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四国河川ニュース

7/26(土)〜8/8()638

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2014.8.11発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.273

○「効果の見える治水事業」愛媛県 藤原(ふじわら)海岸 津波・高潮危機管理対策緊急事業『藤原海岸−津波・高潮に強い海岸づくり』 東予地方局四国中央土木事務所長 清家 伸二

○「四国中央市の浸水対策への取組み」 四国中央市長 篠原 実

 

 

○今週のニュース

○「2014吉野川フェスティバル」が開催されました 〜川と親しみ、川の魅力を語り、川と遊ぶための3日間〜  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「水生生物で河川の水質」を調べました (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「平成26年度水質事故情報伝達訓練・水質事故対応講習会」を開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

○「河川水難事故防止啓発活動」(子供達への出前講座)を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所)

○「平成26年度 美しい山河 図画展の表彰式」を開催 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

○「森と湖に親しむ旬間 大渡ダム1日所長体験」を実施  (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.273

 

1.「効果の見える治水事業」愛媛県 藤原(ふじわら)海岸 津波・高潮危機管理対策緊急事業『藤原海岸−津波・高潮に強い海岸づくり』 東予地方局四国中央土木事務所長 清家 伸二

 

・事業の概要

○藤原海岸は、愛媛県の東端(四国の中央)にある四国中央市の西部(旧土居町)に位置し、二級河川の関川と桧木川の間にある延長1,450mの海岸で、背後は主要地方道壬生川・新居浜・野田線が通過しています。

 

○また、当海岸は、2つの河川により干潟が形成され、背後には平坦地が広がっていることから、自然環境と地域住民の生活やレクレーション活動が共存している地域でもあります。

 

○当該海岸については、高潮による被害から人家や県道等を守るため、昭和30年代から堤防や樋門等の海岸保全施設が順次整備されてきました。しかし、近年は、施設の老朽化の進行が著しく、堤防は経年変化などによるクラック等が発生し、樋門についても開閉操作に支障をきたしている状況であり、津波や高潮時に背後の人命や資産に多大な影響を及ぼす可能性があるため、かねてから地元の強い改修要望がよせられていました。

 

○このため平成23〜24年度に津波・高潮危機管理対策緊急事業で老朽化の著しい区間258mの既設堤防の補強と樋門3基の改修(電動化)を行い、背後地の安全度の向上を図りました。

工事概要は次のとおりです。

 

【事業概要】

事業期間 H23〜24

工事内容

 樋門改修(電動化)3基

 堤防破堤防止258m

 

 

2.「四国中央市の浸水対策への取組み」 四国中央市長 篠原 実

 

○四国中央市は愛媛県の東端部に位置し、東は香川県に面し、南東は徳島県、更に南は四国山地を境に高知県と四県が接する地域となっています。地形を見ると、東西に約25kmの海岸線が続き、その南には比較的幅の狭い市街地が形成され、その南側には急峻な法皇山脈から四国山地へ続く山間部を擁しています。気候は、燧灘に面した平野部は、瀬戸内海特有の温暖寡雨で、年間平均降雨量は約1,500mm、年間平均気温は16.0℃と気象条件に恵まれています。

 

○しかしながら、平成16年に相次いだ台風の集中豪雨や平成25年の台風17号により、市内各所で家屋などの浸水被害が発生しました。また、近年頻発するゲリラ豪雨や都市化の進展によるピーク流出量の増加にどのように対応していくかが緊急の課題であります。

 

○四国中央市では、平成16年の台風による被災状況の調査と分析を行い、「四国中央市浸水対策基本計画」を策定し、浸水被害の防止、軽減に努めています。具体的な取組みとしては、「宮川ポンプ場」「東宮ポンプ場」をはじめとする低地における雨水排水ポンプ施設や、「川岸雨水調整池」など河川の流出抑制施設の建設を進めています。また、局所的な対策として、雨水排水用マンホールポンプや仮設ポンプの設置など、早期に実現可能な浸水対策も進めています。

 

○こうした取組みの成果により、平成16年の台風と同じクラスの雨量を記録した平成25年の台風17号を比較すると、浸水被害は軽減していますが、今なお浸水被害が発生しています。

 

○今後の対策として、水害に強いまちづくりを進めていくためにも、長期的な視野に立った下水道幹線やポンプ施設など、抜本的な整備計画を着実に推進していくことが重要であると考えています。その一方で、これらの雨水排水施設の整備には長期間にわたって膨大な費用が必要になることから、浸水対策を進めるには、住民の理解を得ることが不可欠であり、情報の共有化を図りながら、住民と一丸となって取り組んでいきたいと考えています。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「2014吉野川フェスティバル」が開催されました 〜川と親しみ、川の魅力を語り、川と遊ぶための3日間〜  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○7月25日(金)〜7月27日(日)にかけて、吉野川グラウンド(吉野川橋南岸河川敷広場)にて、「川と親しみ、川の魅力を語り、川と遊ぶための3日間」をテーマとした2014吉野川フェスティバルが開催されました。

