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四国河川ニュース

9/15(土)〜10/19(金)》 734

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                     2018.10.22発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.352

                                                                                        

○効果の見える治水事業  愛媛県 久米川(大洲市)通常砂防事業 『地域を守る砂防堰堤』 愛媛県南予地方局大洲土木事務所長 山内 浩 

○大洲市の急傾斜地崩壊対策事業等について 大洲市長 二宮 隆久

                                           

                                            

○今週のニュース

                                        

○第22回吉野川上下流交流大会を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.352

 

1.効果の見える治水事業  愛媛県 久米川(大洲市)通常砂防事業 『地域を守る砂防堰堤』 愛媛県南予地方局大洲土木事務所長 山内 浩

 

○箇所概要

  久米川は大洲市の南西端に位置する鞍掛山付近より源を発し、14河川を支流に持つ一級河川である。その全流域面積は33km2であり、今回の整備対象区域は上流端、0.88km2の区域である。流域内は山林荒廃が著しく、今後の集中豪雨により土石流が発生し下流の人家等が被災するおそれがあるため、砂防堰堤を計画し、土石流、流木等による災害を防止することとした。

  保全対象は人家7戸、県道120m、市道80m、神社1箇所、耕作地6.34haである。

○事業効果

  平成30年7月に発生した豪雨時(現場に設置した雨量計では6日90mm/日、7日355mm/日、8日340mm/日、9日40mm/日を記録)においても、下流の市内に近い地域では山腹崩壊などの土砂災害や浸水被害が発生しているが、上流地域では、砂防堰堤が完成しており、非常に安心して過ごすことができている。

○土砂災害対策の取り組み

  本県では、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、土砂災害対策を推進しており、砂防堰堤などの土砂災害防止施設のハード整備に計画的に取り組んでいる。また、住民が土砂災害の危険性を認識し早めに避難できるよう、土砂災害警戒区域等の指定などのソフト対策にも取り組むこととしている。

 

 

2.大洲市の急傾斜地崩壊対策事業等について  大洲市長 二宮 隆久

 

○大洲市は、県庁所在地の松山市から南西に約50km、車で約1時間のところにあり、人口は、約4万4千人、面積が約432km2のまちで、市の中心部を県下最大の一級河川である「肱川」が流れ、瀬戸内海へと注いでいます。その流域には、今も現役で稼働する国内最古の道路可動橋「長浜大橋」や数寄屋の傑作「臥龍山荘」、木造で四層四階の天守が復元された「大洲城」、ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞最優秀賞の「少彦名神社参籠殿」など多くの文化遺産があり、懐かしい歴史の面影を感じることができる町です。

○肱川流域は、流域の殆どが急峻な山地で形成され、地盤が脆弱で、土砂災害が発生しやすい地形となっています。このため、土砂災害危険箇所は、県内で2番目に多い1,965箇所(県内12.9%)あり、西日本を襲った平成30年7月豪雨では、がけ崩れによる土砂災害においても尊い命を失い、多くの土木施設が被災するなど、これまでに経験の無い甚大な被害が発生しました。

○これまでも、愛媛県における「急傾斜地崩壊対策事業」をはじめ、土砂災害対策を進めてまいりましたが、今回の災害後は、早々に「災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業」を実施していただいています。また、大洲市においても、県補助により当市が実施する「県単がけ崩れ防災対策事業」や、地元関係者が実施する防災対策事業に対して「市単がけ崩れ防災対策事業費補助金」を交付するなどの取り組みを行っています。

○発災後は、炎暑の中で、汗と泥にまみれながら復旧活動に力を尽くされた市民の皆様をはじめ、県内外からご支援をいただきました多くの皆様方のお力添えのおかげで着実に応急復旧から復興への歩みを進めることができています。ご支援を賜りましたすべての皆様に、感謝と御礼を申し上げます。

○「うかい」やJR観光列車「伊予灘ものがたり」の再開、「いもたき」の実施など、少しずつ明るい兆しも見えてきましたが、完全な復興までには、長い道のりになります。

○これからも大規模な自然災害から市民の生命・財産、地域経済を守るため、国・県と連携を強化し、事業を着実に推進し、スピード感をもって治水対策や土砂災害対策等に取り組んでいく考えです。

○市民の力を結集した「チームおおず」で、ピンチをチャンスに変え、この災害による難局を乗り越え、安全で安心して住み続けたいと思える災害に強い大洲市を創っていきます。 

 

 

今週のニュース

    

1.第22回吉野川上下流交流大会を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○吉野川の水源地域と受益地域の健全な交流を図ることを目的として、「四国三郎(吉野川)ふれあい会議」が毎年開催しているもので、22回目となる今年は10月14日()に高知県大川村で森林整備(植栽)の体験等を実施しました。

○四国4県より一般公募による約60名の参加者が集い、大川村高野地先の伐採跡地にヤマザクラ等の苗木200本の植栽を行いました。

○参加者は、就学前の子供達から高齢者まで幅広いものとなりましたが、植栽のほかコースター作りやどんぐり苗付体験についても、協力しながら交流事業として楽しんでいただきました。

○更に、「四国の命」として四国4県に水源としての恵みをもたらしている早明浦ダムにおいて、その役割や機能、施設の説明をすると共に、堤体内の見学もしてもらいました。

○今後も水源地域と受益地域の交流に関する取り組みを進めていきます。

 

 

 

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          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3852(片井)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp

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