*******************************************************

四国河川ニュース

11/14(土)〜 11/27(金)》670

********************************************************

2015.11.30発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.305

○「効果の見える治水事業」 愛媛県 傍示川(松山市)の治水事業 『準用河川傍示川改修事業』 松山市長 野 志 克 仁

 

○今週のニュース

○「四万十川自然再生事業 現地研修会」の開催 (渡川水系 中村河川国道事務所)

○「吉野川上下流交流大会」の開催 (四国四県から集い、森林整備(間伐作業)を行いました。) (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.305

 

1.「効果の見える治水事業」 愛媛県 傍示川(松山市)の治水事業 『準用河川傍示川改修事業』 松山市長 野 志 克 仁

 

<流域の概要>

○松山市は、人口約52万人を誇る四国最大の都市で、東は西日本の最高峰石鎚山を擁する四国山地を背景とし、西は波静かな国立公園の瀬戸内海を望む、美しい海や島のあるまちです。

○また、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれた本市では、農林水産品が数多く生産され、松山の質の高い産品は、全国的に好評をいただいています。11月には、「まつやま農林水産物ブランド」の一つである高級柑橘「紅まどんな」の出荷が始まりました。

○このような温暖な気候ではありますが、近年、地球温暖化などの影響による局地的な大雨で、都市部の浸水被害が頻発するようになり、平成13年6月の大雨では市内一円で浸水被害がありました。そのため、特に被害が大きかった10地区を重点地区に位置付け、雨水幹線や雨水排水ポンプ場の整備に取り組んできたほか、平成23年度からは、集中豪雨時の浸水想定区域や避難情報などを記載した内水ハザードマップを作成し、市民に情報を提供することで、防災意識の向上に取り組んでいます。

 

<事業の概要>

○松山市南部を流れる傍示川は、一級河川石手川と重信川に挟まれた平地部に位置し、河床勾配も緩やかなため、台風や大雨で頻繁に家屋や農地等に大きな被害を与えていました。そこで浸水被害の解消のため、昭和61年に準用河川に指定し、国庫補助の総合流域防災事業で改修工事を進めています。

○現在、住宅が連なる狭小部の難施工区間を、自立式構造である矢板護岸形式で改修しています。地元住民の皆さんの御協力により、事業は着実に進み、延長1955mのうち1870mの整備が完了していますので、周辺地域では、河川氾濫による大規模な浸水被害は解消できたと考えています。引き続き、未整備区間の早期完成を目指して整備を進めます。

○また、本市は、重信川の改修で有名な足立重信のほか、信濃川大河津分水堰復旧工事で現場責任者として活躍し、後の治水工学に多くの影響を与えた『治水工学』をまとめるなど、河川行政や河川工学の発展に貢献した土木技術者の宮本武之輔氏を輩出したまちでもあります。

○これからも、国、県の御支援をいただきながら、宮本武之輔氏が残した河川への想いを引き継いで河川改修に取り組み、市民の皆様が、安全・安心で笑顔で暮らせる「まちづくり」「川づくり」を目指します。

 

                         

今週のニュース

    

1.「四万十川自然再生事業 現地研修会」の開催 (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

○「四万十川自然再生協議会」は、四万十川の豊かな自然と環境を守るため、地域住民が主体となり、意見・提案・活動を行い、地域の活性化を図ることを目的として設立された民間の団体であり、自然観察会などの環境学習活動や菜の花まつり等の各種行事などに取り組んでいます。

○去る平成27年11月27日(金)、こうした取り組みの一貫として、現在、中村河川国道事務所が実施している四万十川自然再生事業のアユの瀬づくり、魚のゆりかごづくりについて、計画や目的、実施状況等の理解を深めるため、四万十川自然再生協議会の主催で現地研修会が開催されました。

○当日は、四万十川自然再生協議会のメンバー、行政関係者、アユやスジアオノリの専門家など約40名が集い、工事施工箇所を確認しながら事業の目的やこれまでのモニタリング結果等について認識を深めました。

○参加者からは、「アユの産卵場の回復やスジアオノリ場の再生を目指して、樹木伐採や河床掘削をしていることが理解出来た」等の好意的な感想が聞かれました。

○今後もこのような現地研修会を開催し、地域と協働した四万十川の自然再生事業を推進していきます。

 

2.「吉野川上下流交流大会」の開催 (四国四県から集い、森林整備(間伐作業)を行いました。) (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○平成27年11月23日(月・祝)、高知県土佐町にて、「吉野川上下流交流大会」が開催されました。この交流大会は、毎年実施しているもので今年で19回目となりました。

○主催は、「四国三郎(吉野川)ふれあい会議」で、水源地域の市町村(いの町(旧本川村)、大川村、土佐町、本山町、大豊町、三好市)、民間機関代表者、受益地域の四国四県、国土交通省及び水資源機構で構成しています。

○吉野川上下流交流大会は、「受益地域の人々が感謝の気持ちを込めて水源地域への貢献と水源地域との交流」として、受益地域の方々に水の源を訪れてもらい、「森林整備(間伐作業)」や「早明浦ダム施設見学」等を通じて、水資源の有限性や水資源施設、水源林の重要性について考え、地元の方々との交流を図り、さらには水源地域に対する理解を深めていただくことを目的に開催しているものです。

○当日は、四国四県から約80名の方々が集い、開会式では、主催者を代表して地元土佐町の和田町長から歓迎のご挨拶をいただきました。続いて、四国地整の鷲津河川情報管理官からの挨拶で、本交流大会の主旨などのご説明もいただき、その後参加者全員で記念撮影を行いました。

○引き続き、早明浦ダム貯水池周辺の森林にて、地元土佐町の森林組合の方々から木の伐採の仕方やのこぎりの使い方などの指導もいただき、参加者の方々はみんなで協力しながら間伐の作業を体験しました。その場で、間伐した木から自分たちでコースターなどを作製して記念品として持ち帰っていただきました。

○「四国の水がめ」とも言われる早明浦ダムにて、施設や堤体の中などを見学し、ダムや水資源の大切さなども改めてご理解いただけたと思います。

○また、地元土佐町で毎年1123()に開催している「産業文化祭」にも参加し、「木材まつり」の木工教室で間伐材を使って椅子やクリスマスリースを作ったり、「ふるさと うまいもの市」では地元産のおいしい食材を食するなど、より一層上下流の交流を深めることができました。

○下流域からの参加者からは、「貴重な体験ができた」「いつまでも健全な木々でいてほしい」「森林やダムの大切さがよく解った」「体験の時間が短かった」等の感想をいただきました。

○より良い水源地域創造のため、今後も関係機関の方々と連携し、吉野川上下流の交流がより一層促進されるよう本交流会も継続して実施してまいります。

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 洪水予測専門官  岡林 福好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(岡林)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html