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四国河川ニュース

11/25(土)〜12/8(金)》 717

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2017.12.11発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.342

○効果の見える治水事業  福井ダム堰堤改良事業 徳島県 南部総合県民局 県土整備部長 神野 忠

○効果の見える治水事業  福井川の河川整備について 阿南市長 岩浅 嘉仁

 

 

○今週のニュース

○石井地区河川防災ステーションが20周年を迎えました 〜アニバーサリープロジェクトを開催〜 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「吉野川夜間パトロール」の実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○石手川ダムで野鳥(オシドリ)観察&ダム見学会を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

○「横瀬川ダムの定礎式」を行いました (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.342

 

1.効果の見える治水事業  福井ダム堰堤改良事業 徳島県 南部総合県民局 県土整備部長 神野 忠

 

○福井ダムの概要

福井川は、阿南市と美波町の境に源を発し、阿南市福井町を貫流して橘湾に注ぐ流路延長14km、流域面積33.7km2の二級河川です。

この地域は徳島県においても多雨地域で、台風期以外でも他に例をみない豪雨があり、下流では大きな浸水被害が発生していました。また一方では、しばしば干ばつに見舞われ、用水不足を来たしてきたことから、これらの問題を解決するために、福井ダムが平成7年度に完成しました。

(1)目  的 洪水調節、流水の正常な機能の維持

(2)経  過 平成2年3月着工

              平成8年3月竣工

(3)位  置 阿南市 福井町 鉦打              

(4)河 川 名 二級河川 福井川水系福井川

(5)諸   元 重力式コンクリートダム

              堤      高:     42.5

              堤    積:  74,000m3

              総貯水容量:4,750,000m3

(6)洪水調節 自然調節方式により、ダム地点における計画高水流量540m3/sのうち470m3/sを調節し、70m3/s(最大100m3/s)を放流

○事業の必要性・効果

福井ダムは平成7年度の管理開始以降、適宜管理設備の点検や補修などを行い、適正な維持管理を実施してきたところですが、20年を経過し、設備の期待寿命も過ぎたことから、現在、堰堤改良事業によるダム情報処理設備・放流設備等の改良等を行い、ダム管理の適正化及び効率化を図っております。

○事業の概要

 全体事業費 665百万円

 事業期間 平成25年度〜平成30年度

 工事概要  ・ダム管理用制御処理装置改良

       ・テレメータ・放流警報設備改良

      ・受電・非常用電源設備改良

ダム情報処理設備の改良は昨年度終了し、今年度は、テレメータ放流警報設備の工事に着手する予定です。

 

 

2.効果の見える治水事業  福井川の河川整備について 阿南市長 岩浅 嘉仁

 

○福井川の河川状況

 阿南市は、徳島県の東南部、那賀川(1級河川)の河口に位置しており、東は紀伊水道、南は太平洋に面し、西は太龍寺山(602m)及び鶴林寺によって四国山系の東端に連なり、人口は7万4千人余で、県南部の産業、経済、文化の中心都市です。

 市域は、東西約32km、南北約22kmであり、総面積は279.25km2(平成27年10月1日現在)で、県内第5位の広さとなっております。

 主要な河川は、那賀川、桑野川、福井川があり、これらはいずれも阿南市内を蛇行し、紀伊水道に流れこんでいます。阿南市は県内でも降雨の多い地域であり、その中でも福井川流域は日本有数の多雨地域で、昭和27年3月に観測された1時間の降雨量167mmは当時の日本記録となっておりました。

 直近の豪雨は、平成26年8月2日から4日の台風12号の接近により、福井川の水位が上昇し、福井川流域230世帯600人に避難指示を発令する事態となり、床上・床下浸水等の被害を受けることとなりましたが、幸い人的被害は免れることができました。これは、一重にダム設置による水位低減効果及び避難対策等ソフト面での迅速な防災対策効果の現れであると確信しております。

 今後も浸水被害の未然防止のためには、既存河川管理施設の有効活用と洪水ハザードマップの作成・周知等のソフト面を充実することで、一体的な効果が発揮され、一日も早く安心・安全に暮らせる住環境整備の構築を図りたいと考えております。

○福井川大西地区排水対策事業

 福井町大西、湊地区の浸水対策のため建設を進めていた「大西ポンプ場」が平成28年7月に完成しました。このポンプ場は福井川に架かる大西橋の南側にあり、2台のポンプで毎秒1トンの水を福井川に排水できます。

 また、大西ポンプ場の下流には毎秒3トンの水を排出できる湊排水機場(平成12年稼働)があり、両施設を併用していくことで、豪雨で行き場を失った水が市街地などにあふれる「内水氾濫」を抑えます。

 

 

 

今週のニュース

    

1.石井地区河川防災ステーションが20周年を迎えました 〜アニバーサリープロジェクトを開催〜 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○水害時等に緊急対応や復旧活動を迅速に行うための拠点として徳島河川国道事務所と石井町が整備した「石井地区河川防災ステーション」が今年で20周年を迎え、11月23日(木)〜12月1日(金)の期間で、現地にて各種アニバーサリーイベントを開催しました。

○初日の23日(木)は、地元石井町平島地区自主防災組織主催の防災訓練が開催され、避難訓練や炊き出し訓練を実施しました。

○また、25日(土)には、徳島県立文書館元館長の立石恵嗣(たていしけいじ)氏による「吉野川の治水と石井町」と題して講演をいただき、講演にまつわる吉野川の歴史に関する絵図展を同時開催しました。その後、石井町周辺の歴史遺産を自転車で巡る、吉野川現地フィールド講座「自転車で巡る吉野川歴史探訪」を開催しました。

