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四国河川ニュース

5/21(土)〜 6/3(金)》682

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2016.6.6発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.316

○香川県 新川(木田郡三木町)の治水事業 『新川広域河川改修事業(三木工区)』

   香川県長尾土木事務所長 氣多 拓夫

 

○「効果の見える治水事業」〈三木町防災センターを拠点として〉『災害に強いまちづくり』

 香川県 三木町長 筒井 敏行

 

 

○今週のニュース

○国土交通省・徳島県合同の「排水ポンプ車操作訓練」(吉野川水系 徳島河川国道事務所) 

○耕作地への肥料等の使用状況パトロール(吉野川水系 徳島河川国道事務所) 

○排水ポンプ車及び「無人玉外しフック」の夜間操作訓練(重信川水系 松山河川国道事務所)

○「鹿野川湖ドラゴンボート大会 21th」と「鹿野川ダム見学会」の開催(肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所) 

○「平成28年度 土器川総合水防演習」を開催(土器川水系 河川部、香川河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.316

 

1.香川県 新川(木田郡三木町)の治水事業 『新川広域河川改修事業(三木工区)』  香川県長尾土木事務所長 氣多 拓夫

 

○二級河川新川は、県東部の木田郡三木町高仙山にその源をもち、吉田川、春日川等の支川を合わせ、高松市市街地東部の木太町、屋島西町において瀬戸内海に注ぐ、幹川流路延長約18.7km(県内第8位)、流域面積約131.9㎢(同3位)の二級河川です。

○新川流域においては、昭和6210月の台風19号により浸水面積703.4ha、床下浸水3,106棟、床上浸水1,725棟もの甚大な被害を受け、『新川河川激甚災害対策特別緊急事業』等により河川整備を進めてきましたが、今回、事業紹介する三木工区では、近年においても平成1610月の台風23号等の出水により、河川改修未整備箇所で度重なる浸水被害が発生しており、早急な河川整備が求められています。

○事業実施により、これまで河口〜県道高松長尾大内線までの約10.6kmの区間の整備が完了しています。三木工区の要改修区間の特徴として、利水目的の取水堰が数多く存在していることが挙げられます。(整備区間3.57km内に12基 ⇒ 約300mに1基) また、そのほとんどが固定堰であり、洪水時の氾濫要因となっていることから、河道拡幅や護岸整備に合わせて堰の可動堰化を実施しています。実施にあたっては、治水面、経済性および近年の農家の高齢化・担い手不足等の問題を踏まえ、利水者と協議を行いながら、堰の統廃合を図るよう努めています。

○平成2427年度の改修工事では、ネック箇所の固定堰3基を2基に統廃合し、可動堰に改築する工事が完了したことにより、治水能力を大幅に向上することができました。

○今後も河川環境に配慮しつつ、浸水被害を早期に軽減できるよう、河川改修に取り組み、災害に強い安全・安心な郷土づくりを目指します。

 

 

2.効果の見える治水事業」〈三木町防災センターを拠点として〉『災害に強いまちづくり』  香川県 三木町長 筒井 敏行 

 

本町の概要

○本町は、香川県の東部に位置し、西に高松市、東にさぬき市に接し、南は徳島県美馬市に接しています。人口約3万人、町土は東西5.8km、南北18.4kmと南北に細長く、高松自動車道、国道11号高松東道路及び多くの主要地方道が通っており、また、東部に二級河川鴨部川、中央に二級河川新川、西部に二級河川吉田川がそれぞれ南北に流れる自然環境と利便性が調和した暮らしやすい町です。

 

過去の災害を教訓として

○本町は、昭和6210月の台風19号と平成1610月の台風23号により甚大な被害を受けました。特に平成1610月の台風23号では、二級河川新川の出水により庁舎が浸水被害を受け防災活動に支障をきたしました。その後、香川県による新川広域河川改修事業によって、河道拡幅や護岸整備に合わせて固定堰を可動堰に改築されたことで、治水能力が大幅に向上し、浸水被害が軽減されました。

