう川の中」青少年のための科学の祭典に出展(那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.354  

1.効果の見える治水事業  宮川内ダム堰堤管理事業 徳島県県土整備部 東部県土整備局長 東村 正行

 

○宮川内ダムは、昭和39年の管理開始から54年目を迎え、半世紀以上にわたって洪水調節はもとより、農業用水や河川維持用水の安定供給といった治水・利水両面での大きな役割を果たして参りました。

○こうした機能の向上を図るため、これまで、放流能力を増大させる底部放流管の新設や洪水吐きゲート巻き上げ機の改築など大規模な施設改良に加えて、日頃からの点検に基づいた堰堤管理事業(修繕工事)を実施しており、平成26年度には「長寿命化計画」を策定し、将来に向けての戦略的な維持管理に努めているところであります。

○このほか、今まで積み重ねてきた地域や住民などとの関わりを重視し、引き続き、誰もに「親しまれるダム」として、地域と共存するダムを目指して参ります。

○宮川内ダムの概要

  ・目 的 洪水調節、特定かんがい、流水の正常な機能維持

 ・河川名  吉野川水系宮川内谷川

 ・諸 元 型式:重力式コンクリートダム

      堤高:36.0m

      堤頂長:130.0m

      総貯水量:1,350m3

      集水面積:23.14km2

          ゲ ー ト:2段式鋼製ローラーゲート

○堰堤管理事業

 ダムの適正な維持管理を図るため、堰堤管理事業により、ダム設備の保守点検業務をはじめ、貯水池の水質及び堆砂状況調査等を毎年定期的に実施しています。

○親しまれるダムへ

  ダム湖周辺は、地元ボランティアによる保全活動が行われ、春は桜や新緑、秋は紅葉、四季折々の美しい風景を生み出しており、イベント、散策、釣りなどに利用され、憩いやレクリエーションの場として親しまれています。

  また、ダム見学会や、小学生等の環境学習の場として活用されている他、最近では、ダムカードが好評で、日本各地から訪問していただく方々に対する地元の観光PRも心がけています。

  今後とも、適正な維持管理による「安全・安心を実感できるダム」はもとより、地元内外を問わず「親しまれるダム」を目指していきたいと考えています。

 

 

2.「阿波市の排水対策について」   阿波市長 藤井 正助

 

○阿波市の概要      

  阿波市(以下「本市」という。)は、徳島県中央北部に位置し、「四国三郎」の異名を持つ、一級河川「吉野川」が流れ、平成17年4月1日、板野郡の吉野町・土成町、阿波郡の市場町・阿波町の4町が合併し誕生しました。本市北部の香川県境には、阿讃山脈が連なり緑豊かな山々を有しており、古くから阿波の東西交通の要衝として位置づけられ、現在では徳島自動車道の土成インターチェンジや阿波パーキングエリアが整備されています。

  また、本市は、南面傾斜の扇状地や吉野川にある日本最大級の中州「宝の島」善入寺島といった地形を生かし、県下最大の農業地域として、ナス・レタス・すいか等の生鮮野菜やトマト・メロン・いちごのハウス栽培等、多種多様な農産物の産地となっています。

〇阿波市の河川状況及び排水対策の重要性    

 本市は四国三郎「吉野川」北岸に広がっており、北の県境阿讃山脈に端を発した九頭宇谷川や日開谷川、指谷川、鶯谷川、大久保谷川、伊沢谷川などが南下し、吉野川に流下しています。しかし、吉野川の水位が上昇した場合は自然流下できず、逆流防止のため樋門を閉鎖し、排水ポンプにより排除しています。この排水ポンプ施設は国土交通省や徳島県、本市が内水被害軽減のために設置したものですが、一度、豪雨になると内水による浸水被害が発生する状況となっています。

  今年度、7月に発生した「西日本豪雨」のように、集中豪雨がもたらす甚大な被害を見るにつけ、日本三大暴れ川「吉野川」を臨み、中小河川の多くが土石流危険渓流であり、更には、天井川となっている本市にとって、目前に迫る脅威に備え、いざ発災時の緊急活動や力強い復旧活動など、防災・減災、国土強靱化の観点から、社会資本の整備を軸に据えた排水対策の重要性はますます高まっています。

〇阿波市排水対策基本計画                         

  本市では、排水ポンプ新設や増設、河川改修、排水路改修を効果的に取り組む為、平成25年度に、総合的な指針として「阿波市排水対策基本計画」を策定しました。本計画に基づきまして、平成28年度には、平野部で最も狭小な地区で、長年、内水被害を受けておりました、阿波町西林地区において、「西林樋門排水ポンプ場」が完成し、内水被害の軽減が図られました。

  今後、ますます激甚化する集中豪雨を想定し、従来の河川改修や排水路改修などに加え、機動的かつ柔軟な排水対策を実施する為、移動式排水施設の整備・充実なども図りたいと考えています。

 

 

今週のニュース

1.「総合的な学習の授業」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○11月8日(木)、19日(月)、29日(木)に松山市立椿中学校の1年生を対象とした、総合的な学習の時間で授業を行いました。

○まず、事前に生徒の希望を訊き、治水・利水・環境の3つに班分けをしてもらいました。

 8日(木)の治水班の授業は、6月に実施した愛媛大学新入生への講義資料を中学生用にリメイクしたもので5時間目を行い、6時間目は防災エキスパート(国交省OB)によるロープワークの実演指導を行いました。

○19日(月)の環境班は、学校から自転車で松原泉と広瀬霞を巡り自然再生事業で整備した箇所の説明を行いました。

○29日(木)の利水班は、学校までマイクロバスで迎えに行き石手川ダム管理支所を訪ね操作室での説明の後、監査廊でダム本体内部に移動しゲート設備の見学を行いました。

 

 

2.「のぞいてみよう川の中」青少年のための科学の祭典に出展(那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○11月24 日(土)に阿南市科学センターで開催された「青少年のための科学の祭典 徳島大会」において、生き物の観察イベントを行いました。

○観察イベントでは、当日の早朝に桑野川で採取した水生昆虫や魚類などについて観察してもらいました。

○子供達は、水槽を泳ぐカワムツやカワヨシノボリ、サワガニ、ワタリガニ、ヘビトンボの幼虫やコオニヤンマのヤゴなど普段近くで見る機会のない生物を観察し、楽しんでいる様子でした。

○また、顕微鏡をのぞくことが初めての子供たちは、水生生物の細かな模様などを熱心に観察していました。

○保護者の皆様も、ヘビトンボなどきれいな水質に生息する生物がいることに驚かれていらっしゃいました。

○今後も、那賀川・桑野川に関心を持って頂くよう、関係機関と連携しながら子供達の環境学習の関する支援を続けていきたいと思います。

 

 

 

 

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          760-8554 高松市サンポート3番33号

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