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四国河川ニュース

9/20(土)〜10/3()642

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2014.10.6発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.277

○「効果の見える治水事業」愛媛県ボウノヲク川(松山市)砂防事業『土石流から人家を守った砂防堰堤』 中予地方局建設部長 坂本 次男

○「がけ崩れ防災対策事業」と「マッツとヤンマとモブリさん2」〜忽那諸島を舞台に、隠された宝を巡る冒険活劇〜 松山市長 野志 克仁

 

 

○今週のニュース

○「第1回 土器川における水害に強いまちづくり検討部会」を開催しました (土器川水系 香川河川国道事務所)

○「アオコ回収装置による回収実験」を実施 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.277

 

1.「効果の見える治水事業」愛媛県ボウノヲク川(松山市)砂防事業『土石流から人家を守った砂防堰堤』 中予地方局建設部長 坂本 次男

 

・箇所概要

○ボウノヲク川は、県都松山市の沖合い約10kmに位置する忽那(くつな)諸島中島にある渓流で、流域面積0.12km2の小規模な土石流危険渓流です。

 

○本渓流では、土石流災害から人家等を保全するため、国の離島治水荒廃砂防事業により、平成9年に砂防堰堤の整備に着手し、11年に完成しました。

 

○流域の地質は花崗岩が風化した「マサ土」で形成され、斜面では、以前みかん畑として耕作されていましたが、現在は、耕作者の高齢化等のため放棄地が増加しており、土砂流出の危険度が高まっています。

 

・土石流災害の発生状況

○平成26年7月8日未明、松山市中島では、台風8号の影響により梅雨前線が活発化し、時間雨量46mm、24時間雨量133.5mmの豪雨となりボウノヲク川上流で土石流が発生しました。

 

○しかしながら整備された砂防堰堤が捕捉機能を果たし、人家(11戸)等被害軽減に効果を発揮しました。

 

・土砂災害対策の取り組み

○本県では、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、ハード、ソフト両面から、土砂災害対策を推進しており、砂防堰堤等の施設整備にも、重点的・計画的に取り組んでいます。

 

○今後とも、限られた予算の中、土砂災害を未然に防止する施設整備を着実に実施するとともに、土砂災害警戒区域等の指定を推進し、地域住民の安全・安心な暮らしの確保を図っていく予定です。

 

 

2.「がけ崩れ防災対策事業」と「マッツとヤンマとモブリさん2」〜忽那諸島を舞台に、隠された宝を巡る冒険活劇〜 松山市長 野志 克仁

 

○今年の夏は、台風や局地的な豪雨により、全国各地で多くの被害が発生しました。被災された方々に心からのお見舞いと、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

 

○松山市でも、市民の生命・財産を守るために、土砂災害対策は非常に重要な施策と考えています。そのため、比較的小規模な急傾斜地については、「がけ崩れ防災対策事業」として市が工事を実施しています。その対象箇所は市内に541か所あり、平成25年度末で345か所の整備が完了し、整備率は約64%となっています。また、本市の島しょ部であり、今年7月に土石流災害のあった中島地区においても、現在、鐃と野忽那の2箇所で対策工事を実施しており、市民の皆様が安全・安心に暮らせる環境の整備に取り組んでいます。

 

○ところで、その中島は、本市が今年、制作するオリジナルアニメーション第二弾「マッツとヤンマとモブリさん2」の舞台になります。

 

○昨年、公開した第一弾は、道後温泉や松山城など、市街地中心部の主な観光スポットを巡る中で「人のあたたかさとちょうどいい暮らし」を感じてもらう内容で、第17回アジア太平洋広告祭(アドフェスト2014)プロモロータス・ファイナリストや第3回観光映像大賞特別賞、全国広報コンクール広報企画部門入選などのさまざまな賞をいただき、高い評価を得ています。

 

○第二弾は、美しい海や島のある忽那諸島を舞台に繰り広げられる10分程度の冒険活劇で、10月下旬に、前作と同様にWEB上で公開します。

 

○さらに、アニメと連動した謎解きイベントを、11月1日.2日に、アニメの舞台である中島で実施します。両日とも東京・大阪など県内外から約200人の参加を予定しています。

 

○迫力あるアニメの映像と若年層が関心を持ちやすい「体験型エンターテイメント」を組み合わせることで、これまで以上に松山に興味を持ってもらい「いろんなよさが絶妙に程よく混ざりあう、いい、加減な街」松山に「行ってみたい」「住んでみたい」と思っていただければと期待しています。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「第1回 土器川における水害に強いまちづくり検討部会」を開催しました (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○10月1日()に、丸亀市民会館において「第1回 土器川における水害に強いまちづくり検討部会」を開催しました。

 

○近年、全国各地で記録的な大雨等によって堤防決壊を伴う大規模な水災害が発生していることを踏まえ、香川大学危機管理研究センター、香川県防災士会、香川県、関係市町からなる「大規模水災害に適応した対策検討会」を平成25年5月に設立し、水災害に適応した強靱な社会づくりの方向性をまとめた「土器川における大規模水災害に適応した対策検討会とりまとめ書(案)」を作成しました。

 

○今年度はその成果を踏まえ、”水害に強いまちづくり検討会(検討部会)”を新たに設立し、モデル地区における複合災害の時系列シナリオ(土器川堤防決壊、二級河川・支川はん濫、土砂災害、高潮)のもと、「各主体が行う時間軸(平常時〜応急対応時)に応じたアクションプラン」および「モデル地区における大規模水災害に備えたタイムライン(防災行動計画)」の作成を行うこととしています。

 

○今回の検討部会は、香川大学危機管理研究センター、高松地方気象台、香川県、丸亀市(危機管理課、消防本部、建設水道部、産業文化部、健康福祉部、こども未来部等)の職員33名にてワークショップ形式で議論し、水害に強いまちづくりに向けた対策アイデアや課題の抽出を行いました。

 

○今後も関係機関と連携し、土器川流域における防災・減災対策を推進していきます。

 

○詳細につきましては、以下の香川河川国道事務所HPをご覧ください。

     http://www.skr.mlit.go.jp/kagawa/river/daikibosuigai/index.html

 

 

2.「アオコ回収装置による回収実験」を実施 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○野村ダムでは、平成26年10月3日に、ダム湖流域住民及び関係機関の皆様方が共通の課題として認識しているアオコ対策に向けて、既往のアオコ回収装置の適応性を検証し、改良点を整理するため、回収実験を西予市宇和町明間地区(ダム上流5.0km左岸)で実施しました。

 

○当日は、小雨が降っていましたが、利水者、漁協、報道機関など、15名が参加され、取水装置による回収状況、ろ過装置による分離状況を興味深く観察されました。

 

○今回の実験では、以下の3項目を確認しています。

1.ろ過試験:既往及び市販のろ過装置を用いて、取水装置及びろ過装置の適用性を確認

2.取水試験:既往取水装置を用いて形状等の適用性及び移動阻害の可能性を確認

3.センサー試験:自動運転の可能性確認のため、各種センサー試験を用いてアオコ感知精度を確認

 

○実験の結果、取水口は横向きより上向きが回収率が良く、ろ過機はフィルター方式より遠心力を利用したドラム式の方が、アオコと水が分離し易いことが判明しました。また、アオコの検知センサーについても、実用の可能性が高いことを検証できました。

 

○今回の結果を踏まえ、次年度、野村ダムのアオコに適した回収装置の試作品を製作する予定であり、引き続き、四国技術事務所と連携し、自動運転が可能なアオコ回収装置の開発に、取り組んでいきたいと考えています。

 

 

 

 

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