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四国河川ニュース
《12/21(土)〜1/10(金)》623号
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【2014.1.14発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.259
○「高知県 和食(わじき)ダム建設事業」 高知県安芸土木事務所和食ダム建設事務所長 北村 俊幸
○「さらなる発展を目指して」 芸西村長 竹内 強
○今週のニュース
○「まつやま環境フェア」に参加 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○「中筋川ダムでX'masイルミネーション」を開催 (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.259
1.「高知県 和食(わじき)ダム建設事業」 高知県安芸土木事務所和食ダム建設事務所 北村 俊幸
○和食ダムの本体工事が平成25年10月15日に契約となりました。平成元年の洪水を契機に始まったダム建設の検討、平成15年の建設事業着工、平成22年のダム検証など、四半世紀を経て、ようやく本体工事着工の運びとなりました。
○本ダムが建設される和食川は、本県の東部に位置しており、河川延長6.3km、流域面積20.6km2の河川です。流域の降水量は梅雨期、台風期に多く、ダム計画の契機となった平成元年8月には、時間雨量114ミリ、2時間雨量220ミリという豪雨により、和食川沿いに広がる農地や住宅地で約245haに及ぶ浸水被害が発生しています。その一方、流域面積が小さく、降雨も短期間に集中することが多いため、梅雨期を除き水量の乏しい状況になり、農業用水や水道用水の安定供給ができず、節水要請等が度々発生しています。
○和食ダムは、洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水供給(最大1,000m3/日)を目的とした重力式コンクリートダムで、その規模は高さ51.0m、堤頂長121.5m、総貯水容量730,000m3、有効貯水容量680,000m3です。本年10月に県内外4社から構成される特定建設工事共同企業体が工事を受注し、平成28年度の完成を目指しています。平成25年度は準備工を経て、転流工、仮設備ヤード造成、本体掘削等の工事にかかり、26年8月にはコンクリート打設を開始する予定です。
○また、ダム関連工事として、取水放流設備工事にも着手しており、25年度は取水設備や導水管、試験湛水用ゲート等の工場製作工を進めています。今後は、ダムサイト上流の付替道路工事等も平行して進め、事業の進捗を図ります。
○和食ダムの建設は、和食川の度重なる洪水被害や渇水被害の抜本的な対策として、芸西村をはじめ、地域住民の方々の強い要望と期待を受けている事業であり、できる限り早く事業効果の発現が図られるよう、その早期完成が望まれています。今後、本格的にダム建設が始まりますが、工事安全対策・交通安全対策の徹底や濁水流出の抑制等に取り組み、住民の方々の生活環境や河川環境に十分配慮しながら、事業の早期完成に向けて取り組んでいきます。
2.「さらなる発展を目指して」 芸西村長 竹内 強
○芸西村は昭和29年に、旧和食村・西分村・馬ノ上村の3村合併により誕生し、今年で合併60周年を迎えます。高知県東部に位置し、人口は4,000人ほどで村の中央を和食川とその支流の長谷川が流れ、河口近くで約300haの平野を形成しています。南は雄大な太平洋に面し、北を山々に囲まれ、年間を通して温暖な気候に恵まれているため、ビニールハウスによる施設園芸が盛んで、茄子、ピーマン、花卉など豊富な特産物を持つ高知県内屈指の園芸農村です。
○芸西村でブランド化された特産の花ブルースターのオリジナル品種である「ピュアブルー」は2011年ドイツで開催された国際園芸見本市の品評会で切り花部門の最優秀を受賞しました。
○また、近年は環境保全型農業の推進にも力をいれており、天敵昆虫を活用した害虫駆除や化石燃料に替えて木質ペレットを燃料とする農業用バイオマスボイラーの導入にも取り組んでいます。
○このように芸西村が高知県内でも有数のハウス園芸地帯となった背景には、先人の弛まぬ努力と各関係機関のご尽力があります。昭和20年代までの和食川では、大波による河口部の閉塞や堤防の決壊などにより大きな被害が続いていました。また、川の流域面積が小さいため慢性的な水不足にも悩まされており農業の生産性は低いものでした。このような問題を解決するため、河口には4門のボックスカルバート工法による導流堤が建設され、水害対策の河川改良も行われました。農地では区画整理事業や用排水路の新設改良、農業用ため池の整備などが行われ農業基盤が整いました。
○こうした治水対策、農業基盤整備により芸西村は全国に誇れるハウス園芸地帯となりましたが、ビニールハウスの増加や生活様式の変化による水需要の増大、あるいは集中豪雨による農地の冠水被害など芸西村の水問題は解決には至っていないのが現状です。長年の水問題の抜本的な対策として計画された和食ダムは、今年度いよいよ着工の運びとなり、平成28年度には完成の見込みです。村民の待ち望む和食ダムの完成後は、村のさらなる発展を目指した取り組みを進めていきたいと考えております。
今週のニュース
1.「まつやま環境フェア」に参加 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○12月22日(日)に、松山コミュニティセンターにおいて、松山市主催による「平成25年度環境フェア」が開催されました。
○体験しながら環境について考える催しで、松山で環境に関わる8つの団体がブースを設け、それぞれ趣向を凝らした催しで来場者にPRを行いました。
○松山河川国道事務所は、重信川自然再生事業をパネルでPRするとともに、重信川でも多くの種が生息・生育している外来種について理解を図るため、外来種と在来種を見分ける○×クイズを実施しました。
○来場者のほとんどは、ブルーギル、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)が外来種であることを知っていましたが、オオキンケイギクが外来種であり、重信川一面に生育していることを説明すると驚きの表情を示していました。
○松山河川国道事務所では、これからも重信川の河川環境について理解が図れるよう、様々な機会を通じてPRを行い、重信川の環境保全に取り組んでいきます。
2.「中筋川ダムでX'masイルミネーション」を開催 (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)
○中筋川ダムでは、地域の暮らしを支えるダムとしてダムへの理解と親しみを持ってもらうため、蛍湖まつり、ダム見学会、環境学習教室や、毎月第4土曜の「中筋川ダムの日」イベントを開催しています。
○これらの取り組みに合わせて今年は、冬の夜の演出を用意しました。12月21〜25日の5日間、ダム堤体のライトアップ、ダム湖内の水質浄化装置(噴水)のライトアップ、ダムサイトのLEDライト約2万球のイルミネーションが夜空の下で輝きました。
○7mの巨大ツリーを中心にしたLEDライトと、青く浮かび上がるダム堤体、黄色やオレンジの光を放ちながら吹き上がる噴水に、来場者からは「とってもキレイ!寒い中来て良かった」という声が聞かれました。
○2才から70才代までの幅広い年代のたくさんの方々が夫婦、親子、恋人同士で来場され、イルミネーションをなんとかうまく写真に納めようとカメラの設定を何度も調整しながら楽しむ様子が見られました。
○クリスマス寒波に見舞われ冷え込みましたが、積雪はなく安全にダムまで来てもらえて何よりでした。ご来場ありがとうございました。
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〒760-8554 高松市サンポート3番33号
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