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四国河川ニュース

6/14(土)〜6/27()635

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2014.6.30発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.270

○「効果の見える治水事業」高知県 西浜海岸侵食対策事業 安芸土木事務所長 永野 聖

○「高知県東部地域の連携強化へ」 安芸市長 横山 幾夫

 

 

○今週のニュース

○「重要水防箇所合同巡視」を実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「水防工法技術講習会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「仁淀川水防工法講習会」を開催 (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

○「平成26年度 大渡ダム貯水池周辺防災連絡会(幹事会)」を開催 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

○「吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会(吉野川上流部会)」を開催 (吉野川水系 吉野川統合管理事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.270

 

1.「効果の見える治水事業」高知県 西浜海岸侵食対策事業 安芸土木事務所長 永野 聖

 

○西浜海岸は、高知県東部の安芸市に位置し太平洋に面している海岸です。背後には県東部唯一の幹線道路である国道55号が併走しており、沿道には民家や事業所が隣接し、すぐ背後には山がせまっています。

 

○当海岸の堤防は昭和34年の伊勢湾台風、昭和36年の第2室戸台風で被災した後に構築されましたが、昭和42年にも被災し、その後幾度となく被災を受け続けてきました。

 

○以前は広大な砂浜を有していましたが、1947年〜1987年の40年間で汀線が約50mも後退したため、台風などの異常気象による高波時には、越波が国道にまで達し、通行止めや国道隣接の家屋及び事業所の破損や浸水など被害が発生しています。国道が通行止めとなったときは、市道を迂回路としていますが大型車両が通行できず、物流が遮断されるため、安芸市は当然のことながら安芸市以東の市町村へも大きな影響が発生しています。

 

○このため、侵食対策事業として昭和62年度に着手し、現在は突堤2基と離岸堤5基が完成しており、6基目の離岸堤を延伸中です。また、漂砂の供給が見込まれないことから養浜工も計画しており、突堤と離岸堤により沿岸漂砂を制御するとともに、養浜工を実施し砂浜の復元を図ることにより越波被害から背後地を防護する計画です。事業完了までにはまだ歳月を必要としますが、本年度も引き続き整備を実施していきます。

 

 

2.高知県東部地域の連携強化へ 安芸市長 横山 幾夫

 

○安芸市は、県都・高知市から東へ約40キロに位置し、南は土佐湾に面し、北は四国山地を背にする美しい自然とともに、歴史資源が豊富に残る県東部の中核都市であります。

 

○本市は、全国最大級の施設園芸地帯からなるナスなどの健康野菜や柚子、チリメンジャコの産地、明治時代の野良時計、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された土居廓中の町並み、岩崎彌太郎生家と三菱グループ源流の地、書道・童謡・陶芸のまち、阪神タイガース・大学・高校野球のキャンプなど、歴史と文化の香るまち、スポーツキャンプのまちとして、全国に情報発信し安芸市の魅力アップに努めています。

 

○海を望む絶景のローカル鉄道「ごめん・なはり線」は、通勤・通学に欠かせない私たちのマイレールです。各駅では、アンパンマンの作者の故・やなせたかし先生がデザインしたキャラクターが出迎えてくれ、子どもたちの笑顔が溢れています。

 

○県東部地域の高速道路整備の進展を契機に、平成27年度の開催を目指す高知県東部地域博覧会「高知家まるごと東部博」では、県や東部9市町村、民間団体が一体となり、地域自慢の人、自然、食、歴史・文化など、観光資源のブラッシュアップや体験プログラムづくりに取り組み、県東部の観光振興と交流人口の拡大による活性化につなげてまいります。

 

○現在、安芸市と高知市を結ぶ高知東部自動車の建設が進められ、観光・産業の更に県東南部の活性化にとって重要路線であり、早期完成を要望しております。

 

○西浜海岸の背後には民家や事業所が存在し、国道55号が併走しております。台風などの異常気象時には高波が砂利を打上げ、民家や事業所が破損するなどの被害を受けており、国道の通行止めも頻発しております。

 

○西浜海岸侵食対策事業が完了することにより、東部に伸びるライフラインの安全性が確保されることを期待し、今後とも県東部の発展ならびに災害に強いまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「重要水防箇所合同巡視」を実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○6月3日から6月10日にかけて徳島市、鳴門市、吉野川市、阿波市、美馬市、三好市、名西郡、板野郡、美馬郡、三好郡において、吉野川、旧吉野川及び今切川各地域の重要水防箇所合同巡視を行いました。

 

○国土交通省をはじめ、()水資源機構、徳島県、市町村、水防団等の関係職員等、延べ約130名が参加しました。

 

○「重要水防箇所」には、堤防の大きさが不足している箇所、洪水時に流水が堤防や地盤に浸透して湧き出る箇所、堤防の法くずれの危険性のある箇所などで、水防上の重要度によって2ランク(A・B)に区分されています 。

