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四国河川ニュース

4/29(土)〜 5/19(金)》703

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2017.5.22発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.334

○効果の見える治水事業  徳島県 那賀川 床上浸水対策特別緊急事  徳島県南部総合県民局 県土整備部(那賀庁舎) 副部長 戸田 理人

○地域の安全・安心の実現へ  那賀町長 坂口 博文  

 

○今週のニュース

○「愛媛大学建設環境工学科1回生の現地見学会」の実施(重信川水系 松山河川国道事務所)

○「国、徳島県合同排水ポンプ車操作訓練」の実施(那賀川水系 那賀川河川事務所)

○「横瀬川ダム初打設を行いました」(渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

○「平成29年度 洪水対応演習」の実施(河川部 水災害予報センター)

○「土器川・YOU・遊フェスタ」〜泳げ鯉のぼり〜(土器川水系 香川河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.334

 

1.効果の見える治水事業  徳島県 那賀川 床上浸水対策特別緊急事業  徳島県南部総合県民局 県土整備部(那賀庁舎) 副部長  戸田 理人

 

○那賀川は、徳島県南部に位置し、その源を剣山山系ジロウギュウに発し、徳島,高知両県の県境 山地の東麓に沿って南下した後、東に流れながら各支川を合わせ、那賀川平野を経て紀伊水道に 注ぐ、幹線流路延長125km、流域面積874km2の一級河川であります。

○その流域は、阿南市をはじめとする2市3町からなり、古くからその気象的、地理的特性を活か した木材の生産、製材、木工といった木材産業と肥沃な土地と豊富な水を活かした農業を基幹産 業として栄えてきましたが、近年では、河口域の辰巳工業団地を中心に化学製品や電子機器の企 業進出もあり、今後の発展が期待されている地域であります。

○一方、那賀川の上流域は、台風の常襲地帯である四国山地の南東斜面に位置するため、特に台風 の接近通過時には集中的に大雨の降る傾向があり、たびたび日最大降水量の日本記録を塗り替え るような日本でも有数の多雨地帯であります。

○特に、平成26年8月の台風11号による豪雨では、阿南市の古庄・水位観測所において、観測史 上最大となる毎秒約9,500m3/sの流量を記録するとともに、那賀町の和食水位観測所に おいても昭和25年ジェーン台風規模洪水の水位52.9mを大きく上回る54.1mの水位を 記録するなど、未曾有の大出水となり、和食・土佐地区をはじめ、流域の広い範囲に渡って甚大 な浸水被害が発生しました。

○そこで、県では平成26年8月の台風11号と同規模の出水に対し、和食・土佐地区における再 度災害を防止するため、床上浸水が頻発している河川を対象として、集中的に河川整備を実施し、 概ね5年間で再度災害防止対策を完成し、床上浸水を早期に解消する「床上浸水対策特別緊急事 業」を平成27年度から新規に事業化しました。

○平成28年6月からは用地交渉に着手しており、去る11月13日には、国土交通省や地元那賀 町をはじめとする関係各位にご出席いただき、那賀川・床上浸水対策特別緊急事業起工式を執り 行ったところであります。

○今後とも、地元那賀町をはじめとする関係機関と連携しながら、早期に地域の皆様の安全・安心 な生活環境が確保できるよう、平成31年度の堤防の完成に向け、事業進捗を加速して参りたいと 考えております。

 

2.地域の安全・安心の実現へ   那賀町長 坂口 博文

 

○那賀町は徳島県の南部に位置し、東は阿南市、西は高知県、南は海部郡、北は勝浦郡、神山町、 美馬市、三好市に隣接しており、北西部には四国山地、南部には海部山脈などを配しており、標 高1,000メートル以上の山々に囲まれ、地域の9割以上が森林の中山間地域です。町内には 那賀川及び坂州木頭川が流れ、町の中央部付近で合流して西から東に貫流しております。

○その那賀川においては、上流域でアユやアマゴを対象とする釣り人が多いほか、豊かな自然を利 用した水遊びやキャンプといった自然志向のレクリエーションに活用されたり、木頭杉一本乗り 大会など、地域の風土に根付いた特色のある行事も行われており、古くから住民に親しまれてき ました。

○一方、流域は平成16年に日降雨量1,317mmの日本記録を観測するなど、県内で最も降水 量の多い地域であり、急流河川であることも相まって、過去から浸水被害が度々発生しておりま す。近年では、平成26年の台風11号により流域で768戸におよぶ家屋の浸水被害が発生し、 特に那賀町の和食・土佐地区においては、床上233戸、床下46戸の計279戸の甚大な浸水 被害が発生しました。

○そこで県に対し、浸水被害が再び発生することがないよう那賀川の治水対策を強く要望したとこ ろ、県において平成27年度から床上浸水対策特別緊急事業を新規に事業化し、浸水対策を進め ていただくこととなりました。

○これを受け、本町においても内水対策や円滑に用地買収が進むよう支障家屋の移転先となる宅地 造成を行うなど、平成31年度の堤防の完成に向け、町と県が一体となって事業の進捗に努めて おり、昨年11月13日には起工式を執り行うことが出来ました。

○今後とも、県や地元住民と協力しながら、和食・土佐地区の一日も早い浸水対策の完成に向けて 様々な施策を推進し、地域の皆様の安全・安心の確保に努めて参りたいと考えております。

 

                         

今週のニュース

    

1.「愛媛大学建設環境工学科1回生の現地見学会」の実施(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○平成29年4月25日(火)と5月9日(火)に毎年恒例の「愛大1回生現地見学会」を行いま した。

○両日とも愛媛大学をバス2台で13時に出発し、先ずは石手川の環境整備箇所、次に重信川の自 然再生事業箇所の松原泉と広瀬霞、最後に石手川ダムというルートで視察しました。

