********************************************************

四国河川ニュース

12/13(土)〜12/26()648

********************************************************

2015.1.5発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.283

○「効果の見える治水事業」福井ダム堰堤改良事業 徳島県 南部総合県民局県土整備部部長 東村 正行

○「効果の見える治水事業」福井川河川整備について 阿南市長 岩浅 嘉仁

 

 

○今週のニュース

○「第1回 吉野川流域生態系ネットワーク検討委員会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「平成26年度重信川夜間パトロール」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.283

 

1.「効果の見える治水事業」福井ダム堰堤改良事業 徳島県 南部総合県民局県土整備部部長 東村 正行

 

<福井ダムの概要>

○福井川は、阿南市と美波町の境に源を発し、阿南市福井町を貫流して橘湾に注ぐ流路延長14km、流域面積33.7km2の二級河川です。

 

○この流域は徳島県においても多雨地域で、台風期以外でも他地域に例をみない豪雨があり、下流では大きな被害が発生していました。また一方では、しばしば干ばつに見舞われ、用水不足を来たしたことから、これらの問題を解決するために、福井ダムが平成7年度に完成しました。

・目   的:洪水調節、流水の正常な機能の維持

・経   過:平成2年3月着工〜平成8年3月竣工

・位   置:阿南市福井町鉦打

・河 川 名:二級河川福井川水系福井川

・諸   元:重力式コンクリートダム、堤高 42.5m、堤体積 74,000m3

        総貯水容量 4,750,000m3

・洪水調節:自然調節方式により、ダム地点における計画高水流量540m3/sのうち470m3/sを調節し、70m3/s(最大100m3/s)を放流

 

<台風12号における洪水調節効果>

○平成26年8月の台風12号による出水では、ダム地点における最大時間雨量が98mm、降り始めからの累計雨量は738mmに達し、ダム完成以降、第3位となる最大流入量244m3/s、第1位となる最大放流量94m3/sを記録する洪水となりましたが、最大流入時に179m3/sを調節し、下流大西地点における最高水位を約1m低減させたと推定されます。

 

<事業の必要性・効果>

○福井ダムは平成7年度の管理開始以降、適宜管理設備の点検や補修などを行い、適正な維持管理を実施してきたところですが、20年を経過し、設備自体の期待寿命も過ぎているため、堰堤改良事業により電源設備・放流設備等の更新及び改良を行い、今後起こりうる事故や故障を未然に防ぎ、ダム管理の適正化及び効率化を図ります。

 事業の概要

 全体事業費 665百万円

 事業期間  平成25年度〜平成30年度

 工事概要  ・ダム管理用制御処理装置改良

          ・テレメータ・放流警報設備改良

          ・受電・非常用電源設備改良

 

○今年度は、ダム管理の信頼性と機能アップに向けた設計を実施し、来年度から本格的な工事に着手する予定です。

 

 

2.「効果の見える治水事業」福井川河川整備について 阿南市長 岩浅 嘉仁

 

<福井川の河川状況>

○阿南市は、徳島県の東部、那賀川(1級河川)の河口に位置しており、東は紀伊水道、南は太平洋に面し、西は太龍寺山(602m)及び、鶴林寺によって四国山系の東端に連なり、人口は7万6千人余で、県南部の産業、経済、文化の中心都市です。

 

○市域は、東西約32km、南北約17kmであり、総面積は279.54km2(平成23年9月現在)で、県内第5位の広さとなっております。

 

○主要な河川は、那賀川、桑野川、福井川があり、これらはいずれも蛇行し山地部では北東ないし北北東に流れ、平野部に出る地点から東に流れています。特に福井川流域は日本有数の多雨地域で、昭和27年3月に観測された1時間の降雨量167mmは日本記録となっておりました。

 

○直近の豪雨としては、平成26年8月2日から4日の台風12号接近により福井川の水位が上昇し、福井川流域230世帯600人に避難指示を発令する事態となり、床上・床下浸水等の被害を受けることとなりましたが、幸い人的被害は免れることができました。これは一重にダム設置による効果及び避難対策等ソフト面での迅速な防災対策効果の現れであると確信しております。

 

○今後も浸水被害の未然防止のためには、大西地区のポンプ場建設により堤内地の内水排除を行い、福井川河川整備計画の改修工事と協働した一体的な効果が発揮され、一日も早く安心・安全に暮らせる住環境整備の構築が図られるよう取り組みたいと考えております。

 

<福井川大西地区排水対策事業の推進>

○福井川水系の古津川は、福井川下流域の福井町湊地区で合流する流路延長1.47km、流域面積1.25km2の準用河川です。流域のうち、山地部が66%を占め、平地部は福井川と山地に囲まれた地形となっており、大雨時には古津川から溢れた雨水が国道55号を越流し大西地区へ流れ込み、家屋の浸水被害や道路冠水が頻発しています。そこで、浸水被害の軽減と生活環境の改善を図るため、雨水排水ポンプ場及び導水路の整備を進めております。

  事業の概要

  事業期間 平成25年度〜平成27年度

  工事概要 ポンプ場建設工事・導水路、排水路工事等

 

 

 

今週のニュース

 

1.「第1回 吉野川流域生態系ネットワーク検討委員会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○平成26年12月24日、徳島河川国道事務所にて、第1回目の吉野川流域生態系ネットワーク検討委員会が開催されました。

 

○委員会は、吉野川流域(徳島県内)において、河川を拠点とした生態系ネットワークの形成を図り、自然からの恵み豊かな地域づくりを進めるために、生態系ネットワーク形成の目標や、多様な主体の協働による具体的な事業展開の方策を検討することを目的としています。

 

○委員会は学識者、NPO・民間、行政の16名の委員で構成され、第1回の委員会では、15名が出席し、委員長に徳島大学の鎌田磨人教授を選んだ後、規約の承認、検討の枠組みの確認、準備会の意見の取りまとめとこれからの進め方について意見を交わしました。

 

○検討はワークショップ形式で行われ、吉野川流域における生態系ネットワークに向けて、守りたい生き物・場所や、想定される利活用プロジェクト、課題等について抽出しました。

 

○主な意見として竹林の管理・利活用、レキ河原や瀬・淵の環境、アユの産卵場、ジンゾク狩りやジンゾクの実態について、汽水域と干潟、水辺の楽校や防災ステーションの利用率の向上等の意見が出されました。

 

○次回は3月に予定しています。

 

 

2.「平成26年度重信川夜間パトロール」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○松山河川国道事務所では、平成26年12月15日(月)午後6時〜8時にかけて、重信川、石手川で不法投棄の多発地を対象に夜間パトロールを実施しました。

 

○重信川、石手川への悪質な不法投棄は後を絶ちません。また、年末には、家の粗大ゴミ等を河川敷に投棄する人が多くいます。これらの不法行為を防止するために、国、市町、警察署の関係機関合同で実施しました。

 

○当日は、河川敷に不法投棄する人もいませんでしたが、関係機関と合同で夜間パトロールを実施することで、共通認識がもてたこと、また、不法投棄をする人への抑止効果になったと思います。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 洪水予測専門官  岡林 福好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(岡林) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

  ────────────────────────────────────────── 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html