○参加者からは、「身近な吉野川の変遷がよくわかる図面を見ることが出来て興味深い」「石井町に歴史遺産と呼ばれる箇所が多く残っていることを初めて知った」など感想をいただきました。

○さらに期間中は、吉野川の美しい風景を紹介する写真展も開催し、吉野川の代表的な見所を紹介しました。

○石井地区河川防災ステーションは、平成9年に完成以降、幸いにも現地対策本部が設置されるまでの大規模な災害は発生していませんが、有事の際には、迅速な復旧活動の拠点となるように施設の維持管理を今後もしっかりと実施し、平常時は地域の交流拠点として、ますます利用促進が図られるように、情報発信や交流の場の提供を行って行きたいと考えています。

 

 

2.「吉野川夜間パトロール」の実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○吉野川河川敷等の夜間パトロールを12月1日(金)に徳島県と合同で実施しました。

○夜間パトロールは不法投棄、野外焼却の撲滅を目的に平成9年より実施しているもので、当日は、吉野川、旧吉野川、今切川の管理区間(114.14km)をパトロール班12台で巡視し、不法投棄1件、野外焼却1件を発見しました。

○徳島河川国道事務所では、不法投棄や野外焼却をなくすべく、これからも関係機関と協力し、河川パトロールを実施してまいります。

 

 

3.石手川ダムで野鳥(オシドリ)観察&ダム見学会を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○12月2日(土)、松山河川国道事務所石手川ダム管理支所では、恒例の野鳥観察会とダム見学会のイベントを実施しました。

○このイベントは、石手川ダム上流の水源地域の活性化と、下流受益地住民との連携、交流を目的として設立された、石手川ダム水源地域ビジョンの一環として、毎年冬期に実施しているもので、今年は10組24名の親子連れが参加しました。

○イベントは、東雲大学名誉教授で、鳥や昆虫に詳しい石川先生を講師にお招きし、オシドリや野鳥の鳴き声、生態、特徴などに関する講義から始まり、その後、ダム天端からのオシドリ観察、落ち葉の下に隠れた小さな昆虫の捕獲を経てダム堤体内の見学まで、およそ3時間で終了しました。

○ほとんどの参加者はオシドリを見たことがなく、フィールドスコープで拡大されたオスの美しい飾り羽を見て感激していました。また、吸虫管を使った小さな昆虫の捕まえ方を教わった子供たちは、夢中になって虫を吸い込んでは、先生に虫の名前を教えてもらっていました。最後のダム見学では、当日が快晴だったこともあり、バルブからの放流水をバックに見事な虹が見られ、大きな歓声をあげていました。

○イベント終了後のアンケートでは、「楽しかった」、「来年もまた来たい」、「ダムのことがよく分かった」等の意見をいただき、石手川ダム周辺の自然の豊かさや、ダムの役割を理解していただけたことと思います。

○今回で9回目を迎えるこの観察会ですが、上記のように毎年好評を博しており、今後も引き続き継続し、ダムの理解者を増やしていきたいと思います。

 

 

4.「横瀬川ダムの定礎式」を行いました (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

○四国地方整備局が高知県宿毛市山奈町山田地先で整備を進めている横瀬川ダムの定礎式を12月3日(日)に執り行いました。

○定礎式とは建物の安泰と建設工事の無事を願って礎石を置く儀式とされています。

 ダム建設工事における定礎式は、ダムの基礎が立ち上がったことを記念するとともに、ダムの本格的な築造に際し、礎石をそえてダムの永久堅固と安泰を願う行事であり、ダム建設工事の中でも重要な行事とされています。

○横瀬川ダムは、高知県西部を流れる中筋川の支川横瀬川に高さ72.1m、堤頂長188.5m、堤体積約16万5千m3、総貯水容量730万m3の洪水調節・流水の正常な機能の維持・四万十市へ水道用水の供給を目的とした重力式コンクリートダムです。

○12月3日時点の工事の進捗状況はコンクリート打設量35,000m3で全体の21%、堤高は18.5メートルとなっています。

○式典には、牧野たかお国土交通副大臣、高知県知事の代理として岩城副知事、山本有二衆議院議員、広田一衆議院議員、武内則男衆議院議員、高野光二郎参議院議員、中西哲参議院議員、足立敏之参議院議員、平井四国地方整備局長、中平正宏四万十市長、中平富宏宿毛市長、議会関係者並びに地元関係者・行政や工事関係者を含め約250人に参加頂き、式では、平井四国地方整備局長の式辞、国土交通副大臣の挨拶、来賓からの祝辞、祝電披露に続き、高橋中筋川総合開発工事事務所長が工事経過報告を行い。定礎(ていそ)の儀を行いました。

○定礎の儀では、謡の流れる中、法被姿の西松建設(株)社員等による「礎石(そせき)の搬入」、その後に

・鎮定(ちんてい)の儀(礎石を固めるため、コンクリート材料を礎石のまわりに入れます。)「これからの工事に筋道をつける」意味があります。

・斎鏝(いみごて)の儀(鎮定の儀により礎石のまわりに入れられたコンクリート材料を鏝でならします。) 鎮定の儀で「つけられた道筋をならす」意味があります。

・斎槌(いみつち)の儀(槌を用いて礎石をしっかりと納めます。)斎鏝の儀で「ならされた道筋をさらに強固なものにする」意味があります。

・埋納(まいのう)の儀 (クレーンで搬入したコンクリートを礎石の上に投入し、振動機で締め固め、礎石を堤体と一体となるよう埋め込みます。

・埋能の儀に合わせて、宿毛市と四万十市の小学生によるメモリアルストーンも埋納しました。

○定礎の儀の後、中平四万十市長によるダム式万歳三唱、地元の皆さんによるくす玉開披をもって定礎式は終了しました。

 

 

 

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          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3852(片井)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp

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