 

○洪水時には、流水により堤防が壊されたり堤防を越えてあふれ出たりしないように、水防団等が種々の水防工法により「水防」活動を実施して堤防を守ります。そうした危険個所をいち早く察知するため、洪水が一定の規模になると水防団等は堤防を点検しています。

 

○洪水時に水防団等による水防活動が迅速かつ効果的に行えるように、河川の流下能力不足の場所や堤防の断面不足、漏水の履歴がある場所などを「重要水防箇所」として設定し、出水期前に地元市町や水防団等と合同巡視を行うことで当該箇所の周知を図っています。

 

○今後も、関係機関との情報共有や連携を図りながら、梅雨や台風シーズンに備えていきたいと思います。

 

 

2.「水防工法技術講習会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○徳島河川国道事務所では、豪雨災害に備えるため、水防技術の向上及び伝承を図るとともに、水防の技術的なリーダー育成を目的として、水防工法技術講習会を行っています。

 

○本年度は、6月8日(日)と6月15日(日)の2回、吉野川市鴨島町で吉野川市消防団員のべ約200名を対象に開催しました。

 

○実技指導には当事務所の水防指導職員のほか、水防に関する専門知識を有する四国地方防災エキスパートも参加し、土のう作り、ロープワーク、改良積み土のう工、月ノ輪工について実演を交えて指導をいただきました。

 

○四国地方は梅雨に入り、本格的な出水シーズンを迎えています。いざという時、今回の講習で得られた技術が活かされ、洪水被害の軽減につながれば良いと考えています。

 

 

3.「仁淀川水防工法講習会」を開催 (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

○梅雨の合間の6月15日(日)に高知県土佐市新居地先において、仁淀川水防工法講習会及び水防団の方々との意見交換会を開催しました。

 

○水防工法講習会は、水防技能の習熟及び防災意識の向上のため、H19年から毎年、仁淀川と物部川で交互に開催しています。

 

○今年は仁淀川において高知市、土佐市、いの町、日高村の水防団員(消防団)及び高知県、各市町村の防災担当職員、高知河川国道事務所職員の約90名が参加しました。

 

○水防工法講習会では外部講師(防災エキスパート)の協力のもと、準備工となる「本結び」「いぼ結び」等7種類のロープワークや土のう作成及び、水防工法となる「釜段工」「改良積土のう工」「木流し工」の演習を行いました。

 

○水防工法講習会終了後、水防団の方々と意見交換会を開催し、参加者のうち29名が参加しました。

 

○意見交換会では「独自の講習会は実施しておらず、専門的な知識があまりないので、このような講習会を継続してほしい。」「樋門・排水機場の操作やパトロール、住民の避難活動をしているので、水防活動の人手が足りていない。」等の意見をいただきました。

 

○災害は起こらないことが一番ですが、災害時に今回学んでいただいた技術が、実践に役立つことを願います。

 

 

4.「平成26年度 大渡ダム貯水池周辺防災連絡会(幹事会)」を開催 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

○大渡ダム貯水池周辺防災連絡会は、大渡ダム貯水池周辺の防災事業に関係する機関(仁淀川町、高知県中央西土木事務所越知事務所、高知県中央西農業振興センター、高知県中央西林業事務所、中国四国農政局高瀬農地保全事業所、土佐国道事務所、大渡ダム管理所)をメンバーとして、大渡ダム貯水池周辺における地すべりや崩壊等の防災に関する情報の共有を行うとともに、万一の場合の連携を図ることを目的に平成14年度から定期的に開催されています。

 

○今回、本連絡会の幹事会としては、出水期(7月1日)前の6月19日(木)に大渡ダム管理所会議室にて開催しました。

 

○各機関からの、地すべり対策等防災事業の昨年度や今年度の状況報告とともに、緊急時の情報連絡体制等について確認を行いました。

 

○今後とも、関係機関との連絡を密にし、周辺住民の安全安心や国道33号線を含む周辺道路の安全確保に努めていきたいと思います。

 

 

5.「吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会(吉野川上流部会)」を開催 (吉野川水系 吉野川統合管理事務所)

 

○平成26年6月12日(木)吉野川ダム統合管理事務所において、四国4県及び関係市町村等の担当者40名が参加し「吉野川水系水質汚濁防止協議会(吉野川上流部会)」を開催しました。この部会は、吉野川上流において水質事故等が発生した場合又は発生するおそれがある場合における関係機関等との連絡体制の強化を図ることを目的として開催しています。

 

○上流部会では、水質事故等発生時の連絡体制を確認するとともに、最近の水質事故等発生状況や関係機関の水質事故対策資材保有状況の周知を行いました。

 

 

 

 

 

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