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四国河川ニュース
《1/11(土)〜1/24(金)》624号
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【2014.1.27発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.260
○「徳島県 正法寺川 清流ルネッサンス2」 徳島県東部県土整備局長 近藤 文彰
○「徳島県 正法寺川 清流ルネッサンス2」 藍住町長 石川 智能
○今週のニュース
○「第5回開発霞ワークショップ」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○「銅山川において第6回社会実験(弾力的管理試験)」を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○「吉野川ダム統合管理事務所開設40年を迎えて」 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.260
★お詫び:ローマ数字は機種により表示されない恐れがあるため、アラビア数字(共通数字)に変更させて頂きました。
1.「徳島県 正法寺川 清流ルネッサンス2」 徳島県東部県土整備局長 近藤 文彰
○正法寺川は、一級河川吉野川の支川で、板野郡藍住町のほぼ中心を南東方向へ流下し、徳島市応神町で吉野川に合流する、延長5,200m、流域面積8.05km2の一級河川です。この河川の特徴としては、水源となる山が無いために平常時は流量が少なく、平地の住宅地と農地の中を流れており、生活雑排水の流入が多いことや、藍住町の急速な都市化やごみ放置により水環境が悪化しました。
○このような状況に対し、平成13年度に「第2期水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンス2)」の対象河川に指定され、翌年の平成14年度に「正法寺川清流ルネッサンス2協議会」を設立し、平成15年度に「吉野川水系正法寺川水環境改善緊急行動計画」を作成しました。その後、平成21年度に計画の一部変更を行っています。計画では、平成30年度を計画目標年度とし、フナなどが生息でき、快適な親水活動や景観の保全を図ることを目標水環境とし、「みどり橋」と「仁徳橋」のBOD年平均値で5.0mg/l以下を目標水質としています。現在、河川管理者、下水道管理者、藍住町、地元住民などが協力して水環境を改善するための様々な取り組みを行っています。
○河川管理者の取り組みとしては、1)平成8年度から実施している底泥の浚渫、2)平成5年度から実施している旧吉野川からの導水(導水量0.2m3/s)、3)平成14年度から実施している直接浄化施設による浄化、4)昭和40年代から実施している河川改修、などがあります。また、下水道管理者や藍住町による下水道整備、地元住民や地元小中学校による河川清掃などのボランティア活動や環境学習などが行われています。
○平成22年度からは新たな取り組みとして、水質浄化実験「浮島」プロジェクトを行っています。魚類や鳥類の生息空間の創造、水質の改善、生活排水対策等への意識の高揚を目的とし、徳島県、藍住町、地元住民団体の正法寺川を考える会による官民協働により、ヨシを植栽した筏を設置しています。
○今後も関係機関や地元住民と協力し、正法寺川の水環境改善に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。
2.「徳島県 正法寺川 清流ルネッサンス2」 藍住町長 石川 智能
○徳島県の中央を流れる吉野川の下流左岸に位置する藍住町は、旧吉野川と吉野川に囲まれたデルタ地帯で、板野郡のほぼ中央にあります。いわば、たゆまぬ吉野川の沖積によってできた平坦な土地で、山がまったくない珍しい町です。
○北緯34度70分、東経134度29分。南は徳島市、北は鳴門市と接しています。約4km四方で面積は約16.27平方キロメートルです。
○そんな藍住町の中央には正法寺川が流れていますが、昭和40年代後半から急速な人口増加に伴う都市化によって水質の悪化が深刻な問題となっています。
○町ではこうしたことを受け、昔のような水に親しむ風景を取り戻すため、本格的な親水公園の整備を進めてきました。正法寺川浄化事業の一環として建設された東中富親水公園は、魅力ある水辺づくりで国土交通省から手づくり郷土賞を受け、水にふれあう新しい公園として注目されています。そして、緑の広場付近の正法寺川沿岸に整備された正法寺川公園も園内につくられた西日本一の木造アーチ橋「みどり橋」の完成とともに大変話題となり、休日には人々の憩いの場として多くの親子連れの姿などが見られます。
○また、本町と連携して正法寺川の清掃活動等の環境活動に取り組んでいる民間団体「正法寺川を考える会」では、地元小学生を対象にした環境学習会を開催し、正法寺川のほとりで川の水質調査や水生生物の捕獲・調査、水辺の植物の採取・調査を行ったりしています。ボートに乗船し、水面から正法寺川に生息する動植物を直接見てもらい、自然界における役割や生息するために必要な環境、その生き物の独特の生態などを学んでもらい、自然の大切さや美しさを心に残してもらえるような活動を今後も進めていきたいと考えております。
