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四国河川ニュース

2/14(土)〜2/27()652

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2015.3.2発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.287

○「安全・安心のまちづくり」を目指して 徳島県 阿波市長 野 崎 國 勝

○「効果の見える治水事業」 徳島県 野田原谷通常砂防事業 東部県土整備局 <吉野川庁舎> 副局長 柏 尾 達 也

 

○今週のニュース

○「那賀川水源地域ビジョン第1回協議会」を開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

○「平成26年度 大渡ダム貯水池斜面検討委員会」を開催 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.287

 

1.「安全・安心のまちづくり」を目指して 徳島県 阿波市長 野 崎 國 勝

 

○阿波市は讃岐山脈を背に吉野川を望み、水と緑の豊かな自然に恵まれ、温暖な気候と、肥沃な土地を活かした高品質な農畜産物を供給する県下有数の農業地域です。また、国の天然記念物であり世界三大土柱の一

つとされる「阿波の土柱」は、自然の雄大さを満喫できる絶景であり、「阿波土柱の湯」をはじめとした多くの観光施設も人々を癒してくれます。

○阿波市の中北部に位置する市場町日開谷地区には、日開谷川へ流下する野田原谷をはじめとしたいくつかの河川があり、土砂災害警戒区域等に指定された箇所も多くあります。その野田原谷は土石流危険渓流1に指

定されていますが、このたび徳島県の通常砂防事業による管理型砂防堰堤整備が完成したことにより、周辺住民の方の安全性の向上や、避難所への避難路の確保などに高い効果が期待されます。

○阿波市は「安全・安心のまちづくり」を目指しており、その一例に阿波町西林地区の内水被害対策として都市再生整備計画事業を活用した「西林ポンプ場整備」を進めております。また一級河川である吉野川で堤防が未

整備であった阿波市阿波町勝命箇所において、平成24年度から国土交通省直轄事業による築堤工事が進められ、更なる防災・減災対策が進んでいます。

○そして、近い将来に発生が予想されている南海トラフ巨大地震に代表される自然災害が起きた場合には、災害に対応する機能が求められます。その際、災害対策の拠点として市役所庁舎が大きな役割を担いますが、平

成27年1月に供用を開始した阿波市役所新庁舎および交流防災拠点施設アエルワは、免震構造を採用するとともに、中型ヘリコプターが離発着できるヘリポートや近接地に耐震性貯水タンクを設けるなど、災害発生時

に迅速な対応ができる庁舎となっており、災害ボランティアの活動拠点としても活用されます。また併設する阿波市学校給食センターでは市内全ての幼稚園・小学校・中学校へと給食を届けますが、毎時6,000食のおにぎ

りを製造できる設備を有しており、災害発生時には食糧供給施設として活用され、阿波市内外の被災地へ対応が可能です。さらに、津波災害発生時には沿岸地域等に対する「後方支援拠点」として大きく貢献できます。

○今後も引き続き、防災・減災対策の実施や、災害時に応急的な活動が期待できる自主防災組織の設立支援など、安全・安心のまちづくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

○阿波市新庁舎および交流防災拠点施設アエルワ(平成2612月完成、平成271月供用開始)

○誰もが利用しやすいユニバーサルデザインとし、自然採光、自然通風、太陽光発電、雨水利用など自然エネルギーを活用した、市民にも環境にもやさしく、また免震構造や自家発電設備等により災害に強い庁舎となって

います。

 

2.「効果の見える治水事業」 徳島県 野田原谷通常砂防事業 東部県土整備局 <吉野川庁舎> 副局長 柏 尾 達 也

 

<概要>

○阿波市市場町字野田原に位置する野田原谷は、日開谷川を経て一級河川吉野川へ流下する土石流危険渓流1です。当渓流の被害想定区域内には人家15戸のほか、避難所に指定されている市場日開谷体育館への

避難路である県道仁賀木山瀬停車場線や市道西原日開谷線等があります。

○当流域の荒廃は著しく、出水時には渓床堆積物の流下や突発的な山腹崩壊に伴う土石流等により、下流域の人家等に甚大な被害を及ぼす恐れがあるため、早急な対策工の実施が必要となっておりました。

○このため、平成21年度より通常砂防事業による砂防堰堤の整備に着手、平成25年度末に完成したことにより、土石流災害に対する流域の安全度の向上が図られました。

○本県の中山間地域には土石流発生の危険性が高い渓流が多いことから、引き続き要配慮者利用施設や避難路、避難所を保全する箇所の整備に重点的に取り組み、「安全安心・実感とくしま」の実現を目指したいと考え

ております。

<事業内容>

○管理型砂防堰堤:本堰工1基(H=9.0m L=40.7m)

<事業期間>

○平成21年度〜平成25年度

 

今週のニュース

 

1.「那賀川水源地域ビジョン第1回協議会」を開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○2月17日(火)、長安口ダムを含む那賀川流域の自立的・継続的な活性化と、上下流域の連携促進を目指した「那賀川水源地域ビジョン」策定に向けた第1回の協議会を、阿南市文化会館で開催しました。

○「水源地域ビジョン」は、ダム湖周辺を活用した「水源地域活性化のための行動計画」ですが、長安口ダムにおいては、長安口ダム周辺だけに囚われない地域活性化策として、那賀川流域全体を対象とした行動計画を策

定することとしています。

○協議会は、学識者や徳島県、流域内で活動する住民団体の代表、行政機関などからなる16人の委員で構成され、ビジョン策定までの事務局を那賀川河川事務所が担うこととしています。

○また、協議会の下には、ビジョンの基本方針に沿った具体的な施策を検討する下部組織として、作業部会を設けることとし、メンバーには、協議会委員のほか、既存の活動団体などからも広く参加を求めることとしていま

す。

○協議会では、水源地域ビジョンの概要説明を行うとともに、これまでに準備会等で検討してきたビジョンのコンセプト(案)、基本方針(案)について提案し、次のとおり承認されました。

○コンセプトは、「もんてきぃ、よってきぃ、みんなできぃ」〜那賀川全体ではぐくむ地域づくり〜としました。流域に住まう人々の繋がりを深め、更なる流域の活性化を目指すとともに、豊かな自然と人々の暮らしを見つめなお

し、これからも那賀川に住み続けたい、行ってみたいと思えるような計画づくりに対する思いを、地元の方言で表現したものです。

○基本方針は、コンセプトを具体化するものとして、1)流域の環境をはぐくむ、2)伝統文化をつなぐ、3)人との繋がりを深める、4)那賀川の魅力を広める の4項目とし、これらに対して4つの作業部会を設けることとしまし

た。

○今後は、具体の試行活動(イベント)の開催も含めた作業部会を数回行い、平成27年度末には、「那賀川水源地域ビジョン」としてとりまとめ・公表する予定としています。

 

2.「平成26年度 大渡ダム貯水池斜面検討委員会」を開催 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

○ 大渡ダムでは、地すべり箇所の安定性の検証を目的に設置した「大渡ダム貯水池斜面検討委員会」を平成20年度より開催しており、本年度は第7回目となる委員会を217日に高知県民文化ホールにて開催しまし  

た。

○委員会では、平成26年度調査検討結果の報告を行い、今後の監視体制、精査方針及び既設対策工の評価、調査計画等について審議頂いた他、今年度8月の台風12号、11号で記録した大渡ダム地点の総雨量約

1,800mmの降雨で実施した、地すべり動態観測結果及び変動要因分析について審議頂きました。

○次年度以降も審議頂いた結果を基に、調査・観測を実施して行きたいと思います。

 

 

 

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