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四国河川ニュース

9/30(土)〜10/13(金)》 713

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2017.10.16発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.340

○効果の見える治水事業  愛媛県 奥里谷川(上浮穴郡久万高原町)砂防事業 『地域機能を守る砂防堰堤』 愛媛県中予地方局久万高原土木事務所長 越智 節雄

○地域住民が安全で安心して暮らせるまちづくり  久万高原町長 河野 忠康

 

○今週のニュース

○台風18号の被災箇所について点検・水防工法訓練を実施  (重信川水系 松山河川国道事務所)

○「観光列車伊予灘ものがたりで行く鹿野川ダム見学の旅」を開催   (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.340

 

1.効果の見える治水事業  愛媛県 奥里谷川(上浮穴郡久万高原町)砂防事業 『地域機能を守る砂防堰堤』 愛媛県中予地方局久万高原土木事務所長 越智 節雄

 

○奥里谷川は流域面積約0.15?の土石流危険渓流で、上流部は急峻で荒廃が著しく、渓床には不安定土砂が堆積しており、土砂流出の危険性が非常に高い。

○下流には人家が10戸あり、さらに緊急輸送道路(国道380号)及び避難路(町道父野川宮前線)が存在し、集中豪雨等により土石流が発生した場合には、家屋への甚大な被害が懸念されるほか、交通障害による県民生活への影響が大きいことから、砂防事業を実施したものである。○当該地区は急峻な地形で小規模な崩落等が度々発生してきた。本事業の完成により県土保全が図られ、災害時の輸送や避難及び人的被害があった際の迅速な対応が可能となった。

○本年度の中予地方を中心とした豪雨(平成2987日、日雨量104.5mm)においても、住民から、安心して過ごすことができたとの話もあり、本事業は地域住民の安全安心に大きく貢献している。

○本県では、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、ハード、ソフト両面から、土砂災害対策を推進しており、砂防堰堤等の施設整備にも、重点的・計画的に取り組んでいる。

○今後とも、限られた予算の中、土砂災害を未然に防止する施設整備を着実に実施するとともに、土砂災害警戒区域等の指定を推進し、地域住民の安全・安心な暮らしの確保に邁進してまいりたい。

 

 

2.地域住民が安全で安心して暮らせるまちづくり 久万高原町長 河野 忠康

 

○久万高原町は、愛媛県のほぼ中央部に位置し、旧久万町・面河村・美川村・柳谷村の4か町村が20048月に合併した高原のまちです。

○松山ICから国道33号三坂道路を経由して約30分に位置し、標高1000mを超える四国山地に囲まれた山間の地域で、総面積は584平方キロメートルで愛媛県土面積の10%を占め、このうち森林面積は430平方キロメートルで、本県の森林面積の12%を占めています。

○年平均気温1213℃、年平均降水量1,800mmと冷涼多雨で、冬季には積雪があります。

○本町は、急峻な地形が多くを占めており、土砂災害危険箇所は554箇所あります。

○土砂災害警戒区域の指定については、保全対象が人家5戸以上(ランク1)は平成273月に148箇所指定、人家5戸未満(ランク2・3)については、平成29年度中に基礎調査が完了します。平成30年度に地元住民への説明会を開催し、理解を得て指定の見込みです。

○土砂災害への対策としては、ソフト対策として土砂災害警戒区域(5戸以上)を反映したハザードマップを平成29年度において全戸へ配布予定です。

○また、地域の集いの場となる公民館等へは、危険箇所を明記した屋外看板を平成23年度から設置しており、日頃から危険箇所を周知できる対策を行っています。

○また、町内の小学校では、愛媛県砂防ボランティア協会主催の「砂防学習会」や愛媛県中予地方局の「砂防現場見学会」に参加し、「土砂災害とは?」〜「土砂災害時にどう逃げる?」などを子供の頃から学習することで、土砂災害の認識を深めていくことを目的としています。

○ハード対策としては、砂防堰堤整備や急傾斜地崩壊対策事業等を実施しており、今後においても、より一層の事業の推進を行い、地域住民が安全で安心して暮らせるまちづくりに邁進いたします。

 

 

今週のニュース

 

1.台風18号の被災箇所について点検・水防工法訓練を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○台風18号の豪雨により重信川(出合地点)で戦後最高水位となる5.65mを観測し、重信川全川で河川管理施設の被災が17箇所確認され、現在、応急対策が完了したところです。

○重信川においては10月20日(金)まで出水期間中でもあることから、今後の出水への備えとして、10月3日(火)、10月13日(金)に流域3市2町の水防団と合同で、まず漏水による被災箇所を中心に堤防等の点検を行いました。

○次に、今回の台風18号では、過去の重信川では見られなかったような堤防からの漏水が数多く発生したことから、四国防災エキスパートの指導のもと地元水防団による漏水対策工法である月の輪工法を実施しました。

○今回の点検・水防工法訓練を通して、流域市町の水防団が万一の水害に備え、スムーズに水防活動が行えることの一助となることを願っております。

 

 

2.「観光列車伊予灘ものがたりで行く鹿野川ダム見学の旅」を開催  (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

○JR四国の人気観光列車伊予灘ものがたりとセットとなった鹿野川ダム見学会が、秋晴れの10月8日(日)に開催されました。

○松山駅から伊予灘ものがたりで伊予大洲駅に到着後、鹿野川ダム(改造事業現場付き)見学、鹿野川湖畔のレストランで昼食、大洲まちの駅あさもやでお買い物をして松山に戻るというインフラを含めた地元体験という行程でした。

○当初の募集定員19名を大幅に上回る29名の参加があり、ダムの概要説明を受けた後、ダム操作室、大きなダムからの放流の様子、堤体内にある観測機械などを見学しました。その後、鹿野川ダム改造事業として実施しているトンネル洪水吐の現場に移動し、直径11.5mの巨大トンネル、設置されたばかりの日本最大級のゲートなど今しか見られない現場を見学しました。

○きつい階段の上り下りで、少しお疲れ気味の方もいましたが、普段入ることができないダムの内部やスケールの大きなトンネル洪水吐を見学し、驚きの声が続き、参加して良かったとの感想をいただきました。

○今後も、通常の現場見学に加え、地元と一体となったインフラツーリズムについても積極的に対応していきたいと思います。

 

 

 

 

 

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