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四国河川ニュース

9/6(土)〜9/19()641

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2014.9.22発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.276

○「効果の見えるダム事業」 『堰堤改良事業 五郷ダム管理設備工事』 香川県 西讃土木事務所長 渡田 修司

○「五郷ダムに期待すること」 観音寺市長 白川 晴司

 

 

○今週のニュース

○「第4回那賀川学識者会議の開催及び那賀川水系河川整備計画(変更素案)の公表」について(那賀川水系 那賀川河川事務所)

○「ロープワーク体験の流域講座」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「土器川で水生生物調査」を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.276

 

1.「効果の見えるダム事業」 『堰堤改良事業 五郷ダム管理設備工事』香川県 西讃土木事務所長 渡田 修司

 

・五郷ダムの概要

1)  的:治水ダム

2)  過:昭和36年着工、昭和40年3月竣工

3)  置:観音寺市 大野原町 有木

4)河川名:二級河川 柞田川水系 前田川

5)  元:重力式コンクリートダム

   高:50.5m 堤体積:81,1503 総貯水容量:2,500千m3 集水面積:12.4km2

 

・事業の必要性・効果

○洪水時の放流操作に必要なダム管理用制御処理設備、テレメータ放流警報設備及び多重無線設備等のダム管理設備については、毎年、定期点検・部分更新等を実施し適正な管理に努めていますが、前回更新時から13年を経過しており、老朽化が進むとともに部品の大半が製造中止(保守終息品)となっていることから、故障時の交換部品の調達が困難となってきています。

 

○洪水時にダム管理機能が停止した場合、安全かつ適切なダム操作が行えない恐れがあり、ダム管理上の影響が懸念されているところです。

 

○そのため、堰堤改良事業によりダム管理設備の改良・更新を行い、放流操作・情報伝達の確実性・信頼性を向上させ、ダム管理の適正化及び効率化を図ります。

 

○今回、平成26年度〜平成28年度の3ヶ年で堰堤改良事業による設備の整備・更新を行うこととしており、今年度は更新機器の設計を、平成27、28年度に更新工事を実施することとしています。

 

・事業の内容

全体事業費:520百万円

事業期間:平成26年度〜平成28年度

工事概要:ダム管理用制御処理設備改良 テレメータ・放流警報設備改良

        放流設備改良

 

 

2.「五郷ダムに期待すること」 観音寺市長 白川 晴司

 

○「五郷ダム」は、源流を阿讃山脈の雲辺寺山とし、観音寺市大野原町五郷・落合において本流の柞田川に合流する柞田川水系前田川(延長3.4km)の中ほどに位置しております。近くには、当市の文化財でもあります石積アーチ式ダムの豊稔池があり、「ゆるぬき」と呼ばれる放水の際には多数の観光客が訪れています。

 

○現在、本流の柞田川の下流地域では、レタス、玉ねぎなどの栽培が盛んに行われていますが、かつては洪水や水不足にたびたび見舞われ、家屋や農作物に甚大な被害を被っていたようです。

 

○昭和20年10月8日の台風により人家への浸水が2,700戸、田畑の冠水が 約1,000ヘクタールにおよび、公共土木の被害額が1億2千万円にのぼったと記録されています。

 

○こういった被害から香川県が下流地域を守るべく昭和36年、治水を目的として五郷ダムの建設に着手し、昭和40年3月に完成しました。このダムは、下流地域のかんがい面積約1,200ヘクタールの干ばつを防除する水量約185万立方メートルをも確保しており、治水と耐渇水の両面をカバーするダムとなっており、下流地域の発展に大きく寄与してまいりました。

 

○しかし、災害の年といわれる平成16年には非常に多数の台風が上陸し、当該地区においても、尊い命を失うという痛ましい被害を受けました。今後こういった被害を出さないためにも、今回、香川県が実施する「堰堤改良事業 五郷ダム管理設備工事」により、より一層の安全な洪水調整を図っていただけるものと期待しているところです。また、施設の充実に加えて当市においても避難体制を強化してまいりたいと考えています。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「第4回那賀川学識者会議の開催及び那賀川水系河川整備計画(変更素案)の公表」について(那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○国土交通省四国地方整備局及び徳島県では、平成19年6月に「那賀川水系河川整備計画」(以下「整備計画」という)を策定し、鋭意、河川整備を進めています。

