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四国河川ニュース

5/3(土)〜5/16()632

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2014.5.19発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.267

○「効果の見える河川事業」徳島県 飯尾川 広域河川改修事業 東部県土整備局(吉野川庁舎)副局長 柏尾 達也

○「効果の見える河川事業」徳島県 飯尾川 広域河川改修事業 石井町長 河野 俊明

 

 

○今週のニュース

○「四万十川総合水防演習」の開催 (渡川水系 中村河川国道事務所)

○「土器川・YOU・遊フェスタ」〜泳げ鯉のぼり〜(土器川水系 香川河川国道事務所)

○「野村中学校体験学習」 (肱川水系 野村ダム管理所)

○「第23回朝霧湖マラソン大会」の開催 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.267

 

1.「効果の見える河川事業」 徳島県 飯尾川 広域河川改修事業 石井町長 河野 俊明

 

○石井町は、吉野川流域の下流南岸に広がる平野に位置する東西約6km、南北5.5kmの方形で、町域面積は28.83km2となっています。

 

○また、西から東に向かって緩やかな下降傾斜を描く比較的平坦な地勢となっており、町の北辺を画する吉野川や中央を湾曲しながら東流する飯尾川など、多くの河川が流れ、水に恵まれた地形を活かし、広大で豊かな田園地帯が形成されています。

 

○近年は、県都徳島市の中心部から10kmという立地条件等を背景にベッドタウンとしての機能が高まっており、町内東部を中心に宅地開発も進んでいます。

 

○そこで、恵まれた自然環境を活かした潤いのあるまちづくりを目指し、親水性のある憩いの場としての水辺環境、水辺空間を創造しているところです。

 

○一方で、町内を流れる飯尾川は県内最大の内水河川であり、吉野川の水位が高い時には自然排水ができなくなる特性から、これまでも度々浸水被害が発生し、近年では、平成16年の台風23号や平成23年の台風15号により、家屋や農地などに多くの被害をもたらしました。

 

○こうしたことから、国による「角ノ瀬排水機場」の整備、そして県による「飯尾川第2樋門」の改築や河道拡幅が進められ、平成25年11月には、長年の悲願であった「加減堰」の撤去が完了したところであります。

 

○これらの整備効果によりこれまで発生していた浸水被害が軽減され、町民の安全・安心につながるものと大いに期待しているところであります。

 

 

2.「効果の見える河川事業」徳島県 飯尾川 広域河川改修事業   東部県土整備局(吉野川庁舎)副局長 柏尾 達也

 

○飯尾川は、吉野川市鴨島町の樋山地山中に源を発し、北流して平地に達した後、東に向け平地を緩やかに蛇行しながら、吉野川とほぼ並行に流れ、途中の支川を合わせ鮎喰川に合流する幹川流路延長25.8km、流域面積71.2km2の一級河川であります。

 

○河床勾配は非常に緩やかで、流路のほとんどが低平地を流下しているため、吉野川の洪水位が高いときには、飯尾川の洪水が自然排水されないことから、大規模な浸水被害が繰り返され、平成16年の台風23号では、浸水家屋1,300戸を超える甚大な水害に見舞われました。

 

○飯尾川の改修の歴史は古く、昭和7年からの第1期改修によって狭い川幅を広げて流れを改善したことに伴い、これまで上流で氾濫していた洪水が下流へ押し寄せてくるとのことから、窮余の策として、石井町と徳島市の境界付近に、下流域の浸水被害の拡大を防ぐため、川幅を狭くすることを目的とした「加減堰」が造られた経緯があります。

 

○「災いの年」と言われた平成16年、国民の生命、財産が失われてから対応する「災害復旧」ありきでなく、災害が発生する前に予防する「災害予防」を推進すべきと本県が主導し、全国知事会において緊急決議が行われ、平成17年、国土交通省において「災害予防」を前面に打ち立てた予算が補正予算として創設されるとともに、その一環として、長年の悲願であり、飯尾川の治水歴史上大きな一歩である、四国最大級のポンプを有する「角ノ瀬排水機場」の整備が事業採択されました。

 

○このことを契機として、平成18年にはもう一つの克服すべき課題であった、「飯尾川第二樋門の改築」が事業化されるとともに、併せて「加減堰下流の河道拡幅」を集中的に実施することで、「加減堰の撤去」に向けた環境が整い、平成25年1月、まずは「加減堰 右岸」撤去工事に着手し、平成25年11月に撤去が完了したところであります。

 

○今後も飯尾川流域の浸水被害の軽減に向け、引き続き、関係機関や地元住民と協力し、整備を推進して参りたいと考えております。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「四万十川総合水防演習」の開催 (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

○5月11日(日)高知県四万十市不破地先の四万十川左岸河川敷において、関係機関や一般見学者を含め約2,000人が参加し、平成26年度四万十川総合水防演習を開催しました。

 

○演習は、大規模洪水が発生し堤防が決壊することを想定し、国土交通省、高知県、四万十川流域周辺の関係10市町村と各水防(消防)団、警察、陸上自衛隊、日本赤十字社、四国電力、NTTなど50団体から約600人が参加、四万十川の洪水被害の防止・軽減、早期復旧のための「水防工法の習得、情報伝達、人命救助、ライフライン復旧、応急医療訓練(トリアージ)、堤防応急復旧等」を中心に行いました。