 

○今年で26回目となる吉野川フェスティバルは、地元NPOや行政機関からなる吉野川フェスティバル実行委員会が中心となり毎年夏に開催しています。開催期間中はライブやダンス、花火、阿波踊り、吉野川の川めぐりなど魅力いっぱいのイベントが繰り広げられ、多くの来場者で賑わいました。

 

○当事務所のブースでは、「建設機械と遊ぼう」と題し、日頃国道の維持管理に使用している建設機械のPRとして、トンネル点検車の搭乗体験をしていただきました。また、吉野川の水について知識を深めていただく目的で、利き水体験を盛り込んだ「吉野川の水クイズ」コーナーも併設しました。

「建設機械と遊ぼう」には約360人、「吉野川の水クイズ」には約100人の方々が訪れ、当事務所の河川・道路事業に関わる体験をしていただきました。

 

○26日(土)7:00から、「ゴミゼロのエコイベント」を目指して吉野川クリーンアップ大作戦が実施され、フェスティバル会場内はもとより、会場外まで足を伸ばして熱心に清掃活動を行いました。ゴミ収集箇所ではエコイベントの名に恥じぬよう、資源ゴミの分別に取り組みました。清掃の結果、3.23m3のゴミが集まりました。

 

○また同日の夕方に「三大河川のお国自慢対決」が行われました。3大暴れ川である利根川・筑後川・吉野川が2012年9月に兄弟縁組を正式に締結して以来、積極的に相互交流を実施しています。それぞれの川に関するお国自慢話の後は阿波踊りも披露され、会場は大盛り上がりでした。これからもこういった交流の機会を大切にして、お互いの魅力を高め合えればと思います。

 

○開催3日間をとおして、ご来場いただいた方々からたくさんの笑顔を拝見することができました。皆様と一緒に美しい吉野川を大切にして、これからも魅力いっぱいの吉野川フェスティバルを盛り上げていきましょう。

 

 

2.「水生生物で河川の水質」を調べました (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○川の水質の良し悪しは、川底にすんでいる小さな昆虫を調べることによって知ることができます。

水生生物調査では、指標生物となる29種類の水生昆虫を調査し、水の汚れの程度を簡易的に判定します。

 

○講師として河川・渓流環境アドバイザーの徳山豊先生に指導していただき、7月17日(木)に三庄小学校の児童23名(先生2名)と角の浦大橋上流の河原で、7月29日(火)には西麻植小学校の児童8名(先生1名)と学島橋下流の河原で調査を実施し水質の状況を確認しました。

 

○参加者は、川の中の大小様々な石を持ち上げて、水生生物を採取しました。調査結果はカワゲラ類、ヒラタカゲロウ類、ナガレトビケラ類など「きれいな水」にすむ生きものが多く確認できました。

また、あわせてパックテストによる簡易水質調査を行い、pHCODDONH4-Nの値を調べました。この調査でも、きれいな水であることが確認できました。

 

○今回の水生生物による簡易調査を体験し、「他にもいろいろな生きものを見てみたい」「これからは、魚も捕ってみたい」などの意見がありました。

 

○今回見つけた生物たちがこれからもすみ続けられるように、みんなで河川を大切にしていきましょう。

 

 

3.「平成26年度水質事故情報伝達訓練・水質事故対応講習会」を開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○水質事故における被害をできる限り抑制するためには、各関係機関との速やかな情報伝達、油等の適切で速やかな処理が必要です。

 

○肱川水系水質汚濁防止連絡協議会(略式:水濁協)では、平成26年7月9日(水)に「平成26年度 水質事故情報伝達訓練」を開催しました。

 

○水質事故情報伝達訓練は、肱川流域を管理者毎に11ブロックに分け、各ブロック毎に油流出事故発生を想定し、各管理者が連絡系統図に則り、30分毎に情報入力した様式をメール配信後、電話により受信者及び受信時間を確認するようにしました。連絡系統の末端まで約30分という完了時間が確認できました。

 

○また、平成26年7月31日(木)に水濁協による「平成26年度 水質事故対応講習会」を開催しました。この講習会は、肱川流域では初めての試みです。

 

○水質事故対応講習会では、肱川橋右岸直下において、講師の方によるオイルフェンス、吸着マット及び油処理剤を用いての水質事故対応の模範指導を見学しました。

 

○肱川流域の市、町並びに国、県の職員58名、工事業者等11名、計69名が水質事故対応講習会に参加しました。

 

○暑さ厳しいなかでの講習会でしたが、多くの方にご参加いただき、参加者からは『流出した油はまず、単価の安い繊維系マットでおおまかに吸着し、仕上げに吸着力の強い活性炭系マットで薄い油膜を吸着する等、吸着マットを使い分けすることがよくわかり、勉強になりました。』と感想をいただきました。