 

○本年1月31日には「第3回那賀川学識者会議(以下、第3回会議という)」を開催し、地震・津波対策等について整備計画の変更が必要とのご意見をいただき、変更に向けた検討を進めてきました。

 

○一方、本年8月の台風11号洪水では、基準地点古庄観測所において整備計画の目標流量である戦後最大規模の9,000m3/sを上回る9,500m3/s(速報値)の流量が確認され、広範囲にわたる深刻な浸水被害も発生しました。

 

○このため、台風11号の洪水規模や被害の状況を踏まえた整備計画の再点検を行うとともに、今後の進め方についてご意見を伺うため、9月29日に「第4回那賀川学識者会議(以下、第4回会議という)」を開催しました。

 

○第4回会議では、第3回会議及び台風11号洪水の概要や課題の報告と合わせて、整備計画の今後の進め方を説明させていただき、学識者からのご意見を伺いました。

 

○第4回会議で頂いたご意見は、以下の通りです。

 ・第3回会議における課題の早期解決のため、地震・津波対策の追加、宮ヶ谷川改修方式変更に係る整備計画の部分変更の先行実施を了承。

 ・台風11号洪水対応への調査・分析を並行して行い、整備計画変更も視野に入れた対応方針の検討を行っていくことも了承。

 ・対応方針の検討にあたっては、委員の意見を聴きながら進めてほしい。

 ・委員の理解を深めていくためにも、現地視察を計画してほしい。

 

○これらのご意見を踏まえ、第3回会議での課題の早期解消を図るため、地震・津波対策の追加及び宮ヶ谷川改修方式の変更を主な内容とした、「那賀川水系河川整備計画(変更素案)」を作成し、10月7日に公表しました。

 

○今後は、10月8日〜11月7日の間でパブリックコメントによる変更素案への幅広なご意見をいただきながら、検討を進めていきます。

 

○詳細につきましては、以下の「那賀川系河川整備計画」のHPをご覧ください。

http://www.skr.mlit.go.jp/nakagawa/seibikeikaku/top/index.html

 

 

 

2.「ロープワーク体験の流域講座」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○9月6日(土)、三好市池田分館自主防災隊が主催する防災訓練があり、訓練項目の一つである防災時に必要なロープワーク体験の講師として参加しました。

 

○実技指導には防災に関する専門知識を有する四国地方防災エキスパートも参加し、避難時に役立つ「連続止め結び」や命綱の結び方である「もやい結び」をはじめ、「本結び」「ふな結び」「髪くくし」以上5種類の結び方について、体験する方々の間近で、それぞれの結び方について実演指導しました。

 

○今回の訓練に参加した地元住民の方々約100人のうち、ロープワークコーナーには72人の参加がありました。この取り組みを機に、住民の方々の防災への関心が高まり、万一の事態に訓練の経験が活かされれば良いと思っています。

 

 

 

3.「土器川で水生生物調査」を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○7月30日()に、土器川において「水生生物による水質の簡易調査」を丸亀大橋、祓川橋、長炭橋の3地点で実施しました。

 

○この調査は毎年、香川河川国道事務所と四国技術事務所が7月の河川愛護月間行事として実施しており、今年で31回目を迎えることとなります。   

 

○当日は、高温注意報が発令された猛暑だったにもかかわらず、小学生や保護者約60名の方々が調査に参加してくれました。

 

○参加者はテキストを片手に採取した生物の分類や数を真剣に記録していました。子供達からは「こんなにたくさんの生物が川底の石にいるとは知らなかった」、「全く知らない生物を観察できて面白かった」などの感想が聞かれ、土器川に興味をもってもらう一助になったのではないかと思います。

 

○調査結果は、丸亀大橋地点が「きれいな水」、祓川橋地点と長炭橋地点が「ややきれいな水」と判定されました。

 

○今後とも、地域の方々と協力して、土器川の環境保全に努めていきたいと考えています。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 洪水予測専門官  岡林 福好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(岡林) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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