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四国河川ニュース

《四国河川ニュース 8/22(土)〜 9/4(金)》664号

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2015.9.7発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.299

○「出島川 地震・高潮対策河川事業に期待すること」 徳島県 阿南市長 岩 浅 嘉 仁

○「効果の見える治水事業」 徳島県 出島川 地震・高潮対策河川事業 南部総合県民局 県土整備部 部長 東 村 正 行

 

○今週のニュース

○「ロープワーク体験の流域講座」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「全日本中学生水の作文コンクールの優秀賞受賞者を招き一日事務所長体験」を実施 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

○「住民参加型ワークショップ(第1回)〜土器川における水害に強いまちづくり〜」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.299

 

1.「出島川 地震・高潮対策河川事業に期待すること」 徳島県 阿南市長 岩 浅 嘉 仁

 

○阿南市は、徳島県の南東部に位置する四国最東端の都市で、現在の市域面積は約280km2、人口は約76千人となっており、水辺豊かな那賀川、遍路札所の太龍寺や平等寺、阿波水軍などの伝統、伊島のササユリや蒲生田岬のアカウミガメなど、都会では失われてしまった豊かな自然や歴史文化が今に息づいています。

○太平洋の黒潮と瀬戸内海の海流、那賀川の淡水が交じり合う沖合では、身の締まった良質のハモやアワビが採れ、また、平野部は早場米、中山間部ではスダチやタケノコの産地として有名です。

○また、市内にはLEDトップメーカー本社があり、高品質の高輝度LEDを世界に供給していることから、「光のまち阿南」としてLEDをテーマにしたまちづくりを展開しております。

○本市は、年間を通じて比較的温暖な気候に恵まれ、四季折々の山海の幸に恵まれた豊かな自然と程よく調和した産業都市として発展してまいりました。

○一方で、本市沿岸部においては、南海地震やチリ地震の津波をはじめ、第二室戸台風の高潮など、度重なる甚大な被害を受けてきており、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われてる南海トラフ巨大地震への対策は、喫緊の課題であります。

○特に出島川流域においては、発災時に防災活動の拠点となる那賀川支所をはじめ、防災拠点を相互に連絡する一般国道55号、避難時には、寝泊まりもできる那賀川中学校や科学センターなど、重要な機能を持つ施設が数多くあり、出島川水門の耐震補強工事の完成によって、地震・津波時における地域住民が避難する時間の確保等に大きな役割を果たすものと期待しております。

○最後に、今後も住民の防災意識の高揚を図り、住民の皆様が安心して暮らせるまちづくりを目指し、尽力してまいりますので、関係機関の皆様方におかれましては、引き続き、ご指導ご協力をお願い申し上げます。

 

2.「効果の見える治水事業」 徳島県 出島川 地震・高潮対策河川事業 南部総合県民局 県土整備部 部長 東 村 正 行

 

○出島川は、阿南市那賀川町の中心部を流れ、那賀川に合流する河川延長3.2kmの一級河川です。

○出島川の河口部においては、昭和36年の第二室戸台風級の高潮を計画対象とし、これまでに出島川水門及び排水機場を整備し、高潮被害の軽減に効果を発揮してきました。

○しかし、今後発生が切迫する南海トラフ巨大地震においては、出島川河口部で将来にわたって考えられる最大級の強さである震度7の地震が想定されており、発生した場合には、出島川水門が損傷し、操作に支障を来し、甚大な被害を誘発することが懸念されます。

○このことから、地震発生後、水門の開閉や水密性等の機能を保持するため、平成23年度に地震・高潮対策河川事業に着手し、水門の耐震補強工事を進め、平成273月に完成しました。

○この耐震補強工事の完成により、地域の皆様の安全で安心な暮らしの確保はもとより、迅速な復旧復興や経済社会の重要な機能の維持を図る国土強靱化に大いに寄与するものと考えております。

 

<事業概要>

事 業 名:地震・高潮対策河川事業   事業箇所:出島川水門 

事業期間:平成23年度〜平成26年度   事 業 費:約1億円 

工事概要:水門耐震補強 1  水門操作室軽量化 1式 

 

