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四国河川ニュース

7/12(土)〜7/25()637

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2014.7.28発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.272

○「効果の見える治水事業」 香川県 弘田川(多度津町)の治水事業 「弘田川広域河川改修事業」 香川県中讃土木事務所長 樋口 晋

○「住民共助で災害に強いまちづくりへ」 香川県多度津町長 丸尾 幸雄

 

 

○今週のニュース

○「那賀川、桑野川の河川一斉清掃」の実施 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

○「土器川一斉清掃」 (土器川水系 香川河川国道事務所)

○「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

○「クリーン肱川 絵画コンクール」を開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

○「第16回 われらDOKIDOKI土器川体験隊」 (土器川水系 香川河川国道事務所)

○「仁淀川親子ふれあいバスツアーで大渡ダム見学会」の実施 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.272

 

1.「効果の見える治水事業」 香川県 弘田川(多度津町)の治水事業 「弘田川広域河川改修事業」 香川県中讃土木事務所長 樋口 晋

 

○弘田川は、香川県中讃地域に位置しており、その源を善通寺市大麻町の大麻山(おおさやま)に発し、善通寺市弘田町、仲多度郡多度津町において支川を束ねながら北へ流下し、瀬戸内海に注ぐ流路延長約7.5km、流域面積約34km2の二級河川です。

 

○その流域は、善通寺市、多度津町にまたがり、中讃地域における社会、経済の基盤をなしています。川沿いに形成された平地は水田として広く利用されているほか、中流域では住家が連たんし、大型商業施設が立地するなど、市街化が進んでいます。

 

○本河川においては、昭和44年より中小河川改修事業として河口から水月橋(みずつきばし)に至る約1.7km間の引堤や掘削による河積の拡大ならびに護岸の整備を実施しており、現在に至っています。

 

○これまでに弘田川は、流下能力不足のため、度々台風などの大雨によって氾濫を繰り返し、浸水被害が発生してきました。特に香川県全域に甚大な浸水被害をもたらした平成16年台風23号による出水では、弘田川沿川の多度津町などにおいて約69万m2の浸水被害が発生しました。

 

○こうしたことから、年超過確率1/30の規模の洪水を安全に流下させることを目標として、平成22年度に水月橋(みずつきばし)から山階橋(やましなばし)までの約0.6km間の改修に着手し、現在、用地買収を進めながら、掘削、築堤、護岸整備、狭窄した橋梁等大規模構造物の改築を行っています。

 

○近年では、平成23年度に度重なる台風による洪水が発生しましたが、改修済区間においては、目立った浸水被害が無く、これまでの改修により、治水効果が最大限に発現されています。治水安全度の更なる向上を目指し、引き続き、広域河川改修事業として、築堤や河道拡幅等の改修工事を行います。

 

○今後とも、流域の県民の安全・安心の確保を目指して、関係機関と連携し、地元住民のご理解ご協力を得ながら、治水事業を推進してまいります。

 

 

2.「住民共助で災害に強いまちづくりへ」 香川県多度津町長 丸尾 幸雄

 

○多度津町は、香川県の中北部に位置し、南は讃岐平野、北は風光明媚な瀬戸内海国立公園に接しており、海上部の高見島、佐柳島を含め、総面積24.34km2で、人口23,800人の町であります。古くから海上・陸上交通の要所として栄え、明治に入り、四国最初の鉄道が開通したことで、鉄道と港の利点を生かした陸海交通の要衝として発展し、現在もJR四国の予讃線と土讃線の分岐点として多度津駅は、重要な役割を果たしています。また、多度津港周辺は、昭和49年に190万m2の臨海土地造成事業を行い、現在は約50社の企業を誘致し、近代工業都市へと変貌しています。

 

○町制施行は明治23年2月15日に多度津村と新町村を併せて誕生。昭和17年に豊原村、昭和29年に四箇村と白方村と合併し、昭和31年に高見島村・佐柳島村を合併し現在に至っております。

 

