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四国河川ニュース
《3/5(土)〜 4/14(金)》701号
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【2017.4.17発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.332
○効果の見える治水事業 愛媛県 本谷C地区(大洲市)急傾斜地崩壊対策事業 『急傾斜地崩壊対策工事が平成29年度上半期概成予定』 愛媛県南予地方局大洲土木事務所長 石崎 桂三
○肱川の治水対策について 大洲市長 清水 裕
○今週のニュース
○「第16回矢落川大清掃 〜市民ボランティアが主催する河川清掃〜」(肱川水系 大洲河川国道事務所)
○平成29年度重信川・石手川河川愛護モニター委嘱式及び説明会を開催(重信川水系 松山河川国道事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.332
1.効果の見える治水事業 愛媛県 本谷C地区(大洲市)急傾斜地崩壊対策事業
『急傾斜地崩壊対策工事が平成29年度上半期概成予定』 愛媛県南予地方局大洲土木事務所長 石崎 桂三
○大洲市は、伊予灘に面する海岸部と県内最大河川である肱川流域の盆地部、そして大部分を占め る山地部からなり、盆地部を除くと急峻な傾斜地が河道まで迫る特徴的な地形となっております。 県土のほぼ長軸方向をほぼ平行に縦走する中央構造線等があり、構造線に挟まれた風化剥離性に 富む脆弱な地質であることから、地滑りや崩壊の多発地帯でもあります。
○大洲市南西部に位置する当箇所は、人家16戸及び生活道路である(一)大洲保内線で結ばれる山 間集落地であり、急峻な斜面は強風化岩を主体とし脆弱な地質で、平成18年度の豪雨により崩壊 が発生しました。それにより、人的・物的被害はなかったものの地域住民からは対策工の整備を 求める声が高まっていました。
○本事業は、平成20年度に着手し平成29年度上半期には概成する予定であり、本年度発生した梅雨 前線豪雨等においても被害は発生せず、地域住民の安全・安心に大きく貢献しています。
○本県では、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、ハード、ソフト両面から、土砂災害対策 を推進しており、急傾斜地崩壊対策工事等の施設整備にも、重点的・計画的に取り組んでいます。
今後とも、限られた予算の中、土砂災害を未然に防止する施設整備を着実に実施するとともに、 土砂災害警戒区域等の指定を推進し、地域住民の安全・安心な暮らしの確保を図ります。
2.肱川の治水対策について 大洲市長 清水 裕
○大洲市は、県庁所在地である松山市から南西に約50q、車で約1時間のところにあり、人口約4 万5千人のまちです。市の中心部を県下最大の河川である「肱川」が流れ、瀬戸内海へと注いで います。藩政時代は、六万石の城下町として栄え、その風情が残る町並みや鵜飼い、肱川より眺 める大洲城、臥龍山荘、冨士山等の景観により、「伊予の小京都」「水郷大洲」と呼ばれていま す。
○肱川流域は、流域の殆どが山地で形成され、地盤が脆弱で土砂災害が発生しやすく、また、「手 のひら」のような形をしているため、「大洲盆地に川が集中」「河床勾配が緩やか」「河口部が狭 い」等の地形的特性から、全国的にも治水対策の非常に難しい河川の一つとされています。
○このような地形的特性から、平成28年の梅雨時期にも崖崩れ等の土砂災害が多数発生するなど 住民の不安は大きく、また、度重なる水害にも悩まされております。平成7年洪水では、浸水家 屋1,000戸を超す甚大な災害が発生し、これを受け、激甚災害対策特別緊急事業により再度 被害防止のための堤防整備がなされ、大幅に治水安全度が向上しましたが、平成16年・17年 ・23年に観測史上1位〜3位の水位を記録する洪水があり、この10数年間で3回も甚大な浸 水被害が発生しました。
○このような中、県においては、急傾斜地崩壊対策事業をはじめ土砂災害対策に取り組んでいただ いております。また、平成16年に策定された河道整備、山鳥坂ダム建設、鹿野川ダム改造を三 本柱とした「肱川水系河川整備計画」に基づき、国・県において事業が計画的に推進されており、 大洲市としても円滑に事業推進が図られるよう積極的な連携・協力に努めているところでありま す。