○4月25日(火)は晴天に恵まれましたが、5月9日(火)は生憎の雨の中、石手川環境整備箇 所では既設護岸に緩勾配覆土・緑化して親水性の向上、および二次支川・小野川での水質浄化施 設の説明を、松原泉では小川と泉の視察の後に、簡易パックテストによる水質調査も行いました。 広瀬霞では、霞堤のメカニズムの説明も行い、石手川ダムでは、操作室での概要説明と実際に監 査廊を歩いて、ダム堤体内の見学も行い、若干の時間オーバーはありましたが、無事に終えるこ とが出来ました。

 

2.「国、徳島県合同排水ポンプ車操作訓練」の実施(那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○平成29年5月10日(水)、国土交通省那賀川河川事務所と徳島県南部総合県民局は、豪雨時 に堤防の住宅地で浸水被害が発生した場合を想定し、現場へ「排水ポンプ車」を出動させ、迅速 に排水作業を開始し被害の軽減を図ることを目的とした、排水ポンプ車等の操作訓練を国・徳島 県職員及び操作を委託された土木業者ら約100人が参加し実施しました。

○排水ポンプ車操作訓練は、降雨が多くなる出水期(6月から10月)を前に「排水ポンプ車」等 の操作が円滑かつ迅速に実施できるよう毎年実施しており、今年度も徳島県阿南市宝田町の桑野 川河川敷にて那賀川河川事務所が所有する排水ポンプ車(排水ポンプ装置含む)4台、照明車2 台、待機支援車1台及び徳島県南部総合県民局が所有する排水ポンプ車2台を用いて設置作業、 排水作業を実践さながらに訓練しました。

 

3.「横瀬川ダム初打設を行いました」(渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

○平成29年5月10日(水)、横瀬川ダム本体コンクリートの初打設および初打設見学会を開催 しました。

○四国内の直轄ダムの打設としては、平成3年の中筋川ダム以来であり、約26年ぶりとなります。

○初打設は、発注者・受注者あわせて約150名が参加のもと、コンクリート製造設備で練り上が ったコンクリートをダンプトラックで打設会場まで運び、バケットに入れかえ、所定の位置まで クレーンで運び放出すると、参加者全員で万歳三唱を行い、初打設を祝いました。

○当日は、雨天により急遽日程を変更したにも関わらず、地元関係者の方をはじめとした約40名 の方に見学に来ていただき、初打設後はコンクリート製造設備周辺で工事の概要説明を受け、記 念写真を撮影していただきました。

○今後も横瀬川ダムの早期完成に向けて安全に工事を進めていきます。

 

4.平成29年度 洪水対応演習の実施(河川部 水災害予報センター)

 

○平成29年の出水期を控え、5月12日(金)に「洪水対応演習」を実施しました。

○「洪水対応演習」は、出水等の危機管理時における防災体制に万全を期するため、主に以下の内 容で毎年出水期前に実施しています。

  ・関係機関との連携した洪水対応。

  ・さまざまな情報機器を活用した迅速かつ的確な情報伝達。

  ・地域の的確な避難判断・行動につながるホットラインによる情報提供。

  ・水防活動に関する情報の集約・発信

  ・ダム・水門など河川管理施設等の操作ルール・操作状況の確認及び情報伝達。

  ・被災箇所の被害軽減対策の検討。

○参加機関は四国地整管内12事務所・2管理所、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、()水資源 機構、電源開発()、四国電力()、住友共同電力()等です。

○河川関係は、国管理の8河川と県管理の4河川を合わせた12河川を対象に関係機関(県、市町 村)への雨量、水位、洪水予報、水防警報等の情報伝達、基準地点における水位予測、被害軽減 対策(被害把握・災害復旧等)、樋門等の操作確認及び河川工事現場関係者への情報伝達等の訓 練、TV会議システムを利用した状況報告訓練、小型衛星通信装置による映像配信及び現地リポ ート、災害対策機械の出動等、総合的に一連の訓練を実施しました。

○ダム関係は、四国管内の国・県・水資源機構・電力会社のダムを対象に関係機関への通知、連絡 等の情報伝達演習とゲート操作の模擬演習を実施しました。

○海岸関係は高知海岸(直轄工事区域)、砂防関係は直轄砂防施行区域を対象に関係機関への気象 情報及び災害情報の伝達演習を実施しました。

○本演習により、的確な情報伝達方法の習得・確認、各防災機関との連携と水防体制の強化、防災 意識の高揚等が図られるとともに、明らかになった課題について今後改善し、今年度の出水期は、 防災関係者一同「洪水から地域を守る」決意を新たにして防災業務に臨みたいと思います。

 

5.「土器川・YOU・遊フェスタ」〜泳げ鯉のぼり〜(土器川水系 香川河川国道事務所)

  

○平成29年5月17日()に土器川の河川敷「みんなの広場」において、「土器川・YOU・遊フ ェスタ〜泳げ鯉のぼり〜」が開催されました。

○近隣の児童・園児あわせて約210名が参加し、鯉のぼりを使ったゲームやダンスを楽しんだ後、 土器川に住む生き物の種類や捨てられたゴミの環境への影響などについて学び、最後に河原の清 掃・稚魚の放流体験を行いました。

○本イベントは河川利用の促進を目的として、丸亀市主催のもと毎年行われ、今年で18年目を迎 えました。香川河川国道事務所も毎年開催に協力し、河川の適正な利用を呼びかけています。

○当日は晴天に恵まれ、土器川の両岸を渡した園児達手作りの鯉のぼりが元気に泳いでいました。

 今日の体験が子供達の思い出に残り、土器川を愛するこころをより育んでくれることを願ってい ます。

 

 

 

 

 

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          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3852(片井)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp

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