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四国河川ニュース

11/19(土)〜 12/2(金)》695

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 【2016.12.5発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.326

 

○効果の見える治水事業  愛媛県(一)渡川水系 広見川 広域河川改修事業   愛媛県南予地方局建設部長 杉本 寧

○「森がすくすく、川がいきいき、人が元気 〜自然満足都市 きほく〜  愛媛県 鬼北町長 甲岡 秀文

 

 

○今週のニュース

 

○「野鳥観察会&ダム見学会」を開催(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.326

 

1.効果の見える治水事業  愛媛県(一)渡川水系 広見川 広域河川改修事業   愛媛県南予地方局建設部長 杉本 寧

 

○広見川は、愛媛県北宇和郡鬼北町(旧日吉村)にその源を発し、鬼北町、松野町を貫流し、高知県四万十市江川崎で四万十川に合流した後、海に至る流域延長L=56km、流域面積A=367km2の一級河川です。主な支流として、藤川、犬飼川、日向谷川、安森川、下大野川、大宿川、三間川、堀切川、奥野川があります。

 その流域の大半は山地であるため、河川沿いの平地に水田や集落が集中しており、川幅が狭小で河道の流下能力が不足している上、著しい蛇行も重なり、過去に家屋や農地の浸水被害が度々発生してきました。

○昭和20年枕崎台風時には、浸水戸数260戸に達する大水害となりました。近年では、昭和57年8月の台風13号、昭和63年6月の台風4号で氾濫、浸水被害が発生したことにより、平成元年度より河川改修事業に着手し、平地で河積が狭く、家屋や農地の浸水被害が度々発生している松野町蕨生地区より鬼北町興野々に至る延長L=13.245km区間において、浸水被害の軽減を図るため、堤防・護岸の設置、川幅の拡大、堰の改築等を計画的に実施しているところです。

○河川改修は下流から4.6kmの区間において整備が完了しており、下流から4.6km地点より上流については、事業効果の早期発現を図るため、暫定改修を進めており、下流から約10kmまでの区間の暫定改修が完了しております。

○地元における浸水被害軽減に対する改修の効果は高く評価されており、整備の完了が求められているため、今後も、引き続き関係機関や地元住民の協力をいただきながら、改修を推進し、治水安全度の向上に努めたいと考えております。

 

2.「森がすくすく、川がいきいき、人が元気 〜自然満足都市 きほく〜   愛媛県 鬼北町長 甲岡 秀文

 

○鬼北町は、愛媛県南西部に位置し、平成171月に旧広見町と旧日吉村が合併して誕生した町で、12年が経とうとしております。

○全国で唯一、自治体名に鬼のつく町として鬼のまちづくりを展開し、シンボルとして、男鬼の「鬼王丸」と母子鬼の「柚()()(ひめ)」を旧広見町・旧日吉村それぞれの道の駅に設置いたしました。その両方の旧町村を縦断するように、四万十川の最大の支流である広見川が流れています。そして、その河川を利用して町の活性化を図るために、様々なイベントを行っています。

○まず夏には、「でちこんか夏の陣」として、「四万十・源流広見川上り駅伝大会」が開催され、広見川を下流から上流へ向けて駅伝形式で駆け上ります。年々参加チームも増えにぎわっており、今年は中村愛媛県知事も県職員のチームで参加していただき、大いに盛り上がりました。またその上流では、「せせらぎ魚っちんぐ」として親子連れが水や魚にふれあうイベントが開催されています。

○さらに秋には、奈良川河川敷において、「いもたき会」が週末の夕方に行なわれ、広見川などでとれたモズクガニもお目見えします。そして10月には鬼北町最大のイベントである「でちこんか秋の陣」が盛大に開催されています。

○この他にも、農業用や飲料用として欠かせない河川ですが、近年は住民の生命財産を奪う大きな災害の発生源にもなっております。中でも広島の土石流や、鬼怒川の堤防決壊は記憶に新しいところでありますが、台風や梅雨等の豪雨で護岸が崩壊し、尊い人命が失われたり、住居、農地、道路等が流出するという災害は住民生活に重い負担を課すものでありますので、事前の備えとして、河川改修の重要性を再認識しているところであります。

○鬼北町は、その名の由来である鬼ヶ城山系をはじめとした急峻な山々に囲まれた盆地であり、急流な河川が多く災害も多発しておりますが、幸にも現在、愛媛県南予地方局において大宿川と広見川の護岸を改修していただいておりますので、地域住民の安全と安心が一層高まると感謝しております。

○特に、現在改修中の広見川の興野々地区については、日本の原風景ともいえる歴史的文化財等があり、改修後には観光スポットとして活用したいと夢を膨らませております。

 

 

                         

今週のニュース

 

1.「野鳥観察会&ダム見学会」を開催(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○石手川ダムでは、水源地域の自然環境保全に係る受益地住民の意識啓発を目的として、1126()に「野鳥観察会&ダム見学会」(主催:石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会)を開催し、事前に申込のあった1238名の方が参加し、石手川ダムの豊かな自然に触れるとともに、ダムの役割などを学んでいきました。

○参加者は、まず東雲女子大学名誉教授の石川和男先生による、冬に石手川ダムで見られる野鳥の生態や、鳥の餌になる昆虫などについての講義のあと、ダムの堤頂部から湖面を望み、事務局が準備したフィールドスコープや持参の双眼鏡で、野鳥を観察しました。

○この時期、石手川ダムにはオシドリが飛来し、この日もオシドリをメインに観察しました。湖面には数十羽のオシドリがおり、あいにく木陰に隠れてしまい、泳いでいる姿はほとんど見られませんでしたが、ほとんどの参加者は初めて見る雄のオシドリの美しさに感動していました。

○野鳥観察のあとは、ダムサイト周辺で昆虫観察を行いました。適当に掘った土の中にいる小さな虫を、吸虫管と呼ばれる器具を使って吸い取り、ガラス管の中に入った虫を観察しました。参加した子供たちは、夢中で捕まえた虫を観察していました。

○最後のダム見学では、石手川ダムの操作室でダムの役割や設備について説明したあと、ダムの監査廊の階段を降りて堤体内を通って、底部から間近でダムを見上げました。当日は天気が良く、放流水に虹が架かっており、参加者は虹をバックに盛んに写真を撮っていました。

○イベント終了後のアンケートでは、「美しいオシドリが見られて感動した」「自然豊かな地域で暮らせて幸せ」「虫を吸って観察するのが新鮮だった」「普段見られないダムの中が見られてよかった」などの意見が寄せられ、参加者のほとんどの方が「楽しかった」と回答されました。石手川ダムでは、今後もこのようなイベントを通じて、地域の方に水源地の自然の豊かさやダムの大切さを知っていただきたいと願っています。

 

 

 

 

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