○このような治水事業が進む中、本町としましては、災害に強いまちづくりの観点から地震、風水害、土砂災害等の情報を図示したハザードマップを作成しました。ハザードマップを日常的な防災に関する学習や訓練に利用することにより、災害発生時に住民などは迅速、的確に避難を行うことができ、また二次災害発生予想箇所を避けることができるため、危険の周知や利活用の促進が重要と考えています。

○過去の災害を踏まえて、本年4月に災害に強いまちづくりの観点から三木町防災センターを開館しました。本施設は平常時には防災に関する研修、訓練の場や地域住民のコミュニティ活動の拠点に活用し、災害時には「人」「もの」「情報」を一元化した防災活動の拠点としてまた、防災対策設備としてライフラインが途絶えた時にも一定の期間自立的に機能を維持できる施設であり、自家発電機(72時間運転可能)、飲料水を確保するための水槽(容量5.53)、防災トイレ(汲み取りタイプのタンク900人分)、太陽光発電施設(太陽電池20kWと蓄電池)などの設備を有している施設として整備しています。

○今後も、防災センターを防災活動の拠点として、防災・減災に努めるとともに、災害に強いまちづくりを目指します。

 

                        

今週のニュース

 

 

1.国土交通省・徳島県合同の「排水ポンプ車操作訓練」(吉野川水系 徳島河川国道事務所) 

 

○平成28530日(月)に徳島河川国道事務所・徳島県の合同による排水ポンプ車操作訓練を阿波中央橋下流の吉野川市鴨島運動場で総勢126名が参加し実施しました。

○訓練は、排水ポンプ車7台、照明車2台を使用し、据付から撤去までの作業を繰り返し行うことで、操作手順を習熟を図りました。

○昨年は大きな出水もなく、排水ポンプ車は出動しませんでしたが、一昨年には台風12号、11号の出水時に排水ポンプ車を出動させ、内水排除を行いました。今年も6月より出水期に入ります。今回の訓練を生かし、災害時・出水時には迅速な対応で被害の軽減を図りたいと思っております。

 

 

2.耕作地への肥料等の使用状況パトロール(吉野川水系 徳島河川国道事務所) 

 

○平成28年6月1日、吉野川河川敷や善入寺島の耕作地における肥料や堆肥の不適切な施用を防ぐため、徳島県と合同でパトロールを実施しました。

○吉野川には古くから農地として耕作されてきた歴史があり、今も流域約670haにわたり野菜等が作付され、有機質肥料が広く利用されています。

○吉野川の環境保全のため、耕作地における肥料や土壌改良材などの適切な施用についての周知・啓発を行うとともに関係機関の一層の連携を図るため、平成19年から吉野川河川敷耕作地におけるパトロールを実施しているものです。

○今回、徳島市から善入寺島までの約30kmの両岸の耕作地について、施用されている肥料等の質、量などが適切かどうかパトロールを行い、野積み、生乾き、鋤込み不良等不適切と判断した11件について適切に施用するよう指導したほか、経過観察も行っていきます。

○吉野川の適正な維持管理のために、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

 

 

 

3.排水ポンプ車及び「無人玉外しフック」の夜間操作訓練(重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○平成28年5月30日(月)に松山市古川南「かきつばた樋門」(重信川右岸6km300付近)において、排水ポンプ車及び「無人玉外しフック」の操作訓練を実施しました。

○今年度は、平成27年9月の関東豪雨災害(鬼怒川堤防決壊)での支援作業の実績を踏まえ、より実践的な訓練となるよう四国管内では初めての夜間(18:0021:30)で行いました。

○当日は、訓練対象者として河川維持業者(2社19名)と災害協定業者(7社22名)が参加しました。

○松山河川国道事務所の横尾所長による訓練開始の号令のもと、まず最初に1社目の排水ポンプ車操作訓練を行い、設置・排水作業・撤去まで約1時間かけて、機械の操作方法や作業手順の確認を行いました。