                         

今週のニュース

    

1.「ロープワーク体験の流域講座」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

95日(土)、三好市池田分館自主防災隊が主催する防災訓練が開催され、消火訓練、負傷者の救護訓練、避難訓練など様々なメニューがある中、徳島河川国道事務所は訓練項目の一つである防災時に必要なロープワーク体験の講師として参加しました。

○参加者全員を前にして、吉野川貞光出張所の松本所長が一つ一つロープワーク工法の実演を行い、参加者の傍らでの実技指導にはその他職員の他、防災に関する専門知識を有する四国地方防災エキスパートの方も参加して講習を行いました。

○ロープワークの基本である「本結び」「ふな結び」「髪くくし」に続き、避難時に役立つ「連続止め結び」や命綱の結び方である「もやい結び」、の5種類の結び方について実技指導を行いました。

○「連続止め結び」や「もやい結び」については多少のコツが必要で、苦労されている方も見受けられました。また、講座終了後には「配布されたロープワークハンドブックを活用して、忘れないうちに復習しておく。」と熱心さが伺える参加者もいらっしゃいました。

○今回の訓練に参加した地元住民の方々約90人のうち、ロープワークコーナーには約50人の参加がありました。この取り組みを機に、住民の方々の防災

への関心が高まり、万一の事態に訓練の経験が活かされればと思っています。

 

2.「全日本中学生水の作文コンクールの優秀賞受賞者を招き一日事務所長体験」を実施 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○那賀川河川事務所は、8月31日(月)に「水の日」及び「水の週間」の行事の一環として次世代を担う中学生を対象とした「全日本中学生水の作文コンクール」で優秀賞を受賞された徳島県阿南市立那賀川中学校3年生の廣 萌瑚(ひろせ もこ)さんを招き、那賀川河川事務所「一日事務所長」を体験して頂きました。

○当日は、一日事務所長の任命式を行ったのち、那賀川河川事務所の災害対策室にて河川管理用カメラ(CCTV)等の防災機器の説明を受けた後、河川パトロール車に乗り那賀川を河川巡視しました。

○また、長安口ダムでは、ダムのゲートを動かす操作室にて操作方法の説明を受けた後、ダム本体のコンクリート内部に入りダムの状態を視察して頂きました。その後、ダム改造事業の工事現場にてコンクリートの打設状況も視察して頂きました。

○一日事務所長を体験した廣さんからは、「水害を防ぐために、様々な努力がされていることがよく分かった」とのご意見を頂きました。

○那賀川河川事務所では、今回の「一日事務所長」体験で頂いたご意見を基に、国土交通省が実施している河川・ダム事業についてご理解を頂ける様な取組みを今後とも実施していきたいと考えています。

 

3.「住民参加型ワークショップ(第1回)〜土器川における水害に強いまちづくり〜」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○8月29日()に、丸亀市民会館において「住民参加型ワークショップ(第1回)[主催:土器川における水害に強いまちづくり検討会]」を開催しました。

○このワークショップは、土器川流域のモデル地区(丸亀市土器町)にお住まいの住民の方(自治会、地域コミュニティ、婦人防火クラブ、病院、地元企業代表者など)及びワークショップ進行役の香川大学危機管理研究センター、香川県防災士会等、49名の方が参加し、大規模水害時における”住民目線のタイムライン”の作成と自助・共助・公助による防災・減災対策の検討を行うものです。

○当日は、参加者の方が5つのテーブルにわかれて、台風接近から堤防決壊直前までの危険性が増大している場面を想定し、土器川における堤防決壊や内水、土砂災害、高潮等をともなうリスク情報等の状況付与に応じて、ロールプレイング形式で、自助・共助や行政への要望等、活発な議論が行われました。

○平成27年度は、合計3回のワークショップの開催を予定しており、引き続き、地域住民及び関係機関等と連携し、水害に強いまちづくりを図っていきたいと考えています。

 

 

 

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