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四国河川ニュース

5/20(土)〜 6/2(金)》704

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2017.6.5発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.335

○効果の見える治水事業  香川県 五郷ダムの管理用制御処理設備更新  『堰堤改良事業 五郷ダム 管理設備工事』  香川県西讃土木事務所長 小西 敏夫

○「ダムと芸術について」  観音寺市長 白川 晴司  

 

○今週のニュース

○「平成29年度 吉野川・那賀川合同総合水防演習」を開催(河川部、徳島河川国道事務所、那賀川河川事務所)

○那賀川源流碑開きで上下流交流を開催(那賀川水系 那賀川河川事務所)

○平成29年度 砥部町消防団水防工法訓練に参加(重信川水系 松山河川国道事務所)

○平成29年度 肱川水防工法訓練の開催(肱川水系 大洲河川国道事務所)

○平成29年度 第1回四国地方公益活動推進会議(松山河川施設管理部会)との合同巡視を実施(重信川水系松山河川国道事務所)

○平成29年度 災害対策用機械類等の操作訓練(香川・徳島地区)を実施(四国技術事務所)

○平成29年度 排水ポンプ車操作訓練(四技・香川)を実施(四国技術事務所、香川河川国道事務所)

○第3回重信川大規模氾濫に関する減災対策協議会の開催(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.334

 

1.効果の見える治水事業  香川県 五郷ダムの管理用制御処理設備更新  『堰堤改良事業 五郷ダム 管理設備工事』  香川県西讃土木事務所長 小西 敏夫

○五郷ダムの概要

目 的 洪水調節、流水の正常な機能の維持

経 過 昭和36年着工、昭和40年3月竣工

位 置 観音寺市 大野原町 有木

河川名 二級河川 柞田川水系 前田川

諸 元 重力式コンクリートダム ローラーゲート×1門

堤高:50.5m 堤頂長:132.0m 総貯水容量:2,500千m3

 

○背景・更新内容

  ダム管理用制御処理設備やテレメータ・放流警報設備及び多重無線設備について、毎年定期点検等を行い、適正な管理に努めていますが、装置の老朽化による不具合、故障等の発生が懸念され、故障時の交換部品の調達が難しくなりつつあることから、堰堤改良事業により、平成26年度〜30年度で更新を行う計画としています。

  今回、ダム管理用制御処理設備の更新を行い、各種コントローラ(遠方手動操作装置など)やFAX機器等(放流操作装置など)、各種機器間の相互接続(FL-net)によるシステム全体の統合化を図ることにより、緊急時におけるスムーズで正確なゲート操作が可能となりました。また、モニター画面で警告表示を確認できるなど、捜査員の誤操作防止や疲労時の負担軽減等安全性の向上も図りました。

 

○主な更新設備

 放流操作装置:ダム管理に関わる水文量演算、操作演算、警報判定、表示処理、記録処理、集計処理、データ蓄積を行う、システムの中枢であり、操作演算以外の処理は二重化構造となっています。

 入出力装置:機側伝送装置と光接続し、各種計測情報・状態信号の入力、放流設備を操作するための信号を機側伝送装置へ出力します。

 機側伝送装置:入出力装置、遠方手動操作装置と、FL-netによる通信を行い機側盤からの各種情報を入力し、放流設備を操作するための信号を機側盤へ出力します。

 遠方手動操作装置:遠方からの各放流設備の開閉操作を行います。

 情報入力・提供装置:防災情報システム、テレメータ装置等の附帯設備とのデータ送受信を行います。

 

2.「ダムと芸術について」   観音寺市長 白川 晴司

 

○観音寺市は、香川県の西南部に位置し、西は瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に面し、沖合には伊吹島などを有しています。南は阿讃山脈の雲辺寺山、金見山などを境に徳島県や愛媛県に接し、高知県にも近く、四国のほぼ中心に位置しています。

