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四国河川ニュース

《四国河川ニュース《5/30(土)〜 6/12(金)》658

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2015.6.15発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.293 

○「効果の見える治水事業」愛媛県 黒瀬ダム堰堤改良事業(愛媛県西条市黒瀬)『黒瀬ダムの改修について』 東予地方局 黒瀬ダム管理事務所長 安永  順 一

 

○今週のニュース

○「平成27年度 土器川水防連絡会幹事会」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)

○「第8回広瀬霞自然観察会」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

○「平成27年度 肱川総合水防演習」を開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

○「平成27年度 富郷ダム・柳瀬ダム・新宮ダム防災操作説明会」の開催 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.293

1.「効果の見える治水事業」愛媛県 黒瀬ダム堰堤改良事業(愛媛県西条市黒瀬)『黒瀬ダムの改修について』 東予地方局 黒瀬ダム管理事務所長 安永  順 一

 

<黒瀬ダムの概要>

○黒瀬ダムが位置する加茂川は、四国山脈の霊峰石鎚山をはじめ、その周辺の笹ヶ峰等の連峰にその源を発し、水の都である西条市内の沖積平野を経て燧灘に注ぎ込む、流域面積191.8km2、流路延長 

40kmの県下有数の二級河川です。

○黒瀬ダムは、加茂川の河口より約13km上流の地点にあって、洪水調節や農業用水などの不特定用水の補給及び工業用水の確保を目的として建設された多目的ダムであり、昭和41年度から工事に着手

し、昭和483月に完成しました。その後、循環型エネルギー開発の一環として、ダムサイト直下にダム水路式発電所が建設され、昭和579月より発電事業も行っています。

○諸 元

・形  式:直線越流型重力式コンクリートダム

・堤頂標高:114.90 m ・堤 体 積:151,000m3 ・堤 高:61.70 m

・堤 頂 長:207.70 m ・総貯水容量:36,000,000m3 ・集水面積:100.6km2

・湛水面積:1.35km2

○洪水調節

・ダム地点における計画高水流量1,350m3/sのうち、510m3/sの洪水調整を行い、840m3/sを放流

 

<事業の必要性・効果>

○当ダムは、竣工後42年が経過し、過去には昭和62年度から平成2年度まで堰堤改良事業を実施し、主に機器類を中心に更新してきました。それから既に25年が経過し、ダムコンピュータやゲート等各種

設備の故障が頻発するようになり、かつ交換部品の入手も困難になってきたため、新たに堰堤改良事業によりダム管理の適正化及び効率化を図り、最適なダム設備へ改良することにより、緊急時におけ 

る万全の体制を整えます。

 

<事業の内容>

・全体事業費:1,558百万円

・事業期間:平成26年度〜平成33年度

・工事概要:ダム管理用制御処理設備改良

       テレメータ及び放流警報設備改良

       非常用電源設備燃料タンク増設・放流設備改良

       CCTV設備改良

 

                          

今週のニュース

    

1.「平成27年度 土器川水防連絡会幹事会」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○平成27年5月27日()に、土器川河川防災ステーション内の丸亀市水防センターにおいて、「平成27年度 土器川水防連絡会幹事会」を開催しました。

○当日は、香川県及び土器川沿川自治体の防災担当者を中心に計15名の出席のもと、今年度の出水期を前に、土器川流域での水防活動が怠りなく実施されるように連絡調整が図られました。

○会議では、担当者より“土器川水防計画書”における洪水予報文の見直しや、重要水防箇所の見直しについての説明や意見交換が行われました。また、来年度開催予定の「土器川総合水防演習」への参 

加協力要請も行いました。

○その後、マイクロバスに移動し直轄管理区間の“重要水防箇所”を巡視確認し、今年度の出水期に向け万全の対応を再確認し全行程を終えました。

 

2.「第8回広瀬霞自然観察会」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○6月5日(金)に、重信川左岸10km付近の広瀬霞において、重信川の自然をはぐくむ会(会長:矢田部龍一愛媛大学教授)の主催で、8回目となる「広瀬霞自然観察会」を開催しました。当日は朝から小雨 

の降る中、周辺住民の方々、重信川の自然をはぐくむ会会員、行政関係者等約70名の参加がありました。

○重信川中流にある広瀬霞(松山市森松町)は昭和40年頃より盛土により湿地環境が喪失し、セイタカアワダチソウなどの外来種が繁茂し、ゴミの不法投棄が増加するなど環境が悪化していました。かつて