 

○演習では水防工法の実施に加え、地元の幡多地区自主防災会連絡協議会や中村南小学校児童及び幡多看護専門学校生徒に参加して頂き、洪水により既存の橋が流出し避難が遅れた住民が救助を求めているという想定で、陸上自衛隊が仮設橋を架け、その橋を渡っての避難及び人命救助訓練も行いました。

また、水防工法の訓練には、水防技術を継承し次世代のリーダーとなっていただけるよう、宿毛工業高等学校の生徒にも参加して頂きました。

 

○演習会場では、防災エキスパートの指導による土のう作りやロープワーク、降雨体験などの体験コーナーを設置し、一般参加者に実際に体感してもらいました。また、多くの方に来場してもらい、幡多地区の地場産品PRもかねて、展示即売コーナーを設けたところ大変盛況でした。

 

○まもなく四国地方も梅雨入りし、出水期を迎えます。今回の総合水防演習を活かし、今後とも関係機関と連携して、防災に万全の備えを行っていきたいと考えています。

 

 

2.「土器川・YOU・遊フェスタ」〜泳げ鯉のぼり〜(土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○4月23日(水)、丸亀市立城東小学校前の土器川河川敷「みんなの広場」において、「土器川・YOU・遊フェスタ」が開催されました。

 

○この行事は、端午の節句にちなみ子供達の成長を祝うとともに、子供達が地域のシンボルである土器川の清掃や淡水魚に接することにより、自然を大切にし、自然を美しくする心を育てることを目的に実施しています。今年で15回目を迎え、土器川の風物詩となっています。

 

○当日は、地元の城東幼稚園、青ノ山・土居保育所、ふたば乳児保育園の園児や城東小学校の児童達による手作りの鯉のぼり300匹が、土器川の川幅いっぱいに泳ぐなか、園児や児童達約200名と家族の方々や丸亀市長、香川河川国道事務所長等も参加されました。

 

○主催者の城東幼稚園の園長、来賓あいさつのあと、楽しいお祝いゲームや丸亀警察署による水難事故防止啓発の劇、土器川生物研究会による淡水魚の説明、参加者みんなで河原の清掃を行い、最後に丸亀市淡水漁業組合のご協力により、フナ、ワキン、メダカなどの稚魚を子どもたちの手で土器川へ放流しました。

 

○参加した子どもたちは、「さかなを放流して楽しかった」「本物のたくさんのさかなが見れてよかった」「ひとりでは川には近づかない」「ゴミをなくして生物が暮らしやすい川にしたい」などと笑顔で感想を話していました。

 

○これからもこのような行事を通じて、ふるさとの川「土器川」を大切にしていこうという気持ちを高くしていただければ幸いです。

 

 

3.「野村中学校体験学習」 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○野村ダムでは、昨年度より愛媛県立野村中学校の環境教育総合学習の一環として、野村ダムにおける環境に対する取り組みを理解していただくために、「野村ダム体験学習会」を開催しています。

 

○今年度は、5月7日(水)に開催し、3年生全員(62名)が参加されました。

 

○体験内容は、ダムの目的と役割(治水・利水)、リサイクル(流木処理における一般廃棄物の堆肥化)、水質浄化(曝気循環装置・エンツァイ水耕栽培)について見学、体験していただきました。

 

○中学生たちは、普段見ることのできないダムの操作室や堤体の中に入ると、興味津々な様子で、ダムのゲートなど見て「すごい大きい。」と驚いていました。

 

○また、ダムに流れ込んできた流木を1年かけて堆肥化したものを堆肥とゴミに分別したり、バラ堆肥を袋詰めにする作業を実際に体験した後、自分たちで作成した袋詰め堆肥を持って帰っていただきました。

 

○水質浄化の面では、ダム湖に設置している曝気循環装置の役割と、エンツァイ(水中の富栄養化分を吸収する性質がある。)の水耕栽培について学習していただきました。

 

○この体験学習を通して、若い世代が土木技術やダム技術、環境保全に興味を持つきっかけとなれば幸いと考えています。野村ダム管理所では、今後も引き続き、体験学習を受け入れ、人材育成に向けた学習活動を支援して行きたいと考えています。

 

 

4.「第23回朝霧湖マラソン大会」の開催 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○平成26年5月3日(土)に恒例の「朝霧湖マラソン大会」(主催:西予市・西予市観光協会・朝霧湖マラソン実行委員会)が開催され、西予市長をはじめ、県内外から過去最高の約2,848人のランナーが参加されました。

 

○野村町の三大地域活性化イベントの一つである本大会は、近年、参加者が急激に増えており、観光協会や実行委員会では嬉しさとともに今後の受け入れ体制に悩んでいます。

 

○このような状況下、野村ダムでは昨年度より本大会会場内にブースをお借りし、出水時の流木処理対策として取り組んでいる流木粉砕物(袋詰堆肥)やダム見学会用の布製チラシをアンケート付で配布するなど、管理所の広報活動を行っています。

 

○袋詰め堆肥、布製チラシのアンケートの結果は、昨年同様に両方とも好評で、本大会後、早速、管理所に堆肥を取りに来られる方も現れ、広報効果は高かったと感じています。

 

○今後も引き続き、地域イベントでの広報活動に積極的に取り組み、地域と連携したダム管理に努めていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

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