今週のニュース
1.「第5回開発霞ワークショップ」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○1月14日(火)に、東温市役所において、東温市上村地区(重信川開発霞)の自然環境復元に向けた計画づくりを議論する「第5回開発霞ワークショップ」を開催しました。
○「開発霞ワークショップ」は、重信川開発霞において、自然環境の保全・再生に向けた計画設計・施工・モニタリング・維持管理等に関する検討を行い、具体的な計画づくりを行うことを目的に学識者4名、公募メンバー15名(NPO・学校関係・地元住民等)、オブザーバーとして行政関係者4名の合計23名で構成されているものです。
○今回のワークショップは、具体的な整備内容について、これまで議論頂いたものをとりまとめ詳細な整備内容を確認頂いた外、維持管理・利活用について、整備検討段階では具体な内容を詳細に議論することは困難なため、どのように利活用していくべきかについて各種提案を頂き、対応方針をとりまとめることになりました。
○その結果、整備内容は、泉の湧水位置や既設水路合流部の取り付け位置などに変更はあるものの原案が了承されました。維持管理・利活用は、これまでの整備箇所で実施してきたノウハウを活かして、地元関係者をはじめ、子供からお年寄りまでの幅広い方々が利用して、自然再生事業が認知されるよう行政・大学・地元関係者が連携して、積極的に対応を図っていくこととして、詳細は今後工事を実施しながら検討していくこととなりました。
○今回で、今年度の開発霞ワークショップは終了となり、これまでメンバーから頂いた各種意見を参考に実施設計を行う予定です。その後工事に入っていくことになりますが、各年度の工事前には、ワークショップメンバーに集まって頂き、詳細内容を確認頂きながら工事進捗を図り、利活用・維持管理についても具体的な検討を行っていく予定になっています。
2.「銅山川において第6回社会実験(弾力的管理試験)」を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○銅山川では、新宮ダム下流の河川環境を改善するために、新宮ダムから下流への放流量を増量する「社会実験(弾力的管理試験)」を平成22年度から実施しています。
○放流量の増量にあたっては、洪水時に富郷ダムの洪水調節容量内の一部に治水上、支障のない範囲で貯留した水を用いています。
○この「社会実験(弾力的管理試験)」は、効果的な放流方法を検討するにあたって、地域の方々にアンケート調査などを通してご意見や感想をお伺いするものです。
○1月18日(土)に環境改善のための容量25万6千m3のうちの半分である約13万m3を利用し、影井堰から約10.0m3/s(放流前は約0.17m3/s)の水を約3時間に渡り放流しました。
○今回の実験では、下流への水の到達状況等を確認するため、これまでの調査地点よりさらに下流に調査地点を追加し、地域の方々に見学いただきました。
○今後、これまでの実験結果を踏まえて、よりよい放流方法を検討していきます。
3.「吉野川ダム統合管理事務所開設40年を迎えて」 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○吉野川ダム統合管理事務所は、昭和48年4月に開設し、平成25年で40年を迎えています。
○吉野川水系では、昭和29年に柳瀬ダムが建設されたのをはじめとして、昭和50年代はじめには早明浦ダム、池田ダム、新宮ダムが整備され、平成13年に富郷ダムが加わり、計5つの多目的ダムが整備されています。
○吉野川ダム統合管理事務所は、これらの5ダムの治水・利水機能が効果的に発揮できるよう統合管理を行っています。
○事務所では、これまでの40年、特に最近の10年を振り返るため、平成15年度以降に事務所長として在籍された方々にご出席いただき、「40周年記念座談会」を開催しました。
○出席された方々からは、当時の様々な経験や工夫、苦労された事柄などを紹介していただくとともに、今後のダム管理に向けて様々なご意見をいただきました。
○ダム管理につきましては、治水、利水、環境の保全などについて、より適切な管理が求められています。吉野川ダム統合管理事務所は、座談会でのご指摘を踏まえ、今後とも適切なダム管理に努めて参ります。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■
四国地方整備局 河川部 河川管理課 洪水予測専門官 内山 俊浩
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(内山) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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