○現在、町としての様々な重点施策の内、防災対策については最重要課題に位置づけ「災害に強いまちづくり」を目指しております。町内には中心部を流れる桜川、西部には背後に豊かな農地や畑地が形成されている中を弘田川が流れており、普段は穏やかな流れですが、台風やゲリラ豪雨時には、ガラリと様相を変えます。昭和58年(台風10号)では、町の3分の1が冠水し、弘田川沿岸部に甚大な被害をもたらしました。以後改修事業も順調に進んでいますが、計画区間の早期完成を願うものです。

 

○多度津町では、「災害に強く住民同士が協力して災害から身を守る強いまちづくり」を進めるため、津波ハザードマップや土砂災害ハザードマップ、洪水ハザードマップなどを作成して住民の防災意識の向上を図るため、「自主防災組織」の設立・加入の推進をしていくとともに、防災資機材についても引き続き助成を実施してまいります。

 

○これからも、災害時の対応について、各種団体との応援協定や近隣市町、香川県と協力して「災害に強いまちづくり」に努めてまいりたいと考えております。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「那賀川、桑野川の河川一斉清掃」の実施 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○国土交通省では、河川愛護の意識が広く国民の間で熟成されることを目的として、毎年7月を「河川愛護月間」として定めています。

 

○那賀川河川事務所では、河川愛護月間中の7月6日(日)に那賀川・桑野川の一斉清掃を実施しました。地元の自治会、企業、アドプトネットワーク那賀川の参加団体など28団体、約1,500名が参加し、堤防や河川敷においてペットボトルや空き缶など15m3(軽トラック7台分)のゴミを回収しました。

 

○今後とも河川の安全で適正な利用、管理を推進し、地域住民、市民団体と関係行政機関等とともに那賀川、桑野川の良好な河川環境の保全を推進していきます。

 

 

2.「土器川一斉清掃」 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○7月6日(日)に、土器川沿川の住民のご協力を得て、土器川の一斉清掃(27回目)を行いました。

 

○土器川一斉清掃は、河川愛護月間の行事として、沿川の丸亀市、まんのう町との共催で開催しており、土器川で河川利用の特に多い箇所8会場を中心にゴミ拾いなどの清掃を行いました。

 

○当日は、朝早くから会場周辺の自治会の方や河川利用者など、約2,800名の方が参加し、約1.6トンのゴミが分別収集されました。

 

○土器川でのゴミの量を数年前と比較すると、減少傾向であり、日頃から各公園等を利用される地域の皆さんの地道な取り組みの結果が表れているものと思っております。

 

○また、ゴミを拾ってきれいになった土器川生物公園では、清掃活動後に、丸亀市主催で”川の日に「土器川生物公園」で自然と遊ぼう!”が開催され、大勢の子供達が七夕飾りの製作やネイチャーゲーム、魚のつかみ取りなどを行ない、楽しい「川の日」となりました。

 

○土器川では、「リフレッシュ香の川パートナーシップ」など、ボランティアによる協力のもと清掃活動も継続的に実施されていますが、ゴミ等はまだまだ多く見られます。今回の一斉清掃などの行事を通して、地域の皆さん一人一人が「ゴミを捨てない」「捨てさせない」ことがより実践され、「ゴミのないきれいな土器川」になることを期待しています。

 

 

3.「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○7月5日(土)に、「重信川の自然をはぐくむ会」(代表:愛媛大学 矢田部龍一教授)の主催による16回目の「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)が行われました。

 

○「重信川クリーン大作戦」は、平成17年から開始され、下流左岸【松前町】(重信川河口)、中流右岸【松山市】(重信橋周辺)、上流左岸【東温市】(拝志大橋周辺)の3箇所で年に2回実施されています。

 

○今回、愛媛県立伊予農業高校と松山市立南第二中学校ソフトテニス部の生徒など、地域住民や企業・行政関係者などで約460名の参加がありました。

 

○ゴミは「可燃」「不燃」に分別され、合計約250袋を収集しました。その他に、「粗大ゴミ」として古タイヤ・椅子・ドラム缶等の不法投棄もありました。

 

○また、下流右岸【松山市】では、地域住民らでつくる「今出ヶ浜潮騒を守る会」の呼びかけにより、約550名で清掃活動が行われていました。

 

○清掃後は周辺がゴミひとつないきれいな重信川になりました。ゴミを捨てない、ゴミがあれば拾う精神を一人一人が実行し、ゴミのない重信川の河川環境が引き継がれていくことを願っています。

