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四国河川ニュース

12/17(土)〜 1/6(金)》697

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2017.1.10発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.328

○効果の見える治水事業  正木(まさき)ダム堰堤改良事業  徳島県県土整備部東部県土整備局 局長  瀬尾 守

○「持続可能な美しいまち」をめざして  徳島県上勝町長 花本 靖

 

 

○今週のニュース

○長安口ダム周辺の地域活性化方策を考えます!〜第3回那賀川水源地域ビジョン推進会議の開催〜(那賀川水系 那賀川河川事務所) 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.328

 

1.効果の見える治水事業  正木(まさき)ダム堰堤改良事業  徳島県県土整備部東部県土整備局 局長  瀬尾 守

 

■正木ダムの概要 

 勝浦川は雲早山(くもそうやま)・高丸山(たかまるやま)を源流とし、上勝町・勝浦町・小松島市・徳島市を流れて紀伊水道に注ぐ全長49.6km、流域面積2242の県内最大の二級河川です。正木ダムは、勝浦川総合開発事業の一環として昭和48年〜52年にかけて勝浦川上流域の上勝町に建設された多目的ダムです。

 

〇目的  洪水調節、流水の正常な機能の維持、

     かんがい用水、工業用水、発電

〇位置    徳島県勝浦郡上勝町正木

〇河川名 二級河川勝浦川水系勝浦川

〇諸元   形式:重力式コンクリートダム

          堤高:67.0m、堤体積:248,8003

          総貯水容量:15,050 千m3

 

■事業の概要

 正木ダムでは、建設後30年以上経ち各設備に改良の必要性が生じたことや、放流操作・情報伝達の一層の確実性や信頼性の向上が求められるようになったことから、堰堤改良事業により、各設備の改良を実施しました。この結果、流入量予測の機能追加や巻上機用電動機の二重化等による操作の確実性向上が図れ、更に信頼性の高いダム管理が可能となりました。これら機能向上された設備により、今後とも適正なダム管理に努めて参ります。

 

〇事業費  915百万円

〇事業期間 平成20年度〜平成25年度

〇主な内容     

 ・ダム情報処理設備改良(リアルタイムでの流入量予測機能等の追加)

  ・放流警報設備改良  (下流における情報表示機能を追加)

  ・ゲート放流設備改良 (クレストゲート巻上機用電動機の二重化)

 

 

2.持続可能な美しいまち」をめざして  徳島県上勝町長 花本 靖

 

○上勝町は、徳島市から南西に約45km、勝浦川の上流域に位置しています。総面積は109.68km2でその内89%が山林であり、人口は2,000人を割る四国最少の町です。

○本町は、古くから林業で盛えており、昭和30年の二村合併により誕生した際、新町名に、当地の木材ブランドであった「上勝」を採用しております。表土の厚い地質と降水量が多いことから杉・檜の生育に適し、当時は町内生産所得の実に半分近くを林業が占め、無論最大の基幹産業でありました。

○その林業経営が、金属・コンクリート製品の普及と外材の輸入急増により採算割れとなったうえ、昭和56年にマイナス13度という局地的な異常寒波に襲われ、特産品のみかん・ゆこう・すだちの大半が枯死、本町の産業・経済は壊滅的な打撃を受けました。

○この深刻な事態に、町民はもとより町も農協も茫然自失となりましたが、どん底まで落ちれば人間というのは不思議な力が出ると言います。これを契機に、栽培農家・農協・行政が一体となって、あの「葉っぱをお金に換える」”いろどり”の取り組みが始まったのです。

○当初は、挫折続きでしたが、先進的な農家の頑張りと、一人の農協職員のまさに”人生を捧げた”献身的なサポートによって、今や年商2億円を超え上勝を代表する産業に成長したのです。

○昨今、上勝と言えば「あーあの葉っぱの」や「葉っぱビジネス」などで全国に知られ、代名詞となっております。

○ところで、現在の日本は、急速な人口の減少と高齢化・地球温暖化に伴う自然災害の深刻化・経済の低迷と格差の拡大・国・地方を通じた厳しい財政状況など社会のあらゆる面で行き詰まり、将来の不透明感が国民を不安に陥れている状況です。もとよりこれらの課題は、一自治体が解決できる代物ではありませんが、首長は、せめて我が自治体の将来について、住民にわかりやすい”まちのかたち”を示すべきではないだろうかと考えます。

○上勝町は、町内55集落のうち6割近くが限界集落であり、近い将来多くの集落が消滅する恐れがあります。集落から人がいなくなれば、農地はたちまち雑草の生い茂る「耕作放棄地」となり、それが進めば山は荒れ、水源が枯れ、海も痩せる。すなわち森林の荒廃は、広範囲の地域と人々、あらゆる産業に深刻な悪影響をもたらす要因となるのです。

○私は町長として、自然環境を保全し、地域資源を生かした産業を振興し、上勝町とその集落を将来に亘って存続させなければなりません。そのためには、「持続可能な美しいまちづくり」を着実に推進することが責務であると考えています。

 

 

 

                         

今週のニュース

 

1.長安口ダム周辺の地域活性化方策を考えます!〜第3回那賀川水源地域ビジョン推進会議の開催〜(那賀川水系 那賀川河川事務所) 

 

○12月21日に那賀町のもみじ川温泉にて「第3回那賀川水源地域ビジョン推進会議」を開催しました。

○本会議は、ダムを活かした水源地域の自立的・持続的な活性化を図るための行動計画である「那賀川水源地域ビジョン(平成28年3月策定)」を強力に推進するための会議で、阿南高専の湯城名誉教授や流域内で活動するまちおこし団体の代表、徳島県、阿南市、那賀町職員など20名が出席しました。

○今年度の取り組みとして、長安口ダム改造工事完成後の跡地利用を意識した「かわまちづくり計画」の検討を進めてきました。今回は今年度最後の会議ということもあり、これまでの会議で頂いた意見を元に作成した「かわまちづくり計画申請書」の最終確認を行いました。

○今後、推進会議では、活動団体や関係行政と連携し、作成した「かわまちづくり計画」に基づく、イベントの立案等、水源地域の活性化に努めていく所存です。

 

 

 

 

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