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四国河川ニュース
《10/26(土)〜11/8(金)》619号
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【2013.11.11発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.255
○「丸山県単急傾斜地崩壊対策事業について」 安芸土木事務所室戸事務所長 仙頭 久也
○「自然の恵み豊かな室戸市」 室戸市長 小松 幹侍
○今週のニュース
○「自然再生シンポジウムin四国」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○秋立つ高の瀬峡で『第6回 那賀川源流コンサート」』を開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○「第11回 阿南市こどもフェスティバル」に参加 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.255
1.「丸山県単急傾斜地崩壊対策事業について」 安芸土木事務所室戸事務所長 仙頭 久也
○本事業は、室戸市三津丸山地区の要援護者関連施設である特別養護老人ホーム「丸山長寿園」(入居者100名、常勤職員63名)を斜面崩壊から守るため、県単独事業により急傾斜地崩壊対策事業を実施したものです。
○施設周辺の地形は海岸段丘で、施設の背後には長大で急峻な斜面が迫る一方、施設から海岸線までは約50mしかありません。
○南海トラフ巨大地震時には、地震発生後、10分〜20分で津波が到達し、5〜10mの浸水も想定されていますので、土砂災害対策に加えて丸山長寿園、室戸市、当事務所の三者で津波対策についても検討を行いました。
○その結果、県が対策工として実施する待受けタイプの擁壁の前面に室戸市が津波避難の場所を確保することになりました。
○ただ、想定以上の津波が発生する恐れもあるため、その際、容易に擁壁背後に避難できるよう擁壁間にスペースを確保した形式で擁壁を整備しました。事業実施にあたり、ご協力いただきました地権者の方々、丸山長寿園及び室戸市ほか関係機関の皆様にこの場を借りて厚くお礼を申し上げます。
○今後も引き続き、幅広い視点で防災対策を検討し事業を実施していきたいと考えています。
2.「自然の恵み豊かな室戸市」 室戸市長 小松 幹侍
○室戸市は、江戸時代から明治の終わりまで、クジラ漁、その後カツオ漁、昭和になるとマグロ漁などの遠洋漁業の基地として栄え、現在では室戸岬の東海岸は、栄養が豊かな海洋深層水が湧きあがってきていることから、よい魚場となっており、定置網漁も盛んに行われています。
○さらに、海洋深層水が湧き上がってくるポイントは、良好な魚場なだけでなく、大型のマッコウクジラがあらわれるのでホエールウォッチングには絶好のポイントにもなっています。
○このほか、およそ1200年前に、弘法大師が修行をした御厨人窟や行水の池、四国霊場の最御崎寺(ほつみさきじ)、津照寺(しんしょうじ)、金剛頂寺(こんごうちょうじ)など多くの弘法大師ゆかりの地があり、数多くの方々が巡礼に訪れております。
○秋になりますと、市内各地では五穀豊穣を感謝する神祭がとり行われ、それぞれの地域で培われてきた歴史と伝統がみられます。その中で室戸独特なものとして、時事問題や世の中の出来事などを、庶民の立場で風刺するユニークな即興の寸劇狂言である、「佐喜浜俄(国の無形文化財・県の無形文化財)」があり、多くの方々が見に来られます。
○これからの季節は、気候も穏やかで、世界認定された室戸ジオパークの地形や自然の探勝と併せて、室戸ならではの海の幸、山の幸も存分に楽しむこともできます。
○ぜひ、室戸においでください。
○一方、防災の取り組みにつきまして、室戸市は南海地震時に震源地に近いことから、早いところでは地震発生後5分以内に津波の第1波が到達するといわれています。人家の前が海岸、背後は山という地形のため、津波から避難する場所は、背後の山しかありません。さらに、室戸市の高齢化率は40.8%(H25.8月末時点)となっており、高齢者の方が迅速に避難することも大きな課題となっています。
○つきましては、津波による被害を最小限にするために、今後とも住民の方々と協働して、防災力の向上や避難路などの整備を行ってまいります。
今週のニュース
1.「自然再生シンポジウムin四国」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○11月5日(火)に、愛媛大学南加記念ホールにおいて、「重信川の自然をはぐくむ会」・「四万十川自然再生協議会」の主催による「自然再生シンポジウムin四国〜河川環境の保全これまでの10年、これからの10年〜」が行われました。
