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四国河川ニュース

《四国河川ニュース 9/19(土)〜 10/2(金)》666号

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2015.10.5発行】

 

                                           

                                           

 ○四国・水こぼれ話談話室Vol.301

○「自然と共存した防災対策について」 愛媛県 西予市長 三 好 幹 二 

○「効果の見える治水事業」 愛媛県 中尾田川(西予市)砂防事業 『地域機能を守る砂防堰堤』 南予地方局 西予土木事務所長 中 川 新 六

 

○今週のニュース

○「平成27年度 四国ダム技術向上検討会」を開催 (河川部 河川工事課)

○「JICA研修で8ヵ国15名の方々が大谷川砂防堰堤群」を視察! (吉野川水系 四国山地砂防事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.301

 

1.「自然と共存した防災対策について」 愛媛県 西予市長 三 好 幹 二

 

○平成16年4月に5町が合併して誕生した西予市も、今年で12年目を迎えております。当市は愛媛県の西南部に位置し、県内で2番目となる約514平方キロメートルに及ぶ広大な面積と、西は海抜0メートルの宇和海沿岸から東は高知県境となる四国山地のカルスト台地が広がる標高約1,400メートルという標高差を持つ起伏に富んだ自然豊かなまちであります。気候としましては、北は下北半島から南は下関あたりまで、本州の気候がすっぽりと当てはまる気候となっております。我々はこの自然・文化・歴史等の多様性を大切な財産と捉え、平成24年から全国のより多くの方々へこの自然遺産を発信するための活動を始め、平成25年9月には西予市全域を県内では初となります「四国西予ジオパーク」として日本ジオパークの認定を受け、現在もこれを起爆剤として市民の方々と一緒にさまざまな活動を展開しているところでございます。

○しかしながら、このような自然豊かな環境であるということは、裏を返せばそれだけ自然災害の脅威とも共存している環境とも言えます。市内の土砂災害危険箇所は1,308箇所あり、特に山間部である野村や城川地区においては急峻な地形が多く、地盤が脆弱であるため、毎年、梅雨前線や台風による土砂災害が発生しており、地域住民の日常生活に支障をきたしております。このような状況の中、西予市城川支所をはじめ多くの公共施設が集中し、地区の中心地的役割を担っている城川町下相(おりあい)地区において実施していただきました砂防事業により、中尾田川の砂防堰堤が完成し、地域住民の生活に更なる安心をもたらすことができました。

○私たち日本人は古来より日本列島の特殊な地理的・地学的条件の中で自然の驚異と向き合い、ある意味共存した民族であります。しかし、昨年8月に広島市北部で甚大な被害をもたらした土砂災害や、本年9月10日の茨城県常総市での鬼怒川の堤防決壊による大規模な水害等、ここ数年、増加する台風の大型化やゲリラ豪雨、近い将来発生が予想されている南海トラフ大地震、火山噴火等の自然災害は共存の域を超えております。

○自然災害の発生を完全に防ぐことは不可能であります。しかしながら、衆知を集めて効果的な災害対策を講じるとともに、市民一人ひとりの自覚及び努力を促すことにより、出来る限り被害を最小化する「減災」を目標とし、今後も様々な対策を組み合わせて災害に備えてまいりたいと思っております。

 

2.「効果の見える治水事業」 愛媛県 中尾田川(西予市)砂防事業 『地域機能を守る砂防堰堤』 南予地方局 西予土木事務所長 中 川 新 六

 

<箇所概要>

○中尾田川は流域面積約0.25km2土石流危険渓流で、上流部は荒廃が著しく、急峻な渓床に不安定土砂が堆積しており、土砂流出の危険性が非常に高い。下流には市役所支所等の公共施設の他、銀行や商店等の地域住民の生活基盤となる施設が集中するとともに緊急輸送路(国道197号)が存在し、集中豪雨等により土石流が発生した場合には、地域行政機能の麻痺と交通障害による市民生活への影響が大きいと考えられることから、砂防事業を実施したものです。

 

<事業効果>

○当該地区は急峻な地形で小規模な崩落等が度々発生し、その都度通行止め等により地域生活に影響を及ぼしてきた。本事業の完成により地域生活の保全が図られ、災害時の輸送及び人的被害があった際の迅速な対応が可能となった。

○本年度の南予地方を中心とした豪雨(平成2791日、時間雨量41mm)においても、本事業の効果により被害等は発生せず地域住民の安全安心に大きく貢献している。

 

<土砂災害対策の取り組み>

○本県では、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、ハード、ソフト両面から、土砂災害対策を推進しており、砂防堰堤等の施設整備にも、重点的・計画的に取り組んでいます。

○今後とも、限られた予算の中、土砂災害を未然に防止する施設整備を着実に実施するとともに、土砂災害警戒区域等の指定を推進し、地域住民の安全・安心な暮らしの確保を図ります。

 

                         

今週のニュース

    

1.「平成27年度 四国ダム技術向上検討会」を開催 (河川部 河川工事課)

 

○平成27年度 四国ダム技術向上検討会を9月29日、30日に開催し、20名が参加しました。

○この検討会は、四国地方整備局の職員において、ダムの設計及び施工技術を高めていく取組を通じてダム技術を有する職員を育成し、ダム技術を伝承するため定期的に開催しているものです。

○1日目は、「鹿野川ダム施工技術向上委員会」を傍聴しました。委員会は、鹿野川ダムの施工状況の説明や今後の施工の課題等についての審議が行われました。

○2日目は、鹿野川ダム改造事業の工事現場(トンネル洪水吐工事、選択取水設備工事)を見学しました。

○その後、四国内のダム各建設・改造の施工状況等を説明し意見交換を行いました。

○引き続き職員のダム技術向上に向けて検討会を開催していきます。

 

2.「JICA研修で8ヵ国15名の方々が大谷川砂防堰堤群」を視察! (吉野川水系 四国山地砂防事務所)

 

○四国山地砂防事務所では、奈半利川水系において深層崩壊に起因する土石流災害に対する工事を鋭意進めております。

○今回、8月31日(月)に政府開発援助の一環として、独立行政法人 国際協力機構(JICA)が国立大学法人 高知大学と協力して実施する防災に関する研修のプログラムの一部として砂防事業の現場視察を実施しました。

8ヵ国15名の方々に大谷川砂防堰堤群(高知県北川村)の工事現場を視察していただき、奈半利川水系における砂防事業着手の経緯や施設配置計画の概要、各施設の構造等について説明しました。

○研修生は防災行政に関わる方々であり、自国の状況を鑑みた上で非常に積極的な質問が多くあり、砂防堰堤の機能について興味津々の様子でした。

○SABO(砂防)は世界の共通語になっていると言われていますが、その本場である日本においての現場研修が、今回参加された研修生の方々の、自国における災害対策の強化に少しでも役立てていただけたら幸いです。

 

 

 

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