 また柞田川水系前田川の中ほどに位置する五郷ダムは、下流域の洪水調整および水不足の解消などのため、昭和36年に建設事業に着手し、39年度に完成しました。治水と耐渇水の両面をカバーするダムとなっており、下流地域の発展に大きく寄与してまいりました。

○五郷ダムの周辺には、他にも巨大な石積のマルチプルアーチで有名な豊稔池ダムがあります。長い年月の風雨にさらされた堰堤は、まるで中世ヨーロッパの古城を思わせる偉容と風格があり、水を湛えた水面と周囲の山並みとの調和で四季折々に見事な景観を見せてくれます。最近では、豊稔池のダムカードの発行やアニメとのコラボ企画による聖地巡礼の目的などでたくさんの観光客が訪れています。

○また周辺部は、田園と山間部、渓谷と、とりわけ豊かな景観をもったエリアとなっています。香川県では全国的に活躍する芸術家が作品を展示する「瀬戸内国際芸術祭」が定期的に開催されていますが、この五郷ダムがある五郷地区も2016年の瀬戸内国際芸術祭に合わせて「かがわ・ 山なみ芸術祭」が開催されました。雄大なダムと融合した独創的な作品は観音寺市の山間部を大いに盛り上げてくれました。

○伝統文化や芸術を継承しつつ、新たな文化の創造を図るこのような取り組みを強化し、地域の特性を生かした環境整備を推進してまいります。

 

                         

今週のニュース

    

1.「平成29年度 吉野川・那賀川合同総合水防演習」を開催 (河川部、徳島河川国道事務所、  那賀川河川事務所)

 

○出水期を前にした5月21日(日)、水防機関の連携強化、水防団の水防技術の習熟と関係機関 及び流域住民の水防意識高揚を目的として、徳島県徳島市住吉4丁目地先の吉野川大橋下流南岸河川敷にて、67団体約700人、見学者等を含め総勢約2,000人が参加し、『平成29年度吉野川・那賀川合同総合水防演習』を開催しました。

○四国での水防演習は昭和59年に吉野川から始まり、毎年四国四県を順番に実施し、吉野川での 水防演習は8回目となります。

○演習は、「超大型で猛烈な台風による大雨の影響で大規模な洪水が発生した」との想定のもと、流域13市町および消防団体など、多数の関係機関が参加し、タイムラインに沿った実践的な訓練を実施しました。

○内容として、吉野川の洪水被害の防止・軽減、早期復旧を図るため、水防工法実施訓練、要配慮者利用施設避難訓練(VTR)、ホットラインによる避難行動に結びつく情報提供、ライフライン復旧訓練、沿川企業による浸水防止用ゲート閉門訓練(VTR)、TEC−FORCE派遣訓練、孤立者救助訓練、被災者搬送訓練、道路啓開訓練、航路啓開訓練(VTR)、防災用マルチヘリコプターを活用した被災箇所調査訓練、救援物資輸送訓練等を行いました。

○また、演習会場では、一般参加者に水防工法をより身近に感じてもらうため、水防工法として最も基本的な土のう作りやロープワークの体験、降雨体験や地震体験、土石流3Dシアターやトンネル点検車など多くの方々に実際に体感してもらいました。

○まもなく四国地方も梅雨入りし、出水期を迎えます。今回の総合水防演習を活かし、今後とも関係機関と連携して、防災に万全の備えを行っていきたいと考えています。

 

2.那賀川源流碑開きで上下流交流を開催(那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○那賀川源流にて4月22日(土)に那賀川アフターフォーラム主催、「ゆきかう那賀川推進会議」 共催による「那賀川源流碑開き」が開催されました。

○那賀川流域におけるこの1年間の安全を願うとともに、上下流連携の促進を図るため、上下流の 子ども達を含む約150名参加のもと源流碑及び源流モニュメント周辺の清掃活動や上下流域の子どもたちによる上下流交流の開催、中学生によるシカの食害防止活動、小学生による那賀川源流の水質調査を行いました。