○これまでの、国・県・市による治水事業及び砂防事業により治水安全度等は、少しずつ向上して おり、大洲拠点地区においても、店舗進出数や従業者数が確実に増加しております。また、平成 30年度には、下流区間の堤防整備状況を考慮しながら直轄区間の7箇所の暫々定堤防の一部嵩 上げや鹿野川ダム改造事業が完了予定であり、平成16年・17年・23年洪水の再度災害防止 が図られるとともに、治水安全度のさらなる向上により新たな企業進出や雇用創出に期待が高ま っております。
○今後も大規模な自然災害から市民の生命・財産や地域経済を守るため、国・県と連携を図りなが ら事業を着実に推進し、治水対策や土砂災害対策等あらゆる課題解決に取り組んでいきたいと考 えております。
今週のニュース
1.「第16回矢落川大清掃 〜市民ボランティアが主催する河川清掃〜」 (肱川水系 大洲河川国道事務所)
○平成29年4月8日(土)に 「肱川流域会議 水中めがね」
の主催で、肱川水系矢落川におい て、市民と企業、行政(大洲市等)の協力による河川清掃が実施されました。
○この清掃活動は、市民自らが河川をきれいにしようとの思いで平成14年から実施されているもの で、当初は十数名の小規模なものでしたが、最近では毎年のイベントとして定着し、今年で16 回目を迎えました。
○今年はあいにく雨が降るという天候でしたが、スポーツ少年団の小学生を含む様々な一般市民の 方が参加頂き、昨年を超える約100名の参加がありました。
○参加者は開会式の後、ゴミ袋と軍手、火ばさみを持ち、矢落川の堤防沿いに分散し、各々のペー スで清掃を行いました。
○ゴミは、参加者の皆さんのおかげで年々少なくなってきていますが、今年も燃えるゴミは3トン トラック1台、燃えないゴミが軽トラック1台分ほど集まりました。
○ケガや事故もなく無事に清掃を終えることが出来、清掃後は「水中めがね」さんの用意していた だいた美味しいカレーを食べて、笑顔で閉会することが出来ました。
○このような活動を通して、肱川の現状を把握してもらい、更なる関心を持って頂ければと思いま す。
2.平成29年度重信川・石手川河川愛護モニター委嘱式及び説明会を開催(重信川水系 松山河川国道事務所)
○平成29年4月11日(火)に、松山河川国道事務所会議室において、「平成29年度重信川・ 石手川河川愛護モニター委嘱式及び説明会」を開催しました。
○河川愛護モニター制度の主旨は、河川の整備や利用、環境に関する地域の要望を把握し、河川愛 護思想の啓発、河川の適正な維持管理に資することを目的とし、散歩や通勤など日常的に河川を 利用している住民の方々に、河川愛護モニターになっていただくことで、「日常生活で気づいた 河川に関する情報をお聞きしたい。」という主旨で制度化されているものです。
○河川愛護モニター制度が創設されて、今年で42年目を迎えています。
○平成29年度の河川愛護モニターには、多数の応募があり、その中から河川愛護への関心が特に 高く、自治会等の地域に密着した活動に参加している方や積極的に愛護モニターを実行されると 思われる方9名を河川愛護モニターに委嘱しました。任期は1年間です。
○委嘱式では松山河川国道事務所の鳥羽事務所長より、「昨年度は河川区域内に放置されている自 転車やバイクについて報告があり、状態改善につながったことなどを説明し、これからも色々な 情報をよろしくお願いします。」と依頼し、モニターの一人一人に委嘱状が手渡され、続いて河 川愛護モニターの役割や活動内容についての説明を行いました。その後、河川愛護モニターの皆 様から熱心な質問がありました。
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■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 水災害予報センター 水災害対策専門官 片井 良英
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TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3852(片井)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp
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