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四国河川ニュース

12/3(土)〜 12/16(金)》696

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2016.12.19発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.327

 

○効果の見える治水事業  高知県 鏡(かがみ)(まと)(ぶち)地区災害関連緊急地すべり対策事業  高知県高知土木事務所長 永野 聖

○効果の見える治水事業 自然災害に備え,市民とまちの安全をさらに高める   高知市長 岡崎 誠也

 

○今週のニュース

○「竹を使おうDAY!」を開催(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.327

 

 

1.効果の見える治水事業  高知県 鏡(かがみ)(まと)(ぶち)地区災害関連緊急地すべり対策事業   高知県高知土木事務所長 永野 聖 

 

○高知県内では平成26年8月1日から5日にかけての台風第12号、8月7日から9日にかけての台風第11号に伴う豪雨で、多くの箇所で地すべりによる被害が発生しました。幸いにも、人的被害はなかったものの、多くの箇所で避難指示が出され、住民の生活や経済活動に大きな影響が出ました。鏡的渕地区は高知市の中心部を流れ太平洋にそそぐ、二級河川鏡川の支川的渕川の右岸に位置しています。   

○地すべりは台風第12号の豪雨により発生。8月3日の13時過ぎ斜面崩壊で背後斜面における地すべり活動が活性化、幅約120m、長さ約100mの大規模な地すべりが発生しました。本地区に近い鏡ダムでの雨量観測結果では8月1日15時から5日1時までの総雨量は1,037mm、最大時間雨量は80mmが記録されました。崩壊斜面の下、川幅約20mの的渕川を隔てた対岸の的渕地区には住宅12世帯があり、団地住民は応急工事が完了するまでの約4ヵ月間、避難生活を余儀なくされました。        

○高知県では地すべり対策工事を実施するため、地質調査、動態観測に着手し対策工の詳細設計を行いました。地質調査は4箇所で行い、それぞれ動態観測のための孔内傾斜計と地下水位を把握するための水位観測孔を設置し観測を行いました。孔内傾斜計の観測結果と地質調査結果から約22.0mの深さですべり面が確認され、地すべりブロックの安定解析を行いました。安定解析については、地すべりブロックの変位が降雨に伴い断続的に継続していることから現状安全率をFs0.98と設定、計画安全率については保全対象として人家12戸や二級河川、県道などがあるためPFs=1.15と設定し計算を行いました。

○地すべり対策工については、抑制工と抑止工のそれぞれの特徴を生かし、経済性、施工性を総合的に比較しアンカ−工と排水ボ−リング工、集水井工を組み合わせた工法を採用しました。現在、現地では排水ボ−リングと集水井工、アンカ−工の施工が完成し、引き続き法面保護工の施工を行っており、平成28年度内の完成に向け急ピッチで災害復旧工事を進めているところです。

 

 

2.効果の見える治水事業 自然災害に備え,市民とまちの安全をさらに高める  高知市長 岡崎 誠也

 

○高知市は,四国南部のほぼ中央に位置し,市域面積は308.99?,人口約33万4千人の中核市です。北部は山林,西部は丘陵地が続き,平野の開けた中央部から南東部にかけて都市,同じく平野の東部には水田地帯が広がっています。また,南部は土佐湾に面し,海岸線からは雄大な太平洋を一望することができます。

 本市は,年間を通じて降水量が多く,特に夏から秋にかけては台風の進路に当たることから,年によっては3,000mmを超す降水量があり,過去に数々の水害に見舞われてきました。

○平成268月の台風12号と台風11号の豪雨により,高知市では,床上浸水375件,床下浸水491件,その他,多くのがけ崩れや道路損壊等の被害が発生しました。本市の北西部に位置する鏡地区でも,河川や道路の災害が多数発生し,鏡的渕地区では,対岸斜面の地すべり発生により,12世帯の住民に避難指示が発令されました。現在,鏡的渕地区では,高知県により進められている地すべり対策事業が完成まであと少しとなり,斜面の安全性が高まったことから住民の安心につながっております。

○東日本大震災などの大規模自然災害の経験を通じ,平時から大規模災害への事前の備えを行うことの重要性が広く認識されることとなり,本市においては,今後30年以内の発生確率が70%程度といわれる南海トラフ地震対策の再検討や地域防災計画の全面的な見直しを行うなど,事前防災の取組や防災対策を強化してきました。

○今後も,大規模自然災害に対して,市民の命を守り,地域・経済社会に致命的な被害を負わせず,迅速な復旧復興ができるよう,防災対策の強化を図っていきます。

 

                     

今週のニュース

 

 

1.「竹を使おうDAY!」を開催(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○石手川ダム水源地域の山には、手入れをされないまま放置された竹林が数多くあります。竹は根を深く張らず、保水力が弱いため、松山市では広葉樹への植え替えなどの事業を行い水源涵養に努めていますが、竹林が増加するのをかろうじて抑えているような状況です。

○このようなことから、石手川ダムでは、水源地域の自然環境に関心を持ってもらおうと、石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会主催のもと、123()に「竹を使おうDAY!」を開催しました。平成22年度から行っているこのイベントは今年で7回目を数え、今年は713名の方が参加されました。

○参加者は、愛媛大学アカデミックアドバイザーの鶴見武道先生による水源地域の放置竹林問題に関する講義のあと、ツイストパン(パン生地を細くのばして編み上げた形のパン)生地を作り、竹の伐採体験に出かけました。昼休みには、作っておいたツイストパン生地を竹の棒に巻き付けたものを、自ら竹炭で熾した火で焼いて昼食。午後は竹加工教室のあと、最後に竹炭の炭焼き窯を見学しました。

○竹の伐採体験では、樹齢5年程度の竹をノコギリで切り倒したあと枝打ちし、23mの長さに小分けするまでを行いました。昼食のツイストパンは、竹炭の火力をうまく利用して表面をカリカリに焼くと、中はしっとり柔らかくなるため、とてもおいしいと皆さん喜んでいました。

○竹加工教室では、講師の先生から基本的なことを教わったあと、午前中の伐採体験で自分たちが切った竹を使って、いろいろな品物(足踏み竹、お箸、スコップ、靴べらなど)作りに挑戦していました。イベントの最後の炭焼き窯見学では、竹炭の作り方について鶴見先生の解説を聞きながら、窯出し作業を見学していただきました。

○イベント終了後のアンケートでは、「竹をノコギリで切るような普段できない体験ができて良かった」「竹を使った工作が楽しかった」「放置竹林の問題はマスコミ報道などで知っていたが、市が予算を組んで取り組んでいるとは知らなかった」などの意見が寄せられました。石手川ダムでは、今後もこのようなイベントを通じて、水源地の問題を分かりやすく伝える努力を継続していきたいと考えています。

 

 

 

 

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