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四国河川ニュース
《四国河川ニュース 9/5(土)〜 9/18(金)》665号
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【2015.9.24発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.300
○「土砂災害被害軽減に向けた取り組み」 香川県 小豆島町長 塩
田 幸 雄
○「効果の見える治水事業」 下条川(小豆島町神浦)の砂防事業 香川県 小豆総合事務所次長 竹
内 正 巳
○今週のニュース
○「防災ヘリコプター(愛らんど号)による上空視察」を実施 (吉野川水系 四国山地砂防事務所)
○「エンツァイ収穫会」を実施 (肱川水系 野村ダム管理所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.300
1.「土砂災害被害軽減に向けた取り組み」 香川県 小豆島町長 塩 田 幸 雄
○小豆島町は、瀬戸内海国立公園に浮かぶ小豆島の中央から東に位置する海と山の美しい自然に恵まれた町です。平成18年3月21日に内海町と池田町が合併して誕生しました。
○日本におけるオリーブ発祥の地、また、壷井栄の小説を基にした映画「二十四の瞳」の舞台として全国的に知られています。オリーブ発祥の地にはオリーブ公園が、「二十四の瞳」の地には再映画化のセットを保存した二十四の瞳映画村があり、多くの観光客で賑わっています。その他にも日本三大渓谷美に数えられる寒霞渓、18世紀頃に始まり、現在も伝承されてきている農村歌舞伎舞台など数多くの観光スポットを有しています。
○小豆島町の産業は、醤油、佃煮、素麺などの食品産業が中心です。大坂城築城からの歴史を有する石材業、豊かな観光資源を生かした観光関連産業やオリーブ製品の製造業も盛んです。
○さて、小豆島は島しょ部特有の急峻な地形で雨にもろく崩れやすい地質を有していることから、これまで何度も大きな台風被害を経験しています。中でも、昭和49年・昭和51年の台風では各所で土砂災害が発生し、それぞれ死者29人、35人の甚大な被害を受けました。
○自然災害は、避けることはできないかもしれませんが、災害が起きたとき、被害を最小限度にすることは可能です。そのためのハード施設の代表的なものが今回、県が整備した砂防施設です。前述の土砂災害以降、小豆島では数多くの砂防施設が整備されましたが、まだ未整備の箇所がありますので今後とも県と協力し、整備を推進していきたいと考えています。
○しかし、砂防施設の建設には一定の費用と期間を要することから小豆島町では、このハード事業に頼るだけではなく、ソフト面の土砂災害警戒区域等の周知や情報伝達体制の整備、避難方法や避難場所の周知などの警戒避難体制の整備を行い、災害の防止や被害の軽減を図っております。
2.「効果の見える治水事業」 下条川(小豆島町神浦)の砂防事業 香川県 小豆総合事務所次長 竹
内 正 巳
【下条川通常砂防事業】
○本渓流は、小豆郡小豆島町神浦に位置し、流域面積0.21km2、平均渓床勾配1/5の土石流危険渓流で、渓床には多量の不安定土砂が堆積しており、今後の大雨により土石流が発生する危険性が高まっていました。
○下流には、約43戸の人家や耕地1.3haに加え、災害時の避難所となる神浦コミュニティセンターや県道三都港平木線、町道等の公共施設も位置していることから、それらを土石流による被害から守る必要があるため、平成21年度より下条川通常砂防事業に着手し、地元関係者の御協力のもと、平成26年度に完成しました。
○また、当事務所においては、住民の生命・財産を守るため、小豆島町と連携し、引き続き砂防施設整備を推進するとともに、土砂災害警戒区域等の周知を行うなど、住民の早めの避難につなげるソフト対策も強化し、ハード・ソフト一体となった土砂災害対策に取り組んでいます。
【事業概要】
○事業期間 平成21年度〜平成26年度
○全体事業費 320百万円
○整備施設 ・えん堤工:1基(堤高8.0m、堤長126.0m)
・渓流保全工:L=120m
○効果量 ・貯砂量:7,090m3 ・捕捉量:2,570m3
今週のニュース
1.「防災ヘリコプター(愛らんど号)による上空視察」を実施 (吉野川水系 四国山地砂防事務所)
○「8月18日、20日、27日」の3日間にわたり、梅雨期後の砂防管内(吉野川上流域、重信川流域、奈半利川流域)の状況変化を把握するとともに、各流域の市町村長・学識者との情報共有を目的として防災ヘリコプター(愛らんど号)による上空視察を実施しました。
○8月18日(火):吉野川上流域(高知県土佐町・本山町・大川村・いの町周辺)、8月20日(木):奈半利川流域(高知県北川村周辺)、8月27日(木):重信川流域(愛媛県東温市周辺)
○搭乗者からの意見としては、●上空から見ると管内の急峻な地形が良く分かった。●平成16年の早明浦豪雨災害から10年以上経過し、災害箇所はだいぶ緑が回復していることが分かったが、整備の必要な箇所はまだまだあり、今後も引き続き対策をお願いしたい。●台風の後など年に数回はヘリ調査などで点検をしていただくと良いと感じた。●小さい崩壊であれば衛星では見られないことが多いので、小さな変化でも把握して欲しい。●現在は位置情報付きカメラがあり情報管理が容易であるため、過去の災害・地形の比較をして今後の事業展開に役立てて欲しい。などがありました。
○常日頃から密に意見交換をさせていただいている関係市町村長・学識者と一緒に、改めて地域の安心・安全について考えることのできる有意義な時間となりました。
○今後もこのような取り組みにより、土砂災害へ備えたいとと思います。
2.「エンツァイ収穫会」を実施 (肱川水系 野村ダム管理所)
○野村ダムでは、アオコ発生に起因する栄養塩類を除去する働きを持つエンツァイ(中国野菜)を平成16年度より毎年ダム湖面に植生(水耕栽培)し、成長させ収穫しています。今年度は、8月5日に苗の植え付けを行い、9月15日に収穫しました。
○収穫会には、地元の西予市や野村高校、下流の住民団体の他、各関係機関にも参加していただき、肱川流域全体でのイベントとなり、管理所の職員も含め約40名と大変賑やかに実施することが出来ました。
○また、収穫作業の後には、参加していただいた方々にエンツァイを使った料理を試食していただいたところ、大変好評を得ました。
○野村ダムでは今後も引き続き、地域の皆様方にご協力をいただきながら、地域と連携したダム管理に努めていく所存です。
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