○引き続き、「無人玉外しフック」の操作訓練を、実際に根固めブロックを河川に投下する状況で行いました。災害協定業者も含め全社に実施してもらい、操作についての確認を行いました。

○「無人玉外しフック」は、吊った先で荷を着地させ、ワイヤーロープ等が緩むと補助ロープを引いてフックのストッパーを解除することにより、フックが解放され吊り荷を自動的に下ろすことができるフックです。

○その後、2社目の排水ポンプ車操作訓練を行い、予定をややオーバーしましたが無事に訓練を終了しました。

 

 

4.「鹿野川湖ドラゴンボート大会 21th」と「鹿野川ダム見学会」の開催(肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所) 

 

○鹿野川ダム湖で、「えひめいやしの南予博2016」愛媛県南予広域イベントの一環として、「ドラゴンボート大会」が開催され、県内外から出場した合計34チームでタイムを競い合いました。

○1チーム10人(漕ぎ手8人、舵取り1人、太鼓伴奏1人)、往復450mのコース、2回レースのタイム競争です。爽やかなダム湖を感じられます。来年是非ご参加ください。

○鹿野川ダム見学会も、このイベントに併せて開催しました。

○「ダム見学コース」は鹿野川ダム操作室や堰堤内部の見学ツアー、「現場見学コース」は肱川の安全と自然な流れを目指す鹿野川ダム改造事業の工事現場見学ツアーです。

○滋賀県や広島県、香川県など遠方からも見学にお越しいただき、普段は見ることのできないダムの内部や改造工事現場をご覧いただきました。改造事業限定ダムカードも人気がありました。

○また、ダム湖上流から運ばれてくる栄養分を含んだ鹿野川ダム湖底の堆積土の配付を行い約100袋をお持ち帰りいただきました。家庭菜園で使うと野菜の育ちが良いようです。

○「夏休み子供向けのダム見学イベント」を企画しております。今後、ホームページ等で情報発信していきますので夏の鹿野川ダムへ是非お越し下さい!

○山鳥坂ダムブログ

  http://www.skr.mlit.go.jp/yamatosa/blog/

 

 

5.「平成28年度 土器川総合水防演習」を開催(土器川水系 河川部、香川河川国道事務所)

 

○出水期を前にした平成28522日(日)、水防機関の連携強化、水防団の水防技術の習熟と関係機関及び流域住民の水防意識高揚を目的として、香川県丸亀市垂水町地先の土器川左岸生物公園前河川敷にて、39団体約430人、見学者等を含め総勢約2,000人が参加し、『平成28年度 土器川総合水防演習』を開催しました。

○四国での水防演習は昭和59年に吉野川から始まり、毎年四国四県を順番に実施し、土器川での水防演習は8回目となります。

○演習は、「超大型で猛烈な台風による大雨の影響で大規模な洪水が発生した」との想定のもと実施され、土器川の洪水被害の防止・軽減、早期復旧を図るため、『水防工法実施訓練、避難訓練、ライフライン復旧訓練、、TEC-FORCE派遣訓練、孤立者救助訓練、被災者搬送訓練、道路啓開訓練、航路啓開訓練(VTR)、防災用マルチヘリコプターを活用した被災箇所調査訓練、食料輸送・供給訓練等を行いました。

○また、演習会場では、一般参加者に水防工法をより身近に感じてもらうため、水防工法として最も基本的な土のう作りやロープワークの体験、降雨体験や土石流3Dシアターなど、多くの方々に実際に体感してもらいました。また、讃岐うどんの炊き出しが行われ、来場された方々に大人気でした。

○まもなく四国地方も梅雨入りし、出水期を迎えます。今回の総合水防演習を活かし、今後とも関係機関と連携して、防災に万全の備えを行っていきたいと考えています。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 水災害対策専門官  青木 研

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(青木)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html

 

 

 

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「四国の川を考える会」ホームページURL

※四国の一級河川の紹介や川にまつわる話題を紹介しています。

  http://www.shikoku-river.net/

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