○シンポジウムは、北海道大学大学院農学研究院中村太士教授の基調講演【演題:流域環境の保全と再生をどのように進めるか】に始まり、佐賀県松浦川、高知県四万十川、愛媛県重信川の事例紹介、3河川の代表者5名がパネラーとなり、中村先生がコーディネートするパネルディスカッションにより進行されました。
○中村先生は地元北海道のみならず全国の事例を踏まえ、湧水箇所は生態的に重要で連結していることが必要、川の生態系を考える上では「水・緑・土」が重要な要素である、人口減少を「防災」と「自然再生」の共存できるチャンスとするべき、などの貴重なお話を頂き、最後に生業が実現する自然再生を目指そうとエールを送っていただきました。
○事例紹介では、松浦川から、各自が「してくれ」ではなく「しよう」の精神でみんなで話し合いながらつくり上げた湿地の再生を、四万十川からアユの瀬づくり、ツルの里づくり、魚のゆりかごづくりに向けた活動を、重信川から地域の大学、NPO、行政が連携した重信川の自然をはぐくむ会が中心となり行った、松原泉の再生、広瀬霞の再生、河口ヨシ原の再生について紹介がありました。
○シンポジウムは、参加者にアンケートを行いながら進められ、環境面の課題は、水量が少ない、植生が悪い(外来種が多い)などの課題が、河川の維持管理に関して、ボランティア活動として参加する場合は1〜2回/年のゴミ拾いが限界、自然再生事業により地域住民が元気になることが求められている結果となり、パネリストから子供をターゲットとして、父母、祖父母を取り込んで、できることからまずやってみることが重要であるなどの意見交換が行われました。
○翌日の6日(水)には重信川の自然再生事業箇所及び重信川周辺の湧水泉の見学があり、河口ヨシ原箇所では伊予農業高等学校希少植物群保全プロジェクトチームの生徒がモニタリング結果を報告し、松原泉箇所では、松原泉を管理する会の森田会長から過去のエピソードの報告がありました。参加した方々にとって、河川の自然再生、環境保全に向けた活動の参考になったものと思います。
2.秋立つ高の瀬峡で『第6回 那賀川源流コンサート」』を開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○剣山渓を望む高の瀬峡は、那賀川の源流にほど近く、秋にはすばらしい紅葉に囲まれます。この高の瀬峡において、平成25年10月27日(日曜日)、「那賀川アフターフォーラム」主催、「ゆきかう那賀川推進会議」後援による「那賀川源流コンサート」を開催しました。
○このコンサートは、那賀川における流域内交流の活性化、上下流連携の推進による地域振興を目指して平成18年から開催しているもので、今年で6回を数えます。
○木々の色付きはじめた高の瀬峡は少し肌寒さがありましたが、出演者を含め、約180名もの方々にご来場頂きました。また、前々日の台風通過の影響も感じさせず、コンサートが始まって以来初めてとも言える素晴らしい秋晴れとなりました。
○出演者のすばらしい演奏や歌声に、会場全体は暖かい雰囲気となり、最後は、参加者全員で「ふるさと」を合唱し、那賀川流域の素晴らしい自然にそれぞれの思いを巡らせました。
3.「第11回 阿南市こどもフェスティバル」に参加 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○10月27日(日)に阿南工業高等専門学校において、阿南市こどもフェスティバル実行委員会等の主催による「第11回 阿南市こどもフェスティバル」が開催されました。
○フェスティバルでは、「みんなでチャレンジ!学んで楽しい ゆめのフェスタ!!」をテーマに、多数の教育機関、行政機関、民間企業による様々な催し物が執り行われました。
○那賀川河川事務所では、「のぞいて見よう川の中(那賀川に棲む水生昆虫たち)」というキャッチフレーズで、当日、川で採取した水生昆虫の観察会を実施しました。
○こども達は初めて見る水生昆虫に興味津々で、特に顕微鏡で見る水生昆虫は細かい部分まで観察できることから、とても人気があり、多くのこども達が見入っていました。
○また、イベント中には、水生昆虫に関するクイズ、今年、那賀川で二度にも渡る渇水となったこともあり、水の大切を知ってもらおうと、渇水パネルの展示も行いました。
○さらに、イベントの合間には地震によって発生する地盤の液状化現象について簡単な実験装置を用いて、説明を行いました。(現在、那賀川河口域において、耐震対策を実施中!)
○那賀川河川事務所では、これからも様々な取り組みを通して、川に親しんでもらい、川の環境を考えるきっかけになるよう今後も活動を続けていきたいと思います。
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■連絡先■
四国地方整備局 河川部 河川管理課 洪水予測専門官 内山 俊浩
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(内山) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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