○上下流交流会では、学校紹介や校歌斉唱を元気よく披露し、水質調査では源流まで汗を流し、源流のわき水を酌み合うなど、和気藹々とした雰囲気でした。

 

3.平成29年度 砥部町消防団水防工法訓練に参加(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○5月20日(土)、愛媛県砥部町八倉(重信川左岸8k/0付近)重信川河川敷において、砥部町消防団による水防工法訓練が行われました。

○参加者は、砥部町長を始め町職員、消防団、松山河川国道事務所職員、防災エキスパートなどで、総勢約200名で実施しました。

○訓練は、町長の挨拶に始まり、ロープワーク、土のうづくり、土のうを使った代表的な水防工法 である「積み土のう工」と「改良積み土のう工2型」に取り組みました。

○訓練の特徴として、重信川・石手川水防等連絡会で取り組んでいる、水防工法指導者養成実技講 習修了者が団員の中心となり訓練指導に当たっていることがあげられ、この日も、防災エキスパートの方々と連携しつつ、的確な指導に取り組んでいました。

○訓練の終わりには砥部町長、松山河川国道事務所長による工法の観閲、松山河川国道事務所長の講評が行われました。

○これから、出水期を迎えますが、今回のような訓練を通じて、防災に関する意識が高められ、実際の行動に結びつくものと考えています。

 

4.平成29年度 肱川水防工法訓練の開催(肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○5月21日(日)大洲市若宮の肱川防災ステーションにおいて国、県、大洲市、大洲地区広域消 防事務組合、大洲市消防団、大洲市自主防災組織の総勢約190名が参加し、水防工法訓練を実 施しました。

○この訓練は、5月の水防月間にあわせて毎年実施しているもので、平成13年に防災ステーションで合同訓練を行うようになってから、今回で17年目になります。

○訓練では、消防事務組合、消防団、自主防災組織と行政機関に分かれ、約1時間半にわたり改良 積み土嚢工(2)や月の輪工、木流し工など水防工法の実践、また水防工法の基本となるロープ ワークの習得、土のうの作り方などを4名の防災エキスパートの指導を受けながら実施しました。

○自主防災の参加者からは、「今日参加できなかった仲間に、ロープワーク、土のうの並べ方を教えたい。」などの積極的な感想がありました。

 

5.平成29年度 第1回四国地方公益活動推進会議(松山河川施設管理部会)との合同巡視を実  施(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○5月25日(木)に、重信川・石手川において「四国地方公益活動推進会議」(以下、「推進会議」という)(松山河川施設管理部会)と、松山河川国道事務所の河川担当職員等による、平成29年度第1回重信川合同河川巡視を実施しました。

○「推進会議」の松山河川・道路施設管理部会は、国土交通行政の各分野で培った豊富な実務経験を生かし、社会貢献出来るような活動(ボランティア活動)を行うために、平成22年に発足され、この設立を機に重信川合同河川巡視が始められました。

○今回の重信川・石手川合同河川巡視は、「推進会議」(松山河川施設管理部会)会員11名、松山河川国道事務所の職員等21名の計32名が参加し、出水期前の堤防点検を重点に点検しました。

○今回、参加頂いた「推進会議」(松山河川施設管理部会)会員の皆さんは、以下の方々です。

  高橋徹馬部会長、岡田周三副部会長、川田信夫副部会長、藤堂卓英事務局長、河野陸朗氏、

  坂本英隆氏、中川達郎氏、上岡兼二氏、伊賀上雅嗣氏、岡崎健二氏、中矢明仁氏

○今回の点検で堤防点検の方法など部会員よりご指導いただき、重信川と石手川の現在の問題点が把握でき、事務所職員等のいい経験になりました。

○会員の方にはこの場をお借りして、お礼申し上げます。

 

6.平成29年度 災害対策用機械類等の操作訓練(香川・徳島地区)を実施(四国技術事務所)