 

 

4.「河川水難事故防止啓発活動」(子供達への出前講座)を実施  (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○河川愛護月間期間中の「河川水難事故防止週間」の取り組みの一つとして、7月17日(木)に丸亀市立垂水(たるみ)小学校にて、香川河川国道事務所と香川県の共催で、水難事故を未然に防ぐために児童たち(4年生約70名)への出前講座を行いました。

 

○本講座は平成21年度から開催しており、土器川流域の小学生を対象とし開催したのは今回で6回目となりました。

 

○出前講座の講師は、元福山平成大学 福祉健康学部 健康スポーツ科学科長の小谷寛二(こたにかんじ)先生にお願いしました。

 

○最初に体育館にて、小谷先生による講義で、川の恐ろしさや水難事故に関する注意点、また水難事故に遭った時の対処方法などを学習した後、スローバッグ(水難事故発生時の救助用ロープ)の使用方法などを学びました。

 

○続いてプールに移動した後、児童たちはペットボトル、衣服、ズボン、スーパーのナイロン袋などを「浮き」の代わりにした対処方法や、スローバッグを使った救助方法などの練習をしました。

 

○プールでは、排水ポンプ車を使って増水時の川の流れを再現し実施したので、実際の川の流れが模擬的に体験でき、児童たちも大変満足している様子でした。

 

○今後も引続き、地域の人々が川で水難事故に遭わないよう、このような取り組みを通じて「水難事故防止」に取り組んで行きたいと思います。

 

 

5.「平成26年度 美しい山河 図画展の表彰式」を開催(吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○吉野川ダム統合管理事務所では、「森と湖に親しむ旬間イベント」の一環として、吉野川沿いの小学校の児童を対象に「よりよい吉野川・銅山川」をテーマにした「美しい山河」図画展の図画を募集しました。

 

○その結果、高知県内の大川小学校、吉野小学校、本山小学校の3小学校から143作品の応募があり、その内の優秀作6点、入選作12点、佳作25点の計43作品が入賞作品に選ばれました。

 

○また、7月25日(金)には、早明浦ダム・高知分水管理所ふれあいホールにおいて入賞作品の表彰式を受賞者34名の参加により開催しました。表彰式では真っ黒に日焼けした児童が連日の猛暑にも負けない元気な挨拶と共に演台の前に立ち、若干緊張した面持ちで表彰状を受け取りました。

 

○小学校毎の記念撮影後、希望された児童・父兄に早明浦ダムの堤内を見学して貰いました。普段は入ることの出来ないダムの堤内に入った児童達は、天然のクーラーである堤内の涼しさや発電放流管を流れる水の音の迫力に驚きの声をあげていました。

 

○こうした取り組みを通じて、森や湖に今まで以上に関心を持って貰うと共に、ダムの役割・必要性や水の大切さについても知って貰えたのではないかと思っています。

 

○作品の展示につきましては、8月1日まで早明浦ダムふれあいホール、8月5日から8月17日までは大川村山村開発センター、8月19日から8月22日までは本山町プラチナセンターで展示を予定しています。

 

 

6.「森と湖に親しむ旬間 大渡ダム1日所長体験」を実施  (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

○大渡ダム管理所では、「森と湖に親しむ旬間(7月21日〜31日)」に合わせて、7月31日(木)に仁淀川町内の池川小学校、長者小学校の小学校6年生6名(男子4名、女子2名)を招き「大渡ダム一日所長体験」を開催しました。

 

○参加児童には一日所長として、ゲートなどの機械設備点検、堤体内の漏水量調査、貯水池の巡視による施設点検などを体験してもらいました。

 

○ダム操作室では、放流時の操作方法、気象情報等の収集方法、ダム下流の河川利用者の確認方法等を体験してもらいました。操作室ではバルブ放流中であったことから児童達は放流の水の勢いに驚いていました。またクレストゲートの疑似操作体験では、緊張しながらゲートの開閉操作を行ってもらいました。

 

○次に、ダムの堤体内に入り、漏水量調査、ゲートなどの機械設備点検を行ってもらいましたが、ゲート設備の大きさや急勾配の階段など、普段の生活にはない構造やスケール感に驚いていました。

 

○最後に、大渡ダムの巡視船に乗船し、ダム貯水池内の巡視を行い異常がないかの確認をしてもらいましたが、生徒たちは、巡視船に乗れたことが楽しかったようで笑顔の中で真剣に巡視を行ってもらいました。

 

○「一日所長」を体験した児童6人からは、「勉強になった。」、「楽しかった。」と言う感想をいただき好評でした。

 

○また、大渡ダムでは、随時見学希望を受け付けています。興味のある方はぜひ大渡ダムにお越しください!

 

 

 

 

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