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四国河川ニュース
《4/18(土)〜 5/1(金)》655号
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【2015.5.7発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.290
○〜安心で快適なまちづくりを目指して〜 高知県 四万十市長 中平 正宏
○「効果の見える治水事業」高知県 砂防単独事業 急傾斜地崩壊対策事業(津波避難路)(津蔵渕地区、井沢地区、竹島地区、鍋島地、上鍋島地区、串江地区) 幡多土木事務所長 大久保
勝富美
○今週のニュース
○「第1回美馬市水辺の楽校春祭りにて ロープワーク体験と野鳥観察会」を行いました (吉野川水系 徳島河川国道事務所)
○「平成27年度重信川・石手川安全利用点検」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.290
1.〜安心で快適なまちづくりを目指して〜 高知県 四万十市長 中平 正宏
○四万十市は、平成17年4月10日(四万十の日)に旧中村市と旧西土佐村が合併して発足し、今年で市制施行10周年の節目の年を迎えました。
○また、昨年度、「夢とビジョンのあるまちづくり」を目指し市の羅針盤となる総合計画の策定や、重要課題である産業を興し雇用の場の創出の具現化を図るための産業振興計画の策定など、官民で共有するこれからの四万十市の方向性を描いていくことに取り組んでまいりました。今後、総合計画の重点プロジェクトの具体の施策・事業の検討と併せ産業振興計画に位置付けた重点事業をもとに、多様な組織・団体と議論を交わしながら、四万十市総合戦略を策定してまいります。
○さて、本市には日本最後の清流として知られる四万十川をはじめとした、山・川・海の自然豊かな地域資源が豊富にあり、毎年多くの観光客が訪れています。また、「四万十川ウルトラマラソン」に代表される自然を舞台としたイベントが数多くあり、
全国各地より多くの参加者でまちが活気付きます。
○四万十川は、本市にとって、多くの自然の恩恵をもたらしてくれる一方、時には大水害を引き起こし、生命を脅かす存在でもありました。四万十市の歴史は、水害との歴史と言っても過言ではありません。このような歴史の中で、利水と治水という点
で、これまで大きな努力を払い、川とかかわってきましたが、昨今、本市における治水事業は、これまでにまして大きく進展しております。特に今年に入りまして、本市の長年の悲願でもありました「不破・角崎地区」の堤防事業が3月末をもって完成
の日を迎えました。この地区は、中心市街地の中で唯一無堤地区でありましたので、過去、度重なる水害に見舞われてきましたが、昨年の台風11号では、四万十川で戦後3番目の水位を記録したにもかかわらず、家屋の浸水は全くありませんで
した。また、この事業では堤防事業と併せ県道等の道路整備も進められ、堤防が形成され始めた平成21年以降、市の人口が減少する中でも、同地区の人口は横ばいを保っており、社会資本の整備が地方創世の観点からもいかに重要かを改め
て認識したところです。
○このように本市の治水事業は大きく進展が図られておりますが、課題も残されています。河口部には無堤地域も残っており、近い将来発生が予想される南海トラフ地震では、津波による甚大な被害も予想されます。国土交通省では、この無堤地域
の解消に向けた取り組みも進めていただいており、市としましては、用地の確保や地元調整に全力で取り組まなければならないと考えています。
○また、高知県でも、急傾斜地崩壊防止施設を活用した津波避難階段の整備なども行っていただいており、継続的な避難訓練などソフト対策の充実を図る必要があります。
○今後も災害に強い安心で快適なまちづくりを目指して、これまで以上に、国・県と連携し治水事業の推進に取り組んでまいります。
2.「効果の見える治水事業」高知県 砂防単独事業 急傾斜地崩壊対策事業(津波避難路)(津蔵渕地区、井沢地区、竹島地区、鍋島地区、上鍋島地区、串江地区) 幡多土木事務所長 大久保
勝富美
<事業の概要>
○高知県沖で発生する南海トラフ地震の発生確率は、今後30年以内に約70%とされています。
○本県にとって、平成23年3月に発生した東日本大震災による深刻な被害は決して他人ごとではありません。県ではこの震災から多くのことを学び、これまでの取り組みをもう一度検証しながら、南海地震対策の加速化と抜本的な強化に取り組んで
います。
○四万十市は、10分〜30分以内と津波の到達時間が早いため、市民の迅速な避難ができるように、急傾斜地崩壊危険区域の指定地内の施設整備済み箇所において、避難階段としても利用できる維持管理用階段を設置しました。新設する階段
は、要介助者に対応するため、二人が並んで階段を上がり避難できるように最低幅を1.5mとし、あわせて老朽化した既設階段の改築も行いました。
○なお、当該階段より上部への避難については、四万十市が避難路や避難広場の整備を予定していることから、迅速な避難が可能となる予定です。
○最後に事業実施にあたりまして、地域住民、関係機関のみなさまにご協力いただき厚くお礼を申し上げます。
今週のニュース
1.「第1回美馬市水辺の楽校春祭りにて ロープワーク体験と野鳥観察会」を行いました (吉野川水系 徳島河川国道事務所)
○平成27年4月19日(日)に美馬市水辺の楽校春祭り実行委員会の主催により、「第1回美馬市水辺の楽校春祭り」が中鳥川公園周辺で開催され、国土交通省 徳島河川国道事務所は、「ロープワーク体験」と「野鳥観察会」を行いました。
○ロープワーク体験には、約40名の参加者に、避難誘導に役立つ「連続止め結び」や人命救助に役立つ「もやい結び」などについて、実際にロープを使って結び方を体験していただきました。
○野鳥観察会は講師に小林 實(こばやし みのる)先生(河川・渓流環境アドバイザー)と、野口 和恵(のぐち かずえ)先生をお招きし、14名の参加者の皆様に野鳥観察の指導を行っていただきました。
○まずは、両先生から野鳥について、野鳥の写真やテープで鳥の鳴き声を聴きながら詳しく説明していただきました。その後、参加者の皆さんと一緒に吉野川沿いへ移動し、双眼鏡やフィールドスコープを使って様々な野鳥を観察しました。
○観察できた鳥の種類は下記のとおりです。
アオサギ、ウグイス、シギの仲間、セグロセキレイ、セッカ、ダイサギ、トビ、ハシブトガラス、ヒバリ、ヒヨドリ、ホオジロ
○当日の早朝は雨が降っていましたが、イベントが行われる時間帯には天候にも恵まれました。今後も多くの方々へ自然観察を通じて吉野川に親しみを持っていただきたいと思っています。
2.「平成27年度重信川・石手川安全利用点検」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○松山河川国道事務所では、4月20日に重信川、石手川、石手川ダムの33箇所の公園及び河川管理施設等を対象に安全利用点検を実施しました。
○従来から河川巡視等で堤防等の点検を実施してきたところですが、今回は、河川に大勢の人が集まるゴールデンウイーク前に、一般の利用者が安心して川に親しむことができるように、公園管理者と河川愛護モニターの協力のもと実施しました。
○公園内については公園管理者が行うこととし、水際、護岸、坂路、階段等を主に点検しました。
○今回の点検により、階段等のひびわれ、河岸が削れやすくなっている箇所、地面の陥没等の補修箇所等が発見されました。これら利用するうえで危険と考えられる箇所については、ゴールデンウイークに入る前までに、河川管理者が立入禁止柵
や注意看板の設置や補修等行います。
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■連絡先■
四国地方整備局 河川部 河川管理課 洪水予測専門官 岡林 福好
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(岡林)mailto:skr-rivers-news@mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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