 

○四国技術事務所において、5月24日(水)に「災害対策用機械類及び情報通信システムの操作 訓練(香川・徳島地区)」を整備局職員・自治体職員・建設業者等を対象として実施しました。

○この操作訓練は、平成9年度より毎年実施しており、四国地方整備局が保有する災害対策用機械及び情報通信システムの操作方法を習得すると共に、現地作業員への的確な指導が行える人材の育成を目的として行っています。

○訓練には初参加の陸上自衛隊員3人を含めて、約110名が参加し、遠隔操縦式バックホウ、対 策本部車、照明車、可搬型衛星通信装置(Ku-SAT2)など8種類の機械の操作を行いました。

 また、28年度末に練習機として導入したドローンを使用して、訓練状況の空撮や簡単な操縦体験も実施しました。

○訓練会場には熊本地震、東日本大震災等の応急対策に出動した災害対策用機械の活動状況を写したパネルを展示し、災害発生時における四国地方整備局の対応を紹介しました。

○いつ起こるか分からない災害に対して、今回の訓練の成果を十分に生かし、万全の体制で臨みた いと考えています。

 

7.平成29年度 排水ポンプ車操作訓練(四技・香川)を実施(四国技術事務所・香川河川国道  事務所)

 

○5月30日(火)に、高松市東植田町の公渕(きんぶち)池において「排水ポンプ車操作訓練」 を実施しました。

○訓練は、四国技術事務所保有の排水ポンプ車(30m3/min軽量水中ポンプ式、30m3/min 軽量水中ポンプ式・高揚程型)2台と香川河川国道事務所保有の排水ポンプ車(30m3/min軽量水中ポンプ 式)2台の計4台、及び両事務所保有の照明車計2台を使用し、整備局職員、作業を担当する建設業者など総勢70名が参加しました。

○今回の訓練では、初めて排水ポンプ車を操作する建設業者の方も多く、整備局職員の指導のもと、操作手順や設置作業のノウハウを習得すべく、5月下旬の暑い日射しの中、熱心に取り組んでいただきました。

○また、訓練会場には池の管理者である四箇池土地改良区の方々が訓練状況を熱心に見学されていました。

○梅雨入り後の本格的な出水期を控え、先週実施しました災害対策用機械類の操作訓練(香川・徳島地区)と併せて、いざというときには訓練の成果が十分に発揮できるものと考えています。

 

8.第3回重信川大規模氾濫に関する減災対策協議会の開催(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○5月31日(水)、えひめ共済会館において、第3回重信川大規模氾濫に関する減災対策協議会が開催されました。

○本協議会では、重信川流域の3市2町(松山市、伊予市、東温市、松前町、砥部町)、愛媛県、松山地方気象台、松山河川国道事務所で構成され、平成28816日に「迅速・確実な避難」、「社会経済被害の最小化」を目標として、具体的な取組内容を示した「重信川の減災に関する取組方針」がとりまとめられており、今回は、昨年度までの取組状況を共有するとともに、今後の取組予定について議論していただきました。

○構成員からは、防災訓練のさらなる充実や防災マップの全戸配布により円滑かつ迅速な避難等が 行えるようにしたい、想定最大規模降雨に伴う洪水対応の避難計画、広域避難について課題であり、国、県の支援をいただきながら検討したい、といった意見が出されました。

 また、引き続き取組方針に沿ったハード・ソフト対策の取組を推進していくことで満場一致で承認されました。

 さらに、本協議会においては、防災意識向上のため、小中学校と言った教育の場で活用できるよう副読本を作成しました。今後、流域の小中学校に配布するとともに、流域にお住まいの方などに広く配布したいと考えています。

○本協議会における取組は継続して実施し、可能な事から順次実施してきます。また全国的な取組等についても構成員に情報を共有するとともに、取組状況のフォローアップも行いながら、地域の安全・安心の確保に向けた取組を推進していきます。

 

 

 

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