 

 ※「重信川の自然をはぐくむ会」:環境悪化が進む重信川の保全・再生を目指し、地域の大学、学生、NPO、行政の協力・連携を図るため平成15年1月に設立された団体。

現在11のNPO等団体で活動。

 

 

4.「クリーン肱川 絵画コンクール」を開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○今年も7月の河川愛護月間における行事の一つとして、「平成26年度 クリーン肱川 絵画コンクール」を開催しました。

 

○これは、大洲市内における小学4、5年生を対象に昭和63年度から行っているもので、4年生は「川の思い出」、5年生は「未来の川」というテーマで絵画を募集したところ、大洲市内の全ての小学校(15校)から、計590点の応募がありました。

 

○厳正な審査により入賞作50点を選定し、そのうち大賞(2点)及び金賞(8点)の受賞者については、7月1日(火)に大洲河川国道事務所において授賞式を開催しました。

 

○また、入選作50点については、大洲河川国道事務所玄関ロビー(7月1日〜11日)及び、アクトピア大洲(7月12日〜25日)において展示を行います。

 

○「肱川」を題材とした絵画を描いてもらうことにより、多くの子ども達に今まで以上に「肱川」に親しんでもらい、河川愛護の気持ちを持っていただくことを願っています。

 

 

5.「第16回 われらDOKIDOKI土器川体験隊」 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○7月5日(土)に、丸亀市の土器川左岸の川西親水護岸周辺(高速道路橋下周辺)において、「われらDOKIDOKI土器川体験隊」を開催しました。

 

○本体験隊は、河川愛護月間の行事として地域(丸亀市、土器川生物研究会、丸亀市淡水漁業組合、香川県など)との協働で開催しているものです。このようなイベントを通じて、地域の子供達が「土器川」に関心を持ち、ふるさとの川として大切にする気持ちを養ってもらえることを期待しているもので、今年16回目を迎え、地域に定着したものとなりつつあります。

 

○当日は、丸亀市内の小学生や園児とその家族など約140名が参加し、河川清掃、水生生物調査、災害対策車両等の試乗、土器川管内事業概要等のパネルや生きた魚の展示コーナー、ワキンやフナなどの稚魚の放流、魚のつかみ取り、川遊びなどのさまざまなメニューを体験しました。

 

○子供たちは、会場で展示していた水槽の中の生物をのぞき込んだり、自らが稚魚を放流したり、自らが採取した水生生物を観察したりして、笑顔で楽しく熱心に川のことについて学んでもらいました。

 

 

6.仁淀川親子ふれあいバスツアーで大渡ダム見学会の実施 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

○毎年、仁淀川流域の7市町村(仁淀川町、越知町、佐川町、日高村、いの町、土佐市、高知市)から構成される仁淀川流域交流会議及び仁淀川漁業協同組合が主体となって「仁淀川親子ふれあいバスツアー」が開催されています。当バスツアーは、川と人とのふれあいを通じて、河川浄化の必要性、自然保護の大切さをアピールし、仁淀川への関心を深めることを目的としています。

また、当バスツアーの一環として、大渡ダムの役割、理解を深めていただくためのダム見学が組み入れられています。

 

○今年のバスツアーは、7月6日(日)に開催され、当日は約130名の親子がダム見学に訪れました。

 

○ダム見学は3班に分かれて実施し、ダムができるまでの様子やダムの働きに関するビデオ鑑賞や、ダム操作室でのゲート等の操作装置の説明を行いました。操作室の窓越しからダム堤体を見下ろすと、ダムの迫力に圧倒される声が上がり、流木止め、選択取水設備やガントリークレーン等の気になる機械や構造の質問をたくさんいただきました。

 

○また、ダムの堤体(最深階である地下4階)に入り、内部に設置しているプラムラインや揚圧力計等の説明に耳を傾けていました。監査路内は気温が低く、壁面に結露した水滴が見られ、壁面に触たり、写真撮影を行う親子も見られ、興味深く感じていただきました。

 

○今回のように、普段経験のできないダム堤体の見学やダムの役割等に関する説明を通して、流域住民の方々にダムへの理解を更に充実していけるよう努めていきたいと考えています。

 

 

 

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