の自然豊かな湿地環境を取り戻すため、自然再生事業による工事を平成18年10月から平成20年2月に行い、完成後7年が経過しました。 

○自然観察会では、広瀬霞周辺に湿地性植物や両生類・魚類・底生動物等の重要種を含めて様々な生物が戻ってきている一方で、特定外来種(ブラックバス、ウシガエル)を含む外来種も見られるため、今 

後も適切に維持管理していくことが重要であると報告されました。

○松井宏光松山東雲短期大学名誉教授には広瀬霞周辺に育成するイタドリ、ツルヨシ、葛などの在来植物や、アゾラ、オオキンケイギクなどの特定外来生物について説明していただきました。その後、井上

幹生愛媛大学理学部准教授、畑啓生愛媛大学理学部助教が湿地池に生息する魚類等を捕獲し、ドンコやフナ、シマドジョウなどが生息している反面、特定外来生物であるウシガエルの幼生が捕獲された

ことを報告されました。

○最後に参加者による広瀬霞周辺の除草・清掃を行いました。今後も地域と連携しながら適切な管理に努めたいと考えています。

 

3.「平成27年度 肱川総合水防演習」を開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○5月31日(日)愛媛県大洲市若宮地先の肱川右岸河川敷において、関係機関や一般見学者を含め約2,000人が参加し、平成27年度肱川総合水防演習を開催しました。

○演習は、大規模洪水が発生し堤防からの越水を想定し、国土交通省、愛媛県、肱川流域周辺の関係5市町と各水防(消防)団、警察、陸上自衛隊、日本赤十字社、四国電力、NTT、地元大学・高校・小学

校など45団体から約600人が参加、肱川の洪水被害の防止・軽減、早期復旧のための「水防工法の習得、情報伝達、人命救助、ライフライン復旧、応急医療訓練(トリアージ)、マルチヘリコプターによる

災害現地調査、道路啓開、航路啓開等」の訓練を行いました。

○演習では水防工法の実施に加え、大洲地区広域消防事務組合と大洲市立喜多小学校児童による避難訓練や、河川の中州で逃げ遅れた住民が救助を求めているという想定で、愛媛県警広域緊急援助隊

による孤立者救助訓練、日赤愛媛県支部と市立八幡浜総合病院のDMATチームを中心とする、大規模災害現場におけるトリアージ及び応急医療訓練などを行いました。

また、水防工法の訓練には、水防技術を継承し次世代のリーダーとなっていただけるよう、大洲農業高等学校の生徒にも参加して頂きました。

○演習会場では、防災エキスパートの指導による土のう作りやロープワーク、降雨体験などの体験コーナーを設置し、一般参加者に実際に体感してもらいました。また、2014年ゆるキャラグランプリ第3位に

輝いた愛媛県のゆるキャラ「みきゃん」も会場に姿を見せ、来場した多くの子供たちと一緒に記念撮影を行いました。

○まもなく四国地方も梅雨入りし、出水期を迎えます。今回の総合水防演習を活かし、今後とも関係機関と連携して、防災に万全の備えを行っていきたいと考えています。

 

4.「平成27年度 富郷ダム・柳瀬ダム・新宮ダム防災操作説明会」の開催 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○吉野川ダム統合管理事務所ならびに水資源機構池田総合管理所は、毎年、出水期を迎えるにあたり、ダムからの放流についてご理解をいただくため、銅山川3ダム、防災関連機関、報道機関等を対象と

して、防災操作説明会を開催しており、本年度は6月2日(火)に実施しました。防災操作説明会とは、従来実施していた「ダムの放流警報説明会」のことですが、昨年度より一般の方々の誤解を招かないよ

うに、防災操作説明会と名称を改め実施しているものです。

○当日は、14の関係機関より35名の方々にご出席頂き、銅山川ダム群の洪水調節時のダムの洪水貯留方法、ダム放流時の通知方法及び警報のタイミングについて、約1時間半の説明を行いました。

○放流警報は、夜間・早朝になることもありますが、今後も引き続き、地元住民及び関係機関のご理解とご協力を頂きながら、的確なダム管理、情報提供に務めていきたいと思います。

 

 

 

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          760-8554 高